空き家グッド

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その空き家で「リノベーションビジネス」してみませんか?part2

2013年11月4日(月・祝)、「空き家問題を解決せよ!」という課題で、一般社団法人リノベーション住宅推進協議会の主催で開催されたリノベーションアイデアコンペの最終選考会に参加してきました。入選作品7作品とエリア部会6作品について感想を書きます。

 

入選作品7作品についてはこの記事をご覧ください→

その空き家で「リノベーションビジネス」してみませんか?part1 - 空き家の活用で社会的課題を解決するブログ

 

<エリア部会>

8.【北海道エリア推薦】「屋根下の回廊」 山田亨 高橋佑介

http://www.renovation.or.jp/expo2013/competition/img/nyusen/rvccp3441.pdf

平坦な埋立地に工場が建ち、急な傾斜地に人々が住むという特徴的な街である北海道室蘭市。急な坂道に沿って住宅が建てられているということで「傾斜地」ならではの空き家リノベーションアイデアです。人口減少・過疎といった課題を背景に増加している空き家の2階部分を傾斜うぃ活かしてひとるながりの共有空間をつくるという、かなり斬新なアイデア

 

既存住戸の1階と屋根はそのまま残しつつ、住宅の2階部分の壁を取り払ってつなげることで、屋根付きテラスやサンルーム、庭として利用できるコモンスペースが生まれる。

 

「住宅の2階部分の壁を取り払ってつなげる」って簡単に書いてありますが、これはかなりすごい・・・。

 

使われていない各住戸の2層目の壁を取払い、徐々にリング状のデッキでつないでいく。

集合住宅におけるコモンスペースを2層部分に浮かせることによって、傾斜地でしか味わえない風景の広がりや開放感を得ることができる。また、敷地中央のパブリックな空間と集合住宅に住む人々のためのコモンスペースを立体的に分離・交差させることで、互いに気兼ねのないコミュニケーションが得られる。

 

発想は面白いけれど、空きやオーナーの理解や費用面など越えるべきハードルは高そうです。

同じように「坂の街」の尾道でも空き家活用の取組は進んでいます。

NPO法人尾道空き家再生プロジェクト

 

9.【東北・甲信越エリア推薦】「緑のすみか」 渡部光樹建築設計事務所 渡部光樹

 

http://www.renovation.or.jp/expo2013/competition/img/nyusen/rvccp3469.pdf

これは人口減少の末、空き家が発生するのは自然な現象という考えを前提にしています。リノベーションを通じて滅び方をデザインするというもの。それを「遺跡化」と呼んでいる。

 

老朽化が進んだ空き家は再利用が困難である。なおかつ、過疎地ではその場所自体の価値も低く、再生可能性は限りなく低い。コンパクトシティ化を促進する地域もある。

 

そう。やはり老朽化が進んだ物件は取り壊さざるを得ないのです。

 

思い出があって壊したくない、というかつての子供もいるだろう。朽ちるしかないように思える、そんな住宅を「緑のすみか」へとリノベーションを図る。人ではなく、緑が住むところに変換する。

 

そう。生まれ育った家だったりご両親から受け継いだ家だったり、家に”愛着”という感情が湧くのは自然なことです。しかし維持管理する余裕が無かったり、そもそも近隣に迷惑をかけているくらい老朽化している場合は、このようなオーナーに配慮のあるリノベーションの方法もあるんだと思います。

 

企画・管理・運営は、市がNPO等の団体に委託することを想定。

 

空き家を解体した後の土地の使い道が無い場合に参考になりそうです。三鷹市の「星と守と絵本の家」のようなNPOが活躍しそうです。

三鷹市|三鷹市星と森と絵本の家

 

10.【東海・北陸エリア推薦】「長屋から始まる『コミュニティーシェア』」 阿部建設株式会社 営業設計課 作野美鈴

http://www.renovation.or.jp/expo2013/competition/img/result/award4.pdf

奨励賞。名古屋にある今も古い長屋や蔵が残っている町の空き家解消のアイデア。この町並みに共感する人たちがシェアハウスとして長屋を活用し、これをきっかけにコミュニティを広げるという。

 

一棟の長屋に複数世帯が暮らす「長屋シェア」

 

一軒の家に複数で住むシェアハウスに着想を得た「長屋シェア」。

 

長屋の通りに面する部分は景観のために修復を。長屋の中で今住んでいる方はそのまま住み、空いている住居はリノベーションし賃貸住宅とする。賃貸部分へは単身者や家族世帯などの若い世代が入ってくる。

 

長屋の部分によってアプローチを変えています。

 

業態に特化した商店街。

地域住民にとっての生活に必要とされる商店街になるため、生鮮食料品・日用品と飲食店を中心とする。「シェア民家」へケータリングも行う。

 

ピンポイントの地域の空き家活用という感じで、その地域に溶け込んでリードしつつ調整もしつつ、事業を前進させていく必要があるのかなと思います。

 

11.【関西エリア推薦】「Akiya Surfing」 株式会社アートアンドクラフト 大阪R不動産 西川純司 鳥居剛太郎

http://www.renovation.or.jp/expo2013/competition/img/nyusen/rvccp3411.pdf

 空き家”率”ではなく空き家の状態で放置される「期間」に着目し、空き家そのものを減らすよりも、「空き家である期間」の短縮を目指したアイデア

 

空き家オーナーと移住に興味があるファミリーなどをマッチングルするためのWebサイトのこと。そもそも空き家オーナーが登録してくれるのか?というツッコミどころはありますが、ネットの力を上手く使えば大規模な空き家解消につながりそうなので期待したいです。

 

12.【中国四国エリア推薦】「宇野港東山ビル リミックス・アパートメント」レベル・カンパニ 高原次郎兵衛正伸 石井知栄 柳川みよ 平田祥子 真殿優子 山田茂 西野与吟、森美樹

http://www.renovation.or.jp/expo2013/competition/img/result/award2_2.pdf

岡山県宇野港にある東山ビルという1966年竣工の空きビル活用ビジネス事例。 廃墟同然だったビルを多くの人の力で賃貸アパートや賃貸事務所・アトリエにリミックス。

 

プレゼンターの方が若くてとてもパワフルでした!廃墟同然のビルを蘇らせるにはかなりのバイタリティーが必要だと思いました。

 

13.【九州エリア推薦】「廃材の記憶をつむぐ -解体リノベーション-」 九州工業大学 建設社会工学専攻建築学コース建築計画研究室 兒嶋将人 平山光太郎

http://www.renovation.or.jp/expo2013/competition/img/result/award3_2.pdf

 視点特別賞。「解体」にスポットライトを当てたアイデア

 

解体にはおおよそ100万円程の費用がかかり、解体が進まない一因には空き家所有者や行政の資力不足があります。

そこで、解体から利益を生み出し、解体による所有者の負担を軽減(除去)すれば、空き家解体が進み、空き家問題の解決につながると考えました。

 

なるほど。「解体から利益を生み出す」という発想は無かった。それができれば解体にかかる経済的負担を減らすことができる。

 

各地に点在する廃材活用事業者の存在

 

廃材を活用してワークショップを開催するデザイン事務所、アート作品を創るアーティスト、廃材を独自に使う工務店や家具製作所などが各地に存在。これらの事業者との橋渡しをするための「廃材コミュニティウェブサイト」を開設するという。

 

廃材コミュニティウェブサイト『scrapstudio』を開設します。解体から生まれたモノ(廃材)でビジネスを展開し、空き家問題をチャンスに転じる契機とします。

 

『scrapstudio』サイトの5つのコンテンツで廃材を市場に流通させ、利益を生み出すようです。

 

  1. 廃材売買
  2. 廃材プロダクト提案・受注
  3. 廃材活用支援
  4. 廃材活用事業者ネットワーク構築
  5. 廃材愛好家ファンページ

 

現時点ではまだ立ち上がっていないようですが、このアイデアを形にしてほしいです。廃材をリサイクルできれば低コストだし環境にも優しい。

 

「空き家問題を解決せよ!」 第3回リノベーションアイデアコンペ 11 月4 日(月・祝)トークイベント開催|リノベーション住宅推進協議会のプレスリリース

 

空き家を活用するビジネスだけでなく、「空き家を解体する」もビジネスになりうるし、空き家にも葬式という文化が定着すれば責任持った管理ができるというのは新しい発想でした。またこのようなコンペがあればぜひ応募してみよう。

 

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リノベーションEXPO JAPAN 2013 第3回リノベーション・アイデアコンペティション