外国人旅行者が求めるのは日本の原風景
訪日外国人観光客の数は2013年に初めて1000万人を超えたと思ったら、2014年は1340万人と過去最高を記録しています。
そして外国人旅行者が行ってみたい日本の観光地イメージは温泉や富士山、桜に加え「日本的な街並み」や「日本旅館」といった日本の原風景への人気・関心が高いです。
アジア8地域・訪日外国人旅行者の意向調査(平成26年版)p15(PDF)
インバウンド観光
そして、一人当たりの訪日外国人旅行消費額は前年比10.7%増の15万1,374円で、総額は前年比43.3%増の2兆305億円と推計されています。この数字はどちらも過去最高額です。
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旅行消費額に占める宿泊費、飲食費、買い物代で総額の9割近くを占めています。この主要な3つの消費を喚起することが可能な古民家の活用には大きな可能性があります。
宿泊・飲食・物販施設として活用できる古民家は、観光産業に対して強い関連があるのではないだろうか。さらに今後、観光客数が増えることになれば観光需要も増加し、古民家を利用する人々も増えるのではないだろうか。
古民家への潜在的宿泊ニーズ
2014年の年間訪日外国人旅行者数13,413,600人に、訪日外国人旅行者のうち古民家などに泊まりたい割合29.2%を掛け合わせると、古民家への潜在的宿泊ニーズが具体的にわかります。3,916,771人の訪日外国人旅行者は古民家へ泊まってみたいと考えていると想定できます。
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潜在的ニーズを満たすために必要な古民家の数
仮に一棟の古民家への宿泊可能人数を4名とすれば、年間365日を通じて1,460泊が可能となります。これに全宿泊施設の2013年の平均定員稼働率36.3%を掛け合わせると古民家宿泊施設は年間で1棟につき平均530泊稼働していると推計されます。
これに加え、古民家などに泊まりたい想定人数3,916,771人を530泊で割ると、想定人数が全員古民家に宿泊できるために必要な古民家の数がでます。
古民家の観光活用が地域へもたらす経済効果
古民家に泊まりたい想定人数3,916,771人と訪日外国人1人1泊当たりの旅行中支出額9,700円を掛け合わせると国内の古民家の観光活用が地域へもたらす経済効果がわかります。具体的には約380億円と試算されます。
この金額は宿泊費だけではなく、日本滞在中の飲食費、交通費、娯楽サービス費、買い物代等が含まれるため、一概には宿泊した地域内でこの金額相当の消費が行われるとは考えられにくいが、一般的に宿泊施設周辺での消費が多くなる傾向があることや、今後も外国人観光客数の増加が想定されていることを考えると、各地域にある古民家に宿泊できることによって 発生する訪日外国人の国内消費額の一つの目安金額とも言えるのではないだろうか。
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