急増する空き家問題
「新報道2001」というテレビ番組で「急増する空き家問題」が放送されていたようです。デイリーモーションで動画が上がっていました。
新報道2001 141221_1 投稿者 marmarly7
「空き家問題」については11:10頃からスタートします。約1時間位の特集です。
四方を住宅に囲まれた空き家
東京都荒川区町屋のとある空き家を引き合いにいろいろ議論がなされていました。番組で紹介されていた空き家は道路に面してなくて、四方を住宅に囲まれていました。
80坪の敷地に三軒の空き家が並んでいました。物置と築50年近い木造2階建て、戦後すぐに建てられた築60年以上の木造平屋建て。
この空き家に行く道は幅1mです。狭いですね。防災面で不安が残ります。救急車両も入らないし。
都内には四方を住宅で囲まれた空き家が少なくないんですね。住宅が過密な23区の木造密集地域エリアは特にその傾向が強いと思います。
傷みが激しい木造平屋建ての中は大掃除が必要な状態です。天井には穴が空き梁まで見えていました。6年前にこの家に住んでいた70代の女性が亡くなってから手つかずだと言います。
なぜ長年放置しておくのか?
番組では所有者へ放置している理由について尋ねました。放置していた理由の一つ目は「解体しようにも費用がかなりかかる、重機も入らない」というもの。
2つ目は「更地にすると固定資産税が6倍に上がってしまう」こと。これは政府・与党で見直しの方針が固まっていますが、200平方メートル以下の土地に住宅が建っている場合に土地に掛かる固定資産税が6分の1になるというものですね。
3つ目は「道路に面していない土地には新しく建物を建てられないので価値が落ちる」こと。これは、建築基準法で道路に接する長さが2m以上ないと新しく建物は建てられない規定があるからですね。建築基準法の改正で”建て替えがきかなくなってしまった建物”といえます。
空き家を行政に寄付、行政の負担で空き家撤去
このケースでは所有者に連絡をとって、空き家を荒川区に寄付して、荒川区の負担で空き家を撤去します。そして更地にしてから所有者に戻す、とのことです。更地にした跡地を公共目的のために活用する東京都文京区の空き家対策とは違っていますね。
解体費用の見積もりは350万円〜500万円だそうで、全部の放置空き家の解体を行政が負担してやることになると、凄い額の税金が放置空き家の解体に使われることになります。
無計画に住宅を作り続けたツケ
動画の中では田中角栄の列島改造論により地価が高騰するため、住宅を所有する人の負担を減らそうと固定資産税の税制優遇が始まったと説明されていました。とにかく重厚長大で後先考えずに新築を立て続けてきたツケが今回っています。
古民家を改修して子育て世代が住む
動画の後半では解決策として、ドイツ人の建築デザイナーのカール・ベンクスさんが新潟県十日町の古民家を改修して子育て世代の夫婦と子どもが入居するという事例が紹介されています。古民家の良さ、魅力を再発見し、必要な修繕や改修を行い、新しい世代がそこに住む。これはたくさんある空き家問題解決の一つですが、大きな可能性があります。
動画の後半はこちら。
新報道2001 141221_2 投稿者 marmarly7
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