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空き家を活用して新しい価値をつくる

”空き家を貸し別荘に”古都・鎌倉の別荘を1日単位で借りられます(空き家活用事例紹介)

鎌倉駅から徒歩15分、築30年の日本家屋(空き家)が「貸し別荘」に

 

今回はSUUMOジャーナルHOME’S PRESSから空き家を貸し別荘として活用している事例の紹介です。別荘って聞くと「軽井沢の避暑地」や「(ドラえもんの)スネ夫がよく自慢している」っいうくらいのイメージしかなかったんですが、この固定観念を覆す新しい発想があります。

 

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そう。株式会社STAYCATION(ステイケーション)というもともとは別荘建築等を手がける設計事務所から派生した不動産サービス会社が今年1月、築30年の空き家を活用した”一日一組限定の貸し別荘”を鎌倉でオープンさせました。その名も「COME KAM. OMACH」(カムカムオオマチ)

 

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鎌倉でも高齢化や家族構成の変化に伴い、家主不在の空き家が急増

 

元々住んでいた人が亡くなったりして空き家になる。しかし思い出と愛着のある家を取り壊すのは忍びない。それに更地にすると固定資産税が6倍になる。でも(本来住む所が別にあるなど)住み続けることはできない・・・。このような状況の空き家オーナーさんから株式会社STAYCATIONが相談を受け、貸し別荘にするアイデアを思いついたそうです。

 

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「現地の物件を短期で賃貸して、暮らすように旅をする」のがこれからの旅行スタイル

 

プロブロガーのイケダハヤトさんは今年1月に岐阜県飛騨古川の古民家を1週間貸し切って家族で現地の生活を楽しんできたそうです。そして「現地の物件を短期で賃貸して、暮らすように旅をする」という旅行スタイルが今後広がっていくだろうと自らの実感のもとおっしゃっています。

 

旅の目的が現地の文化や歴史を楽しみ、人とつながることだとすれば、「暮らすように旅する」のは合理的です。住まうことで、一時的にですが、地元とのつながりも生まれます。

これからの旅行スタイルは「現地の物件を短期で賃貸して、暮らすように旅をする」 : まだ東京で消耗してるの?

 

単純に豪華なホテルや旅館に泊まるだけではない良さがそこにはあるんでしょうね。現地に短期滞在し、近くのスーパーで買い物して、現地の人と喋ったりして。現地の歴史や文化、生活を肌で感じる、そういう体験っていうのはまさにプライスレスです。

 

「短期賃貸」は欧米では一般的

 

で、この貸し別荘のアイデアですが、海外生活に明るい株式会社STAYCATION代表の吉村さんによる発案です。一軒家やコンドミニアムを短期賃貸して旅行するという欧米では一般的なスタイルを日本にも応用したことから生まれました。

 

「一軒家やコンドミニアムを貸しきって余暇を過ごす『バケーションレンタル』は、欧米ではごくごく一般的な空き家活用法として知られていますが、残念ながら日本ではまだ広く認知されていません」と語る吉村氏。

築30年の空き家を活用した貸し別荘で、憧れの『鎌倉生活』を疑似体験! | 住まいの「本当」と「今」を伝える情報サイト【HOME'S PRESS】

 

そもそもまとまった休み取れないっていう日本の会社文化や労働環境はまた別問題ですが・・・。

 

「1週間単位の貸し別荘」を湘南の海辺で経営

 

そして、「Nowhere resort」という「1週間単位の貸し別荘」を葉山・佐島・秋谷の3ヶ所で運営してきました。

 

吉村氏は、これまでにも自身の海外生活経験を生かし、1週間単位の貸し別荘『Nowhere resort』を葉山・佐島・秋谷の3ヶ所で運営。“7日間の海辺の暮らし”を体感するバケーションスタイルを提案してきた“7日間の海辺の暮らし”を体感するバケーションスタイルを提案してきた

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これは素敵ですねー。

 

別荘の設計デザインに携わる過程で鎌倉・湘南エリアの空き家問題に直面

 

しかし仕事である別荘の設計デザインに携わる中で鎌倉・湘南エリアのの「空き家問題」に直面し、もっと気軽に1日から利用できる貸し別荘として活用できないかと考えて新しい空き家活用法を発案しました。

 

代表の吉村真代氏によると、別荘の設計デザインに携わる過程で鎌倉・湘南エリアの空き家問題に直面し、“新しい器ばかりを作るのではなく、残す工夫をすることも必要なのではないか”と考えるようになった事が、1日1組限定の貸し別荘『COME KAM. OMACHI~カムカムオオマチ~』オープンのきっかけになったという。

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改装費用はクラウドファンディングで募った

 

 「COME KAM.(カムカム) 鎌倉においで!」をテーマにクラウドファンディングで賛同者を募って空き家を改修しました。57万6000円。

 

COME KAM.(カムカム)鎌倉においで! 一軒家をデイリーシェアする大町の家

 

住宅街の中に建つ一軒家で1日を過ごすことで、リアルな「鎌倉生活」を実体験できる

 

家族やカップルで鎌倉を訪れる旅行客がホテル代わりに利用するだけでなく、結婚祝いのパーティやアーティストの作品展の会場等としても活用可能とのこと。

 

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建物をたくさんの人たちで一日一組ごとに借り合う、区分賃貸(賃貸を準共有する)という考え方で、一軒家を共有する仕組み

 

貸し別荘なので旅館ではないわけです。つまりフロントがあって「明日の朝食は何時からにしますか〜」なんていうやりとりはなく、一時使用を目的として短期の賃貸借契約を結ぶ手続きをするシステムです。

 

1日単位で利用する際は、15:00入館~翌日11:00退館。入館時は、提携企業によって運営されている『鎌倉』駅前のデスクで賃貸契約(1日1組限定、1日ごとに区分賃貸(賃貸を準共有)するシステムのため、一時的な賃貸契約が必要となります。)を結んで鍵を受け取り、退館時には鍵を専用ポストに返却する流れとなる。

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利用規約にも「区分賃貸」の仕組みについて書いてあります。

 

本物件の使用形態は、一時使用を目的とした賃貸借契約といたします。賃借人であるお客様(以下、単に「お客様」といいます)は、これ以外の目的での本物件のご利用はできません。この賃貸借契約は、1戸の建物を複数の賃借人にて賃借し、その権利を賃料に応じてそれぞれ利用する期間を按分し、その区分賃貸権(複数の賃借人による賃貸権の準共有)により建物を利用する契約である。

COME KAM. のご利用規約 | STAYCATION

 

つまりホテルや旅館と異なり、一時的な生活の本拠として賃借するものなので、まさに現地に”暮らすような”体験が可能なわけです。

 

将来的には都市部でも、「街に泊まる体験」で空き家問題を解決

 

郊外のリゾート地に限らず全国的に空き家は増加しています。都市部の中でも例えば東京ならば下町や山の手、多摩地域などそれぞれ街並みや生活スタイルは違ったりします。大阪、京都、名古屋、福岡、仙台などそれぞれ魅力的な歴史と文化を持っています。

 

今後は、別荘=『郊外のリゾート地に泊まる』というイメージにとらわれず、都心の一戸建てのバケーションレンタルで『街に泊まる』という体験を提案できるようになれば、都市部の空き家問題改善のお手伝いにつながるかもしれませんね」(吉村氏談)。

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