マチノヨハク

空き家を活用して新しい価値をつくる

空き家活用ベンチャー「空き家活用株式会社」の今後に注目

ベンチャーキャピタルが空き家ベンチャー企業に投資

以前から気になっていた空き家所有者データベース構築に取り組んでいる「空き家活用株式会社」が、ベンチャーキャピタル(VC)などから投資を受け6210万円を調達したことがニュースになっていました。空き家活用株式会社のウェブサイトを見てみると、情報収集対策サービス、空き家対策部署設置サービス、空き家活用対策プロジェクトの3つが主なサービスのようです。具体的な稼働はこれからといったところでしょうか。

空き家のデータベースを構築する空き家活用(東京・港、和田貴充社長)は8日、第三者割当増資で6210万円を調達したと発表した。調査員が探し出した情報をもとに、空き家の状態や登記情報をデータベース化するサービスを提供している。調達した資金を活用してデータベースの掲載件数を拡充する。
ベンチャーキャピタル(VC)のジェネシア・ベンチャーズや、ジャパンベストレスキューシステムのほか個人投資家が引受先となった。

空き家活用が6210万円調達 所有者データベース構築 :日本経済新聞

空き家所有者情報は大きな鍵になる

空き家を活用する上で空き家所有者とのコンタクトは必須です。空き家所有者を調べるためには不動産登記簿を調べることが確実なわけですが、不動産登記の権利部分は義務ではないため必ずしも現所有者がわかるとは限りません。そしてわかったとしても、該当の住所に空き家活用に関するお手紙を出しても活用に前向きとは限りません。そもそも空き家じゃないし、活用もなんだか面倒くさいという反応が関の山なのが大半な気がします。しかし、空き家所有者情報データベースを整備することの価値をとても大きく、自治体によっては固定資産税課税台帳の空き家所有者情報を活用しようという動きがあったりします。一方で民間が機動力を活かして空き家所有者情報データベースを構築することも重要で、株式会社うるるの空き家活用ポータルには以前から注目していました。空き家所有者の登録や活用のマッチングがそれほど進んでいる感じではないので、空き家活用株式会社が資金提供を受けて今後どのように展開していくかが楽しみです。

f:id:cbwinwin123:20180812174642p:plain(出典:空き家活用株式会社のビジョン | 空き家活用株式会社|実行力とアイデアで空き家に新たな価値を!!

「全ての価値は問題解決から生まれる」

たまたまメディアアーティストの落合陽一さんのツイッターを見ていたらVCに関する投稿がありました。「株式投資とベンチャー投資は違う」、「全ての価値は問題解決から生まれる」などとおっしゃっていました。既存の不動産市場で敬遠されているけれど、人口減少する社会において今後確実に増加する空き家を活用して新しい価値を生み出そうという取組はまさにVCの力を借りて事業展開を加速させていく分野だと思います。