空き家グッド

空き家、空き室、空きビル、空き店舗、空き倉庫は問題ではなく可能性!空き家を活用して社会的課題を解決し、新しい街のコンテンツに生まれ変わらせる。そんな観点から書いているブログです。

ビッグイシュー249号で「空き家特集」(乙女ハウス、家守の家・ハウスハルテン)

ビッグイシューの最新号(10月15日発売)で「空き家特集」が組まれています。前編はこちらをご覧ください。

ビッグイシュー249号で「空き家特集」(尾道空き家再生プロジェクト、宇都宮もみじ通り・あずき坂)

 

空き家は自由空間」という特集テーマで4つの空き家再生・活用事例が紹介されています。前編で2つ紹介したので、今回は残り2つを紹介したいと思います。大家さんの了解や理解さえあれば、後は入居者なり利用者の創意工夫次第で全く新しい空間に生まれ変わることが出来ることを教えてくれています。まさに「空き家は自由空間」。

 

乙女ハウス

 

固定資産税がかかり、火災も心配な空き家を、住居に困る若い女性のために開いた「乙女ハウス」。「派遣切り」「ブラック企業」などという現代の労働環境が抱える問題について、家主の方の理解があることがポイントです。

 

乙女ハウスは、家主の千野紀美子さんが会社員だった30年前、自分でローンを組んで建てた家なんです。千野さんは、働きながら独身でローンを返していく苦労を味わっているので、派遣切り、ブラック企業という今の若い人たちが直面している問題にすごく理解があるんですね」

 

リーマンショック」「年越し派遣村」などがニュースになっていた2008年。”親の介護”のために同居が必要になることから自宅を空き家にせざるを得なくなったそうです。そして、空き家にしておいても、火災の心配や固定資産税を払い続ける。それならば、高い家賃のために余裕の無い働き方をしている人たちに提供しようと考えました。

 

空き家にすると火災の心配があるし、住んでいなくても固定資産税がかかる。それならば、住む場所がなくて困っている人たちに使ってもらいたいと決意した。

 

現在は一旦終了しているそうですが、2010年〜13年の間に6人の女性たちが「乙女ハウス」に暮らしたそうです。敷金・礼金無し、電気代・光熱費は割り勘で定員は3人、家賃は月1万円とのこと。良心的ですね。

 

ドキュメンタリー映画になっているのですね。空き家問題に直面する家主さんと低賃金・不安定な雇用で高い家賃に苦しむ若者たちとのつながりが描かれているようです。映画監督は早川由美子さんです。

 

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[jp] 『乙女ハウス』作品詳細&豪華漫画本のご案内: Petite Adventure Films Blog

 

自宅を少し「地域に開く」 「公共っぽくする」ことで現代の労働環境が直面する社会的課題の解決につながっている好例です。

 

家守の家・ハウスハルテン

 

旧東ドイツの都市・ライプツィヒの空き家仲介NPO「ハウスハルテン」は以前、当ブログでもご紹介いたしました。

過去記事:旧東ドイツの都市ライプツィヒの空き家仲介NPO「ハウスハルテン」と空き家再生プロジェクト「日本の家」に学ぶ(空き家活用海外事例紹介)前編

 

東西ドイツ統一後の1990年代、大量の失業者が生まれ、新たなチャンスを求めて多くの人が西側へ移住しました。10万人がライプツィヒの街を去ったとも言われています。住む人が居なくなれば、空き家も増え、やがて街全体がゴーストタウン化してしまいます。そうなると、治安の悪化や放火、侵入、ゴミの不法投棄などなどが起きやすくなります。こうした悪影響を防ぐために市民有志によって空き家の定期的な見回りが始まります。これがやがて、2004年に立ち上げられた「NPOハウスハルテン」の原型となったそうです。

 

家は、人が住まなければ老朽化が加速する。「空き家を使ってもらいたい」家主と、「安くていい物件を求めている」アーティストや若者らの需要と供給をつなぎ、それによって都市の活性化をはかることを思いついたのが、ハウスハルテンの「家守の家」プロジェクトだった。 

 

ある「家守の家」では、1軒の空き家に7人の「家守」たちが1人月7500円という安価な値段でアトリエ兼住居として活用しています。「家守の家」に住むようになった理由は、「単に安いアトリエ兼住居を探していたから」「家にぜいたくを求めない」「決め手になったのは、古い褐炭ストーブがよかったから」など、です。まさにこういったニーズを持つアーティストや若者などと空き家をマッチングすることが出来れば、一石二鳥です。

 

「家守の家」では間借り人は家賃ではなく、共益管理費とハウスハルテンへの会費を月々支払う仕組みです。家守たちが空き家を使うことで不法侵入や家が荒らされることを防ぎます。

 

空き家を使用する彼らがいることで、空き家住居が不法侵入者の犯罪の温床になったり、荒らされたりすることを防ぐ、まさに「家を守る」の役割を果たしている仕組みになっている。

 

やはり空き家仲介NPOの存在は大きいなと思います。

参考:ハウスハルテン ―空き家再生のライプツィヒモデル « Das Japanische Haus e.V.

 

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 (ハウスハルテン ―空き家再生のライプツィヒモデル « Das Japanische Haus e.V.

 

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