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空き家を活用して新しい価値をつくる

リノベーションまちづくり塾@豊島区第1回レポートpart1

「消滅か、存続か。」

 

12月5日(金)豊島区主催の「リノベーションまちづくり塾@豊島区」の第1回目の講義に参加してきました。講師はブルースタジオの大島芳彦さん。先日の「まちのトレジャーハンティング」しかり豊島区は「消滅可能性都市」の汚名返上に向けてかなりやる気です。

 

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リノベーションまちづくり塾@豊島区│豊島区公式ホームページ

「消滅か、存続か。」キャッチコピーとこれまでの行政っぽくないチラシがいいですね。

 

「リノベーションまちづくり」って何?

 

前説はアフタヌーンソサエティの清水義次さんから「リノベーションまちづくり」とは何かについて。清水さんは内閣府が設置する規制改革会議の地域活性化ワーキング・グループで有識者として「リノベーションまちづくりと規制緩和」を働きかけています。その中の資料がわかりやすいので引用させていただきます。

 

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空き家や空き店舗、空きビル、空き地といった既存の建物や土地を活かして新しい使い方を民間が主導して行うこと。それに対して行政がサポートするという公民連携のあり方。民間がビジネスとして遊休不動産の活用を通して都市や地域の社会的課題をも解決していく、という。

 

距離的にある程度まとまったエリア内の遊休不動産をいくつかリノベーションすることでまち全体の価値を高めようというプロジェクトが「リノベーションまちづくり」といえると思います。

 

小さいリノベーションまちづくり「北九州市小倉魚町の中心市街地再生」

 

そして清水さんは「小さいリノベーションまちづくり」と「大きいリノベーションまちづくり」があるとおっしゃいます。まず「小さいリノベーションまちづくり」の事例として北九州市小倉魚町の中心市街地再生が挙げられていました。

 

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16プロジェクトがオープン、300名超の従業者増加、魚町3丁目の歩行者通行量4年で4割増加という成果が凄いです。

 

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15年間も空き店舗だった2階建ての建物をリノベーション。10店舗が入って賑やかになっています。働く人も増えるしお客さんも増えるという好循環ですね。

 

改修コストなどの投資を極力抑え、賃料を周辺エリアの半額〜6割に抑えることで、若いクリエイターが集めてきたようです。

 

築50年以上の古いビルのリノベーション。アーケード商店街に面し、10年以上空きテナントになっていた約380m2の建物を、インキュベーション機能をもった若いクリエイターのための集合アトリエとショップに生まれ変わらせた。 改修コストなどの投資を極力抑え、賃料を周辺エリアの半額~6割程度に抑えることで、30代を中心に建築家、グラフィックデザイナー、照明デザイナー、ファッションデザイナー、クラフト作家、フラワーデザイナー、陶芸のコンセプトギャラリー、コンセプト食堂、カフェ、インターネットローカルメディア編集室、地域の集会室を兼ねた図書室などが入居した。これらの入居者の周辺も加えたコミュニティの人々の活動拠点としてイベント等を多数開催している。

メルカート三番街 / Mercato3 | らいおん建築事務所

 

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メルカート三番街とは

 

大きいリノベーションまちづくり「オガールプロジェクト」

 

次に「大きいリノベーションまちづくり」の事例として挙げられていたのが岩手県紫波町の新しいまちの中心をつくる「オガールプロジェクト」です。

 

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「オガールプロジェクト」については今年9月に地方創生担当の内閣府大臣政務官として小泉進次郎氏が視察に来るなど、全国的に注目されている地域活性化の先進事例です。その理由としては「補助金に頼らない公民連携」が大きいと思います。塩漬け状態だった駅前の町有地10.7ヘクタールを中心に、ホテルやバレーボール専用体育館、図書館、カフェ、産直マルシェなどが入居する施設が相次いでオープンしました。

 

例えば、補助金を10億円確保できたら、10億円をフルに使い、その後のランニンコストを考えず、稼働率の見積もりも甘いまま、空きテナントが目立つ立派な施設を建設するのがこれまで多くみられた公共事業の失敗だった。

しかし、オガールプラザはスタートから違っていた。まずテナントを固めてから、建物の規模や建設費用を算出した。建設費用のコストカットのため、特別目的会社がオガールプラザを約11億円で建設。その後、公共施設部分を紫波町に売却した。売却した費用以外は、東北銀行の融資や町と政府系金融機関の出資で賄った。補助金に頼らない町づくりが、こうして始まった。

岩手県紫波町「オガールプロジェクト」 補助金に頼らない新しい公民連携の未来予想図

 

「オガールプロジェクト」の”オガール”とは「駅を意味するフランス語「ガール」と「成長」を意味する紫波の方言「おがる」が由来です。紫波町の情報発信基地を担う図書館、地域交流センター、子育て応援センター、県内最大級の産直紫波マルシェ、地元食材を使った飲食店やオシャレなカフェ、クリニックなどの店舗などまさにコンパクトシティです。

 

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紫波オガールプロジェクト ~先進的まちづくり~

 

まとめ

 

と、前説のリノベーションまちづくりの概要のお話でした。次回はブルースタジオの大島芳彦さんのお話を書きます。具体的なリノベーションの事例がたくさん出てきました。

 

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