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空き家を活用して新しい価値をつくる

空き家でお困りの所有者やご家族、近隣住民は「空き家相談士」にご相談を!という未来

「空き家相談士」資格を2015年中に創設

 

最近本当に官民問わず空き家問題の解決やビジネスに向けた動きが活発です。空き家対策法の成立といい空き家管理ビジネスの展開といい。今ついに空き家問題のコンサルタント的な資格が来年中に創設されます。空き家問題に実務で対応出来る人材の育成が目的です。

 

全国不動産コンサルティング協会(=JRECA、本部・東京都杉並区、林直清会長)は、社会問題化している空き家問題への対策に本格的に乗り出す。協会独自の資格制度を2015年のなるべく早い時期に「空き家相談士」として創設し、空き家問題に対応できる人材を育成する。11月27日開催の「第3回三役会議」で決めた。

週刊住宅online > 最新ニュース > 全国不動産コンサルティング協会/2015年「空き家相談士」創設、高い倫理観備えた人材輩出(2014-12-01 )

 

宅建資格や不動産屋さんで働いている人が対象なんでしょと思いきや、一般サラリーマンや主婦、学生などにも広く門戸を開くようです。

 

これから創設時期や受験料、受験方法といった詳細を詰めていくが、宅建主任者資格を持つ人や、不動産業の従事者に限らず、一般サラリーマンや専業主婦、学生といった幅広い層に門戸を開く。専門家などを交えて独自に編集したテキストなどを使い一定の講習を受けたあとに受験してもらう考え。

週刊住宅online > 最新ニュース > 全国不動産コンサルティング協会/2015年「空き家相談士」創設、高い倫理観備えた人材輩出(2014-12-01 ) 

 

2025年、団塊の世代が75歳以上に

 

現時点では特に都市部に住んでいる人にとって空き家問題ってそもそも問題なの?っていう人が大半だと思います。例えば2025年には団塊の世代が揃って75歳以上になります。今以上に親が介護施設に入る、死別といったケースが増え、空き家の発生する確率も高くなってくると思います。そうしたときに実家の持家を相続するのか、そこに住むのか、市場に出すのかを子供世代は選択しなくてはなりません。つまりこれから10年で空き家問題は先鋭化してくるのです。

 

2025年以降は、2200万人、4人に1人が75歳以上という超高齢社会が到来します。 

東京新聞:2025年問題とは?(No.483) 団塊の世代 75歳 負担増が問題:生活図鑑(TOKYO Web)

 

空き家を貸し出す所有者の不安

 

じゃー早めに相続の話し合いを子供としたり、売りや貸しに出す手続きを進めればいいじゃない、と思います。単純に考えれば。でもコトはそう単純ではないです。例えば国土交通省の調査によると空き家所有者の約70%は売却や賃貸などを募集・検討していません。そしてその約70%の所有者の約半分は「賃貸したくない」と回答しています。住宅は空き家になっても自分や家族のものという意識が強いことを表しています。

 

一方で売却や賃貸を考えていない約70%の所有者のうちもう半分は程度の差はあれ賃貸に前向きです。まずはこの層の方々の要望や不安に思っていることを把握し、三方良しな空き家問題の解決を導けるように動く担い手が必要になってきます。わかりやすく言うと「空き家相談士」がコーディネートしていく役割なのでしょう。

 

そして空き家所有者が空き家を賃貸するにあたって心配な点は「一度貸し出すと、返してもらうのが大変なんじゃないか」とか「入居者のマナーや家賃滞納の対応が大変なのではないか」といったことです。先日参加した空き家活用フォーラムでも確かにこういった不安の声はありました。

参考記事:国立市空き家活用フォーラム「空き家でまちをおもしろく!」レポート(後編)

 

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空き家所有者アンケート

 

まとめ・「空き家相談士」の心得

 

今まで個人住宅として住んでいた家が大半でしょうから、いきなり「賃貸物件」「不動産」として貸しに出されるというのは所有者からすれば抵抗があると思います。「空き家相談士」としては、すぐ空き家を流動化しましょう、というのではなく所有者の心情に寄り添った提案なり相談が必要です。とにかく空き家活用とか市場に出しましょうだと所有者との信頼関係はいつまでたっても築けないと思います。

 

 

ビジネス的には空き家問題の解決はニッチな分野だと思います。しかし今後、空き家問題は確実に先鋭化してきます。活用だけにとどまらない管理や解体、跡地利用までも含めた提案を所有者に出来るといいです。

 

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