”レイヤー化する世界”では、個人間の空き家活用がますます進む
佐々木俊尚さんの「レイヤー化する世界―テクノロジーとの共犯関係が始まる (NHK出版新書 410)」を読んでいます。『国民国家」という”幻想”からインターネットを使うことで抜け出し、自分の「レイヤー」を増やしていくことの必要性を感じています。
つまるところ国民国家というのは、帝国の権威が消え、キリスト教会の権威も消え、王の権威も革命で消え、権威が何もなくなってしまった後に、無理矢理「国民という権利」をこしらえたということだったのです。歴史の経緯を知れば、本当にあっけない流れでしかありません。(p116)
インターネット産業が拡がる前は、国のウチとソト、会社のウチとソトというように分けることによってウチが繁栄するという国民国家の原理が幅を利かせていたと思います。しかし、コンピュータとインターネットによる”第三の産業革命”が進行していくと、国家や会社のウチとソトという区分けは、意味をなさなくなる。
インターネットによってただひとつの<場>のようなものがつくられ、その<場>はインターネットに接続している限りすべての人びとに開放され、無限の広がりを持つからです。(p150)
そう。インターネットに接続していればどこまでも広がる水平線のような<場>があって、同じようにインターネットに接続している人たちとつながって新しいサービスやビジネスを生み出すことが出来ます。空き家活用に置き換えれば、日本各地だろうが世界各地でもインターネットに相互に接続さえしていれば不動産会社や行政を通さなくても直接、個人間で貸し借りのやりとりが出来るわけです。
資金調達に関しても、審査は厳しく金利は高く担保まで必要な銀行に行かなくても、クラウドファンディングで寄付を募ることも出来ます。
空き家活用に限りませんが、インターネットのおかげで”個人で”やれることが増えてきています。
”ITビジネスの原理”を駆使できれば、空き家活用は爆発的に進む
全国に点在している空き家の情報、具体的には空き家オーナーと空き家利用希望者とのニーズや懸案を一カ所のメディアに集めます。そしてGoogleのようなプラットフォームを作った後は貸主と借主のマッチングができないかなと思います。
•インターネットの最大の特徴は、空間(距離)的、時間的な制約なしに世界中を結ぶということ(p23)
「点在する情報を一カ所に集める」という作業は、インターネットが非常に得意とするところ(p29)
•インターネットは、世界中に点在しているものを、距離と時間を超えてひとつに集めることができるのが最大の特徴であり、ITビジネスとは、それらを結びつけるマッチングのビジネスである(p68)
各地に点在する空き家と空き家所有者と空き家利用希望者をインターネット上で”集め”て”結びつける”という「空き家活用マッチングビジネス」には大きな可能性があります。
インターネットは無限の広がりを持つ世界へのプラットフォーム
いずれにせよインターネットは多様化する社会的課題、空き家問題の解決のためには欠かせないツールです。インターネットの特徴を理解し、その力を最大限発揮させることが出来れば、色々な問題を解決できるのではないかなと思っています。
書籍紹介はこちら。
レイヤー化する世界―テクノロジーとの共犯関係が始まる (NHK出版新書 410)
- 作者: 佐々木俊尚
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2013/06/05
- メディア: 新書
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