空き家グッド

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”不動産市場に風穴を開けるソニー不動産”キーワードは「情報のオープン化」(ハ会リターンズ)

建築・不動産のオピニオンリーダー達が住宅不動産市場の問題を語る

 

10月28日に行われたリノベーションEXPOは「ハ会リターンズ」ということで、日本の不動産市場の最前線で奮闘している方々が集まりました。「ハ会」は古い体質を引きずる不動産業界をストック活用型の市場へと転換させるべく行われた建築・不動産有志による業界横断プロジェクトです。本活動を休止した後も毎年この時期のリノベーションEXPOでスポット的にシンポジウムを行っています。

 

今回は8月から1都3県で営業をスタートした「ソニー不動産」の執行役員の方を迎えて色々質問しながら議論が進んでいきました。

 

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当時の様子。原宿のカフェにて。会場は満員で立ち見でした。60人位いたかと。

 

不動産業界は公平性や効率性で遅れている

 

不動産業界について門外漢なぼくとしては、第一印象でいうとキナクサイというかよくわからないところが多いんですよね。例えば賃貸アパート借りるときも敷金・礼金払って2年で更新料(家賃1月分)払うとか、”家賃の目安は月収の3分の1”という言説もなんだかなぁと。まぁこれはミクロな問題ですが。大きな視点で言うと、不動産の値段や仲介手数料の根拠物件情報の囲い込みなどもっと透明性というか、情報をオープンにしていけないものかなと思います。

 

「日本の不動産業界は欧米に比べ、公平性や効率性で100年遅れている。“消費者による消費者のための不動産会社”をつくりたい」(西山和良・ソニー不動産社長)

ソニーの不動産事業参入で期待されるタブーへの風穴|inside Enterprise|ダイヤモンド・オンライン

 

ソニーと聞くとウォークマンしかり”電子機器”をイメージします。なぜ不動産仲介・管理事業へ参入するのか。それは”売上ナンバーワンではなく顧客満足度ナンバーワンを目指す”と目標を掲げているように、売り手と買い手の双方を1社が仲介する「両手取引」や法定上限で一定率で定められている仲介手数料など日本独自のガラパゴス化した商習慣に風穴を開けようとしています。

 

エージェント(代理人)制度

 

ソニー不動産の特徴は大きく2つあります。まずは「エージェント(代理人)制度」の導入です。1つの仲介業者が売り手も買い手も見つけて両方から仲介手数料を受け取る「両手取引」は売り手に大幅な値下げを提案して売り手の不利益につながったり、物件情報を囲い込んで物件情報の流通を阻害したりするなど消費者利益が最優先されているとは言えない状況です。

 

そこで、売り手もしくは買い手のそれぞれに専属の担当者(エージェント)をつけることにしています。

 

ソニー不動産の特徴は大きく二つある。

一つ目は、不動産の売り手もしくは買い手のどちらかに専属の担当者をつけるエージェント(代理人)制度の導入だ。

ソニーの不動産事業参入で期待されるタブーへの風穴|inside Enterprise|ダイヤモンド・オンライン

 

不動産仲介手数料の合理化

 

現在、不動産の購入や売却するときに顧客が仲介業者に支払う仲介手数料は成約価格に応じた一定率が設けられています。例えば、成約価格が400万円超の場合は法定上限である「成約価格の3%プラス6万円」です。これでは成約価格が高ければ高いほど仲介手数料も上がり、売り手や買い手の負担になるケースが多くなります。そして仲介業者もこういった成約価格が高い物件を優先的に扱いたくなるインセンティブにもなります。

 

そこで、仲介業務に必要なサポートで「かかった分」だけ仲介手数料を算出するという発想で金額を決めています。

 

二つ目の特徴は、不動産仲介手数料を「掛かった分だけ」にしたことである。不動産会社に支払う仲介手数料は、法定上限である一定率が一般的だ。ソニー不動産の場合は、仲介業務に掛かったコストに応じた金額を設定。不動産仲介手数料が、他社に比べて下がるケースが増えそうだ。

ソニーの不動産事業参入で期待されるタブーへの風穴|inside Enterprise|ダイヤモンド・オンライン

 

キーワードは「情報のオープン化」

 

人口減少、空き家も増加している中、不動産市場は新築中心のフロー型から中古中心のストック型へと転換していく必要があります。しかし、中古物件の取引履歴が公開されていない、評価期も不透明など不動産業界と消費者との”情報格差”の開きが際立っています。国は物件情報や周辺地域情報などの情報をまとめて業者や消費者へだてなく公開していこうと不動産データベースの整備を進めています。オープンデータ化の流れです。

 

今までばらばらに管理されていた物件情報(取引や修繕の履歴、設計図等)や周辺地域情報(インフラ状況、法令制限等)を一元的につなげて業者や消費者に公開するという構想で、2015年の試験運用を目指している。今年4月からは不動産ネット取引の解禁に向けた国交省の検討会もスタートした。

ソニーはなぜ不動産に参入したか 急成長する中古住宅市場 | 月刊「事業構想」2014年10月号

 

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ソニー不動産 公式サイト | 不動産の購入、売却、管理

 

まとめ

 

エージェント制度の導入、仲介手数料を一定率からサービスに応じた料金設定へ、物件情報や周辺地域情報を網羅した不動産データベースの整備など不動産市場の新陳代謝は始まっています。合わせて、不動産地価がどんどん下落していくことや新築ではなく中古のリノベーション物件の魅力、固定資産税や相続税の制度のアップデート、住宅に対する消費者(国民)の意識を持続可能なものに変えていくことなど、不動産業界自らが変わっていくことで新しい常識がつくられる、というような話がありました(長嶋さんから)。

 

関連書籍はこちら。

日本の地価が3分の1になる!  2020年 東京オリンピック後の危機 (光文社新書)

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(036)「空き家」が蝕む日本 (ポプラ新書)

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