マチノヨハク

空き家を活用して新しい価値をつくる

おしゃれなお店が続々出店している「松陰神社前」を歩いてみた

今、松陰神社前が面白い

こちらの記事「今、松陰神社前が面白い。人のつながりが街を変えていく街づくりの方法 | 住まいの「本当」と「今」を伝える情報サイト【HOME'S PRESS】」では、東京都世田谷区の三軒茶屋と下高井戸を結ぶ東急世田谷線の沿線である「松陰神社前駅」が、今ひそかに注目を集めていると紹介されています。

落ち着いた雰囲気を持つ松陰神社前だが、その小さな街に今、センスの良いカフェや個性的な古書店、売れ切れ必至のケーキ屋さんなどが集まり、街に変化を見せている。

今、松陰神社前が面白い。人のつながりが街を変えていく街づくりの方法 | 住まいの「本当」と「今」を伝える情報サイト【HOME'S PRESS】

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世田谷線は車両2両だけの小さな路面電車ですが、多くの人にとって重要な交通手段として使われています。写真はお盆の夕方の時間帯。仕事帰りの人たちが大勢電車に乗り込んでいます。

おしゃれなまちとして最近注目されている

「松陰神社前 おしゃれ」と検索してみると、松陰神社前エリアの魅力を伝える記事をたくさん見つけました。

ひそかなおしゃれスポット。路面電車の小さな駅「松陰神社前」に注目!

じわじわ話題のおしゃれスポット「松陰神社前」って知ってる? | TOKYO DAY OUT

路面電車に揺られて行く、松陰神社前。懐かしくもおしゃれな商店街散歩 | PARIS mag パリマグ

中でもこちらの記事は、実際に松陰神社前を歩いてたくさんのお店を体感されています。

「松陰神社前」という地名を聞いたことはありますか?東京都世田谷区のほぼ中央に位置し、東急世田谷線という路面電車が走る小さな駅です。今、その街におしゃれなカフェや書店ができ、にわかににぎわっているのだそう。小さな商店街の中に、新しいお店と古いお店が混在する様子は、少しパリのサンマルタン運河周辺のようでもあります。

路面電車に揺られて行く、松陰神社前。懐かしくもおしゃれな商店街散歩 | PARIS mag パリマグ

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(画像引用元:路面電車に揺られて行く、松陰神社前。懐かしくもおしゃれな商店街散歩 | PARIS mag パリマグ

創業200余年の老舗煎餅屋が約150年ぶりに路面店をオープン

松陰神社前はおしゃれなお店だけではありません。2016年4月に出店した「松崎煎餅」は創業1804年(文化元年)!銀座本店に続き、路面店を出すのは150年ぶりというのが驚きです。200余年の歴史を持つ老舗が、なぜ松陰神社前を選んだのか。それは、長く続けられそうなまちに地域密着型の路面店を出そうと考えたこと、いろいろなまちを見たが良い物件と巡り会えなかったこと、タイミング良く松陰神社前で空き店舗が出るという情報をキャッチしたこと、などが理由だそうです。

そうこうしているうちにある日、松崎氏が地元の世田谷区で飲んでいたとき、後に店舗となる場所が空くという話を耳にした。そこで、空き店舗があるならば、と社長である七代目と早速内見。商店街で店をやりたがっていた七代目は「いいじゃないか!」と即決。出店先が決まったのである。

「松陰神社前駅」は、いったい何がスゴイのか | 駅・再開発 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

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(画像引用元:人気の絵付けワークショップも。今話題の松陰神社エリアに、銀座の老舗「松崎煎餅」のカフェがオープン|ことりっぷ

おしゃれなお店の数々

そんな今アツい、松陰神社前を歩いてきました。 

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2010年9月に駅前に出来たカフェ「STUDY」。名前の由来は、まちのシンボルである松陰神社に奉られる吉田松蔭の学問スピリットからだそうです。

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店内は広く落ち着いた雰囲気で、若者から年配の方まで幅広い世代に愛されている感じでした。

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2016年4月にオープンした「松蔭PLAT」は、築50年の木造2階建てのアパートをリノベーションした商業施設です。

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入口付近にある大きな黒板が目を引きます。施設からのお知らせや、イベント情報などの掲載のほか、まちの人も自由に書き込みが出来ます。

駅のホームから松陰PLATまではたった数十メートル。徒歩数秒で到着するこの距離は、都心を走る電車の駅だとまだまだホームの半ばあたりということから、プラットホームの延長で駅ナカにあるお店のように身近で気軽に利用できるように、「PLAT」と名付けています。そしてここで出会うモノゴトが、訪れるひとの暮らしのなかでちいさなきっかけとなることをめざして誕生しました。

こんなところ | 松陰PLAT | shoinplat

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2階の様子。アトリエや雑貨店、カフェとギャラリーなどがテナントに入っていました。

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2012年にオンラインショップとしてオープンした「nostos books」が初めて出した実店舗は松陰神社前にあります(2013年8月オープン)。写真は閉店時の様子です。店構えがおしゃれです。

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2014年4月にオープンしたオイスターバー「アリク」。このお店の店長さんが、松崎煎餅出店のきっかけを作ったそう。(参照記事

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「アリク」の隣には白壁の小さなカフェ「Cafe・Lotta(カフェ・ロッタ)」があります。名物はオムライス。ほかにも野菜がたくさん入ったカレーや日替わりどんぶりが人気です。

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(画像引用元:ついお土産用にたくさん買ってしまう「松蔭神社前」ベーカリー&スイーツ | TOKYO DAY OUT

2014年7月にオープンした焼き菓子屋さん「MERCI BAKE(メルシーベイク)」。行列のできる人気店です。もともとは和菓子屋の跡地に、街の機能を継ぐという形でオープンした、という経緯があります。(参照記事

若い商店主への世代交代が上手くいっている

ほかにも人気のパン屋や雑貨屋などもありました。こういった若い商店主が続々と誕生している理由として、商店街の世代交代があります。三軒茶屋よりも賃料が安いというのも大きな要因ですが、若手商店主がさらに若手商店主を呼び込むという好循環が起きていること、地元で不動産業を手がけている松蔭会館の存在などがありそうです。

国士舘大学や東京農業大学が近くにあることや、三軒茶屋より賃料が安いことから18歳の人口流入は高いものの、30代での流出が増えるという問題点もある。カップル、ファミリー向けの賃貸物件が少なく(あっても賃料が13~14万円以上と高い)、住み続けられないのである。複数戸のワンルームをファミリー向け住宅にリノベーションするなど模索はされているが、開発の進んだ狭いエリアのため、住宅を増やすには難しさもある。

が、松崎氏が言うとおり、この街では誰か一人ではなく、複数の人たちがそれぞれの立場から街にかかわっており、鈴木氏のように自立して街を盛り上げる活動をする人たちがいる。佐藤氏いわく「キーパーソンがやっている街はその人がいなくなったらダメになる。でも、ここは違う」。人が集まっても店舗がころころ変わる街が多い中、長く確実にビジネスを続けていける街の条件とは何なのか。松蔭神社前から学ぶことは多い。

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