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空き家を活用して新しい価値をつくる

”今はまさに空き家急増の前夜”親の家に将来子どもが住む見通しはたった3割

親の家は将来ほとんど空き家になる

 

2007年に明治大学の園田眞理子教授が行った調査(東京郊外で、開発から30年経ったある住宅地を調査)によると、60歳以上のシニア世帯が約7割で、そのうち将来子どもがその家に住む見通しのある世帯は約3割に過ぎなかった、という結果が出ています。残りの7割の家については子どもが住まないとなると、売却や賃貸など不動産市場に出すか空き家になるかどちらかです。

 

60歳以上のシニア世帯は自分の持ち家を資産として子どもに相続させるという意向が強いです。

 

当該住宅地の将来をみるために、シニアが現に居住する住宅・土地をどうしようと考えているかを問うた。その結果、「子どもが相続する」が75.5%と圧倒的に多かった。「他人に売却」は6.3%に過ぎなかった。当該住宅地はほぼ全て、持地・持家であるが、資産として子どもに相続させるとの意向が極めて強い

高齢者の転居、死亡・相続と持家の管理・利用 -郊外住宅地での応急策と出口戦略(日本不動産学会誌通巻91号 2010.3.31発行)

 

しかし子どもや親族といった相続人の意向としては、相続して居住するというのは3割程度で親と子どもとので考え方に齟齬が見られます。

 

しかし、相続した子ども、親族がそれをどうするかまで解明しないと、当該住宅地の未来は分からない。そこで、相続した者がそれをどうすると思うかを問うたところ、「相続者が居住する」との回答は33.7%にすぎなかった。「売却」は11.7%である。一方、「わからない」が35.1%とかなりの割合を占める。当該住宅地の居住用資産はシニアの子どもに相続されるが、その先はよくわからないといえる。

高齢者の転居、死亡・相続と持家の管理・利用 -郊外住宅地での応急策と出口戦略(日本不動産学会誌通巻91号 2010.3.31発行) 

 

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画像引用元)親の7割は住宅を子どもに相続したいと思っていますが、相続して居住するつもりな子どもは3割ほどです。

 

親の家の将来を前もって考えておく

 

週刊東洋経済で「実家の片づけ」が特集されたり、親家の空き家実態調査がされたり、高齢大国ニッポンの社会的課題が先鋭化してきています。空き家問題と相続とは密接な関係があることから事前に親と子どもが話し合っておくことがとても重要です。

 

 

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