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空き家を活用して新しい価値をつくる

”空き家を公営住宅に”民間賃貸住宅の空き家の家賃補助を実施【茨城県ひたちなか市】(空き家活用事例紹介)

公営住宅の問題点を克服する「住宅バウチャー」

 

公営住宅の問題点については都議のおときたさんのブログが詳しいです。

  • 入居倍率が数倍〜数百倍 
  • 住人の流動性が低い(一度入居したらそのまま住み続ける)
  • 本来住居支援を行うべき若年層にパイが行き渡らない

などです。そして民間賃貸住宅の空き家がたくさんある中で公営住宅の新設・拡大は非効率を生み出します。そのため、民間賃貸住宅という住宅ストックを最大限活用できれば良いのではないかという提案をされています。それが「住宅バウチャー」の提案です。

 

とはいえ、公的支援が皆無であっていいわけではありません。
特に、「所得が低くて家庭が持てない」ことが少子化の要因として指摘されている以上、若年層への支援はとりわけ必要です。

これを同時に解決する方法が「住宅バウチャー」で、家賃にのみ利用できるクーポンを所得に応じて支給することが民間の競争・活力も活かすことができるリーズナブルな政策と言えます。

財政がひっ迫している自治体が、これ以上公営住宅を運営する必要もなくなります。

都営住宅の倍率、数百倍。一方、都内の空家は75万戸以上… | みんなの党 東京都議会議員 おときた駿 公式サイト

 

都営住宅は老朽化が急速に進行し、直接供給の枠組みそのものの見直しが必要

 

都営住宅は1970年代までに作られたもが極めて多いです。既存の約26万戸のうち約12万戸が築40年以上です。さらに東京都は都営住宅の新設を2000年度から凍結しています。そして、現状の戸数を保つためには毎年3000戸以上の建て替えを迫られていいます。今後、老朽化がどんどん進むので建て替えなどは財政状況と相談しながらやるにしても限度があります。

 

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都営住宅ストックの老朽化に伴い、建物の更新が必要な状況の中、住宅困窮者に都営住宅を直接供給する仕組みは、財政的に非効率です。

 

民間賃貸住宅の空き家を活用した家賃補助制度【茨城県ひたちなか市】

 

茨城県ひたちなか市では2009年に築50年前後の老朽化した市営住宅113戸を廃止、財政面の制約から新規の市営住宅の建設は困難ということことが背景にあります。しかし住宅に困窮する人たちのセーフティネットを作る必要がある。ということで、民間賃貸住宅の空き家(家賃5万円以内)に市営住宅入居資格がある市民が入居した場合に、家賃の1/2(上限2万円)を5年間補助することにより、市営住宅を補完する事業を2010年度から開始しました。

空き家対策の最新事例と残された課題 : 富士通総研

家賃補助制度による入居を希望する皆様へ - 茨城県ひたちなか市公式ホームページ

 

200戸以上の家賃や住所、間取りなどの情報を集めたファイル十数冊がひたちなか市役所内の棚にあって、市民は無料で閲覧できるようになっています。懸案としては「希望者の収入や資産状況などを調べる必要があり、補助対象を絞り込むのが難しい」といったことがあります。これはやるかやらないかの問題だと思うので方針転換を一気に打ち出すなんてことがあればすぐ出来ると思いますが。

公営住宅、超難関 財政難で増設できず、抽選倍率100倍超 - 俺用メモ.exe

 

無駄な支出を抑え、増加している空き家の活用にもつながる一石二鳥の取組です。今後他の自治体でも参考になると思います。

 

家入一真さんの「ぼくらの政策」の中にも「住宅バウチャー」が

 

住宅バウチャーの導入で空き家の中で約6割を占める賃貸住宅の空き家の活用を進めることが出来ます。そして何よりも住宅に困窮する人たちにとっての住宅セーフティネットの確保につながります。 今年2月の都知事選のときにツイッターなどで集めた市民の声をまとめた「ぼくらの政策」に含まれています。

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画像引用元

 

関連ウェブサイトはこちら。

東京都住宅マスタープラン/東京都都市整備局

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