賃貸・不動産業界の今と未来
「日管協フォーラム2014」というイベントに行ってきました。ニッカンキョーと言っても不動産業界の方以外はなんのことやらだと思います。ぼくもそうです。「公益財団法人日本賃貸住宅管理協会」という賃貸住宅市場の整備を目指す公益法人が主催する研究成果の発表会です。
明治記念館で行われました。立派な会場でした。賃貸・不動産業界の最新情報が聞けると思い参加しました。
当日の内容。ぼくが気になるセミナーはLINEの田端さん、リビタの内山さん、学生コンテスト(テーマは空き家再生)、SUUMOの池本さんのお話です。午前中にSUUMOの池本さん、LINEの田端さんのお話を聞き、午後は学生コンテストを聞いてきました。
分厚い資料をもらいました。参加者は不動産管理会社の人たちが多かったみたいですね。皆スーツでした。
賃貸住宅でもDIYでカスタマイズOK
さてまず始めはリクルート住まいカンパニーSUUMO編集長の池本洋一さんの「賃貸住宅の”自由化”はどこまで進むのか?」からです。賃貸住宅の空室問題は大家さんにおって死活問題です。しかし最近は改装可能・現状復旧不要な賃貸物件が出てきたり、住み手がDIYでリノベーションやカスタマイズするといった実践が増えてきています。そうすることで空室が埋まり大家さんもハッピー、住み手も自分好みの内装や間取りの部屋に住めてハッピーという好循環が生まれています。「職業・大家」として初めてTEDに出た青木純さんのロイヤルアネックスや青豆ハウスが有名です。
満員。かなり混雑してました。
日本には賃貸住宅を模様替え・改修する文化はほとんど無い
東京、ニューヨーク、ロンドン、パリの各都市で賃貸住宅に入居後、部屋の模様替えを施した箇所を聞いた調査によると、「壁や天井塗り」「壁紙張り替え」を行った経験は東京が3.3%なのに対し、ニューヨークで47%、ロンドンで36%、パリでは58%と欧米に比べてかなりの差があります。欧米では「賃貸でもDIYは当たり前」なのに対し、東京は「入居後は全くいじらない」ということがよくわかります。
リクルート住まい研究所 -NYC, London, Paris & TOKYO 賃貸住宅生活実態調査-p87
住まいに対する愛着度も欧米に比べると弱い
そして「住まいに対する愛着度」も欧米に比べると弱いです。「非常に愛着が強い」割合は欧米の3分の1です。
リクルート住まい研究所 -NYC, London, Paris & TOKYO 賃貸住宅生活実態調査-p96
つまり日本では欧米に比べて「住宅を住み倒す」という発想が薄い。「賃貸でカスタマイズはNGだ」「決められた・与えられた住宅に自分を合わせるんだ」「賃貸とはこういうものだ」という固定観念が根強いのが現状です。大家も施工者も住み手も皆がそういう考えだと無難な賃貸が量産されていくわけですね。
お部屋カスタマイズ(レオパレス21)
一方で「カスタマイズ賃貸」は着々と広がってきています。
お部屋カスタマイズ|賃貸の【レオパレス21】-マンスリーマンションや賃貸の物件情報満載
カスタマイズUP(UR)
オーダーメイド賃貸(ロイヤルアネックス)
改装可能な賃貸物件だけを紹介するウェブサイト(DIYP)
DIYP - Design It Yourself Project-
賃貸カスタマイズ(SUUMO)
まとめ
賃貸でも壁紙を変えたり、床を張り替えたり、内装や間取りを自由にカスタマイズ出来る余地があるんですね。例えば空き家になってしまった物件をカスタマイズOK物件として貸しに出して、やる気のある入居者がDIYでカスタマイズやリノベーションするってことも今後増えて行くと思います。というか空き家や空き室の解消のためにも重要な視点です。
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