空き家グッド

空き家、空き室、空きビル、空き店舗、空き倉庫は問題ではなく可能性!空き家を活用して社会的課題を解決し、新しい街のコンテンツに生まれ変わらせる。そんな観点から書いているブログです。

空き家の急増が投げかける住宅政策や住宅文化のあり方の再考の必要性

空き家対策特別措置法が5/26に施行

 

空き家対策特別措置法が先週施行されてからというもの、空き家対策関連のニュースが一気に増えました。そして各新聞社の社説に空き家対策がテーマとして多数取り上げられています。総じて言うと、空き家が急増して空き家対策の法律まで作られたこのタイミングで、これまでの住宅政策や住宅文化のあり方を再考する必要があるというか中古住宅流通促進へと本格的に舵を切る必要がある。」と投げかける論調ばかりでした。

 

景気対策としての住宅建設促進

 

都心エリアを除く大抵のエリアでは新築住宅建設は将来世代に負債を残す結果になります。近視眼的には新築住宅建設に伴って経済波及効果があったとしても、長い目で見るとトータルではマイナスになります。 

 

防災や防犯、生活環境などさまざまな面で空き家の増加は問題が大きい。老朽空き家の撤去はやむを得ない。同時に将来を見据え、法の施行を住宅文化を見直して空き家を減らす契機としたい。

(中略)

日本の住宅総数は6000万戸を超え、既に総世帯数を上回る。それでも年間100万戸の新築住宅が建てられる。住宅の建築戸数が景気判断の材料とされ、景気対策として建設が促進されてきたからだ。税制面などで新規住宅の購入を促す施策も建設を後押しした。

だが、これから本格的な人口減少社会を迎える。新たな住宅を増やせば空き家も増え、街の衰退につながりかねない。中古住宅の流通を活発化させる方が望ましいだろう。

mainichi.jp

 

新築持ち家重視の住宅政策を転換

 

実は1968年以降ずっと住宅総数が総世帯数を上回っていました。多少の供給オーバーは悪くないですが、空き家率13.5%(そしてこれからも増える予測)は供給過剰と言えます。

 

1968年以降、住宅総数が総世帯数を上回る供給過剰の状態が続く。空き家を増やさないようにするためには、景気浮揚を名目にした新築持ち家重視の住宅政策を転換する必要がある。

遅まきながら、政府も中古住宅対策に本腰を入れ始めた。

詳細な物件情報や適正な評価基準を通じて中古市場を整備し、リフォーム促進の低利融資や優遇税制などを拡充すべきだ。

dd.hokkaido-np.co.jp

 

空き家の急増は新規建設を重視してきた日本の住宅政策の結果

 

景気対策は当然大切ですが、そもそも経済波及効果が高いと言われている新築住宅建設ですが、実際のところは疑問です。

 

空き家の急増は新規建設を重視してきた日本の住宅政策の結果ともいえる。中古住宅の流通市場がもっと整備されていれば、これほど増えなかったのではないか。空き家問題を日本の住宅のあり方を再考するきっかけにしたい。

www.nikkei.com

 

中古住宅市場の拡大と空き家をまちづくりに活かす

 

日本の中古住宅流通市場は欧米に比べて貧弱です。逆に言えばそれだけ中古住宅市場が成長する伸び代があるとも言えます。空き家活用とまちづくりとを連動させて”まちの魅力的なコンテンツをつくること”、これが大事な視点です。

 

抜本的な解決のためには、住宅政策の再考も必要になろう。国内の住宅市場は新築の需要が根強く、これが住宅過剰の要因になり、空き家の増加につながった。

優良な中古住宅が増えている。この市場を拡大させて、中古物件の取得を促進させることも有効な方法なのではないか。

一方で、撤去だけではなく、まだ使える丈夫な空き家をどう利活用して、まちづくりに生かすかが重要になってくる。

空き家特措法 住宅政策の再考も必要だ

 

築後20年で建物の価値がなくなる

 

せっかく新築で家建ててもたった20年で価値がゼロになるなんておかしいですよね。これはメンテナンスをして長く住み継ぐ住宅文化が根付いていないことや、スクラップアンドビルドを誘導していきた住宅政策やそれに乗っかってきた不動産市場など複合的な要因があります。

 

日本の住宅は、築後20年を超えると建物部分の価値がほとんどなくなるなど、中古住宅を維持・管理して何世代も住み続ける仕組みとなっていない。住宅販売に占める中古住宅の割合は欧米の8割以上に対し、日本では2割未満にとどまっている。

専門業者が中古住宅を評価し、きちんと補修された住宅は適正な価格で売買される市場の育成が不可欠だ。そのためにはリフォームローンの拡大や規制緩和など官民の連携も重要な課題となる。 

www.sankei.com

 

新築重視から中古住宅の売買や賃貸、リフォーム促進の政策へ明確な方針転換

 

新築信仰というイデオロギーから脱却し、いまある中古住宅や空き家に価値を見出すリノベーションやDIY賃貸など新しい取組が今後盛り上がる(というか必要な)のは間違いないです。

 

国は人口動向に合った適切な住宅供給数を考慮せず、経済を優先し、住宅ローン減税などで新築促進政策を進めてきた。そのひずみで、将来の空き家が増産されている現実を省みなければならない。 

新築重視から、中古住宅の売買や賃貸、リフォーム促進の政策へ、明確な方針転換が必要だ。大切に安心して住み継ぐため、専門家による適正な住宅診断や情報提供体制の構築も欠かせない。 

国土交通省によると、住宅市場全体に占める中古住宅のシェアは1割強で、7割を超える欧米に比べてはるかに低い。近年は1981年の新耐震基準に基づく良質な住宅が増えており、活用しない手はない。目指すべきは「新築信仰」からの脱却である。

空き家対策特措法施行 「新築信仰」からの脱却目指せ | 社説 | 愛媛新聞ONLINE