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定期借家が普及しない理由は「手続きが煩雑」で「借り手のメリットが分かりづらい」から

一定期間だけ借家にする

 

契約期間に定めがある借家契約である「定期借家」。前回のブログでは定期借家が2000年に誕生した背景、ポイントなどを紹介しました。

空き家有効活用のヒントは「定期借家」!?ヤフーニュース記事紹介 - 空き家の活用で社会的課題を解決するブログ

 

では次に、定期借家にすると誰にどんなメリットがあるのか。貸主と借主の両者から考えてみます。

 

まずは貸主のメリット、

 

賃貸経営として貸し続けるというのではなく、一定期間だけ借家にしたい、あるいは売却を考えているがしばらくは借家にしたいという場合に、定期借家は有効だ。

「定期借家」ってどんなもの? 誰にどういったメリットがある? | スーモジャーナル - 住まい・暮らしのニュース・コラムサイト

 

持ち家が前提ですが、いろいろな事情である期間だけ空き家になるっていうの、ありますよね。地方に転勤になったけど何年かしたらまた戻る予定、なんていうシチュエーションがあると思います。私の知人にそういう人いました。

 

「マイホーム借上げ制度」は使われているのか?

 

記事の中では移住・住みかえ支援機構の「マイホーム借上げ制度」というものが定期借家制度を活用している事例として取り上げられています。

 

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「マイホーム借上げ制度」とは| 一般社団法人 移住・住みかえ支援機構

 

これは、子育ての終わった50歳以上のシニア層が、マイホームを借家として若い世代に使ってもらいながら、移住や住み替えすることを支援する制度。田舎に移住したものの一定期間後にマイホームに戻りたいという場合も、借家の契約期間満了を待って契約を打ち切ることができる。借り上げ制度なので、借主がいない場合でも、最低賃料が保証されるというメリットもある。

「定期借家」ってどんなもの? 誰にどういったメリットがある? | スーモジャーナル - 住まい・暮らしのニュース・コラムサイト

 

実例も紹介されていました。

 

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”空き家の有効活用としても注目されている”とのことです。がしかし「マイホーム借り上げ制度」なるものは私初めて知りました。まあマイホーム持っていないというのもありますが。

 

率直に言ってこの制度、あんまり使われていないと思います。だって利用対象者を”50歳以上のシニア層”としていますが、50代はまだまだ働き盛りで「田舎暮らし3年間するからマイホーム空き家になる〜」っていう世帯はそうなかなか居ないと思います。

 

この借り上げ制度を使う層といえば60歳以上の定年リタイアの方々ぐらいはないでしょうか。

 

とまあ問題を指摘しただけでは生産的ではないので相談窓口はこちらです↓

各地域の相談窓口(東京都) | 一般社団法人 移住・住みかえ支援機構

 

シェアハウスで定期借家は多く使われている

 

ここ数年で一気に知られてきた「シェアハウス」と定期借家は親和性が高いようです。

 

 シェアハウスは共用部を共同で利用し、コミュニティを重視する住まいなので、ルールを守らないなど良好なコミュニテイづくりに悪影響を与える借主は困りもの。時には退去をしてもらいたい場合もある。当初半年間の定期借家契約にすれば、そういった借主の契約を半年後に終了することができる。

「定期借家」ってどんなもの? 誰にどういったメリットがある? | スーモジャーナル - 住まい・暮らしのニュース・コラムサイト

 

ただしこれには問題点も。借り手側からすると更新や解約権の有無など不利な条件があります。

人気のシェアハウス 意外な落とし穴が… | シェアしたくなる法律相談所

 

がしかし、そもそも定期借家の制度が「そういうもの(一定期間の借家契約)」なので、貸主と借り手が双方フラットな立場で詳細な条件を詰めていけばいいと思います。

 

定期借家契約はわずか3%・・・

 

使いようによっては便利な定期借家ですが、全くと言っていい程普及していません。

 

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国土交通省の「平成24年度住宅市場動向調査報告書」によると、定期借家契約の割合はわずか3%で、普通借家が96.4%と圧倒的に多い。定期借家に関する認知度も、56.6%が「知らない」と回答し、「知っている」17.4%、「名前だけは知っている」24.2%という結果だった。 

 

普及しない理由は「手続きの煩雑さ」「借り手ののメリットが分かりづらい」

 

書類作成や定期的な連絡が必要など手間がかかることが一点。次に、借り手市場の現在に借り手にとっての定期借家を利用するメリットが見えづらいというのがあるようです。

 

まず、手続きの煩雑さが挙げられる。契約時に適切に作成された書面などが必要なこと、期間満了の通知が必要なことなどがあって、貸主や不動産会社には負担が大きくなるからだ。

また、借り手市場の今は、借主が期間延長できないというデメリットのある定期借家にするメリットが分かりづらいという点も、定期借家が有効に活用されないことにつながっているのだろう。 

 

定期借家推進協議会が普及用リーフレットを作成

 

ということで定期借家推進協議会という団体が普及用にリーフレットをしました。メリットやQ&A、活用事例なども載っています。

「定期借家の日」記念シンポジウムを開催します

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