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空き家グッド

空き家、空き室、空きビル、空き店舗、空き倉庫は問題ではなく可能性!空き家を活用して社会的課題を解決し、新しい街のコンテンツに生まれ変わらせる。そんな観点から書いているブログです。

空き家の再生・活用において重要な「検査済証」とは?

空き家問題 空き家問題-検査済証のない建築物

せっかく空き物件が見つかっても…

2017年になりました。今年もよろしくお願いします。さて、年末年始に色々記事を見ていた中で、認定NPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹さんの公式サイトのこちらの記事が気になりました。

保育園の開園を阻む、たった一枚の紙 | 駒崎弘樹公式サイト:病児・障害児・小規模保育のNPOフローレンス代表

内容はというと、駅近で保育園に必須な二方向避難口もある空き物件を見つけたはいいけれど、違反建築物ではないことを証明する書類「検査済証」がないばっかりに、空き物件を保育園に転用することができない!という憤りが記されています。

社員「代表、あの物件ダメになりました・・・。すいません。」
僕「どうしたの?家賃高すぎた?都内は家賃が高くて保育園にはキツいからなぁ・・・」
社員「いや、そうじゃないんです。違反建築物じゃないことを証明する『検査済証(けんさずみしょう)』がないんです。」

保育園の開園を阻む、たった一枚の紙 | 駒崎弘樹公式サイト:病児・障害児・小規模保育のNPOフローレンス代表

保育園は小さい子供を預かる施設であるため、安全や衛生面、保育士の確保など、クリアすべき規制基準が当然あります。しかし、待機児童問題が相変わらず懸案とされている社会状況の中、空き物件に「検査済証」という書類一枚が無いだけで、本当に違法なのかを吟味することなく門前払いするのはおかしいです。

検査済証とは?

そんなに重要な検査済証とは何か調べてみると、

検査済証(けんさずみしょう)とは、建築基準法(以下、法)第7条第5項に定められたもので、「建築物及びその敷地が建築基準関連規定に適合している」ことを証する文書。特定行政庁、又は指定確認検査機関で交付される。

検査済証 - Wikipedia

つまり、建築物が建築基準法などの法令をクリアしていることを証明する書類なのです。しかしそれくらい重要なのに、平成11年以前では半数以上の建築物が検査済証の交付を受けていないのが実情なのです。

僕「うがーーーー!!!そもそも、検査済証なんて、平成10年時点で38%しか取ってないんだから、築18年を超えたら、6割の物件は保育所として使えなくなっちゃうじゃん。ただでさえ希少な保育所物件を、さらに半減させてどうするってんだ!」

保育園の開園を阻む、たった一枚の紙 | 駒崎弘樹公式サイト:病児・障害児・小規模保育のNPOフローレンス代表 

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(画像引用元:建築:「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関等を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」について - 国土交通省

国土交通省の動き

築年数が古いほど検査済証が交付されていなかった建築物が多い、一方で空き家や既存建築物を増改築や用途変更するなどして再生・活用しようというニーズがある、そこで国土交通省では「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関等を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」を2014年7月に策定・公表しました。これは、検査済証のない建築物でもこのガイドラインに基づいて法適合状況調査を行うことで遵法性を確認しようというものです。

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(画像引用元:建築:「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関等を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」について - 国土交通省

ガイドラインに基づく法適合状況調査はあまり活用されていない

検査済証が無くてもバンバン空き物件の法適合状況調査を活用して、増改築や用途変更しようと、実際はそんなにうまくいっていないようです。

現行ガイドラインでは、「検査済み証のない建築物」について、まず建築当時の確認済み証の有無調査を行うことになっています。確認済み証がある場合は調査にさしたる手間はかかりませんが、「検査済み証のない建築物」の大半を占める確認済み証がない場合は、建築物所有者から調査依頼を受けた建築士が復元図面(規模等に応じて復元構造計算書)を作成、「調査に必要な図書」を準備し、その上で「調査者への提出図書のとりまとめ」となっており、相当な手間と費用がかかります。
この点は「ガイドライン通知以前と変わらない」(建築業界関係者)ようです。

国交省、検査済み証なし物件のガイドライン改訂へ | 不動産投資・収益物件・賃貸経営ならOWNER'S

2016年早期に法適合状況調査ガイドラインを改訂へ

国土交通省では、低調な法適合状況調査ガイドラインの改訂に向けた動きがあるそうです。もう2017年に入りましたが、ぐぐっても出てこない。

確認申請を受け付ける立場の全特定行政庁に対して、アンケート調査を実施(回答率94.4%)。その結果、ガイドラインに基づく適合状況調査を「あまり活用していない」との回答が約3分の2に上った。これを踏まえて改善点を洗い出し、改訂に反映させる考えだ。改訂後はパンフレットの作成・配布などを通じて周知を図る。 

「検査済証なし」物件の流通後押し 法適合調査ガイドライン、2016年早期に改訂へ 国交省 - 住宅新報web | 政策,売買仲介,投資

規制改革会議の答申でも「検査済証のない建築物の流通促進は盛り込まれている

さらに、内閣府が設置している規制改革会議のサイトを見てみると、規制改革に関する第4次答申〜終わりなき挑戦〜(平成28年5月19日)(PDF形式)の数ある規制改革の中の地域活性化分野(③建築物・土地利用関連規制の見直し)の項目に、「検査済証のない建築物の流通促進」が盛り込まれていました。平成28年度以降継続的に検討・結論・措置、ということなので今後の展開が楽しみです。(なお、東京R不動産の馬場正尊さんの働きかけにより、前年も盛り込まれていました)  

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(画像引用元:規制改革に関する第4次答申〜終わりなき挑戦〜(平成28年5月19日)(PDF形式)