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空き家を保育園に活用した場合、固定資産税が全額免除!東京都の待機児童対策

固定資産税が全額免除

東京都の小池知事はかねてから「空き家を保育園に改修する」という持論をおっしゃっています。空き家や空き店舗を借りて保育施設を開設する事業者への賃借料補助など、合計126億円の補正予算案を都議会に提出・可決されたりと、段々と政策レベルで具体化してきています。さて年明け早々また景気の良いニュースです。保育施設として土地や家屋を貸し出した場合、固定資産税が全額免除されます。

東京都は、保育施設として使用するために貸し付けられた土地や家屋を対象に固定資産税を全額免除する方針を固めた。全国初の制度で、2017年度から導入する。

ニュースサイトで読む: http://mainichi.jp/articles/20170106/ddm/041/010/144000c#csidx06f6f988ef1590e9897a15f14a8c1f6
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保育所家主、資産税免除へ 東京都が17年度導入 保育士増へ1000億円超

都市部では用地不足が課題

固定資産税の全額免除といった制度は全国初だそうです。都市部で保育施設を新設する際に大きなネックになっているのが用地不足。固定資産税の全額免除がインセンティブとなって用地提供してくれる不動産オーナーさんが現れることを期待します。

大都市では用地不足が保育施設の新設のネックとなっており、固定資産税の全額免除は用地提供の後押しとなる。都内の保育関係者は「免除で増える定員は年1000~2000人程度かもしれないが、都心部の需要を満たす効果は小さくない」と期待する。

ニュースサイトで読む: http://mainichi.jp/articles/20170106/ddm/041/010/144000c#csidx84d0e797e932acb88e421e95affabaa
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フローレンスの駒崎さんの解説記事がわかりやすい

今回のニュースについて、認定NPO法人代表理事の駒崎弘樹さんがご自身のサイトで解説記事を書かれていて、とてもわかりやすいです。待機児童を生み出す3つの壁(保育士不足の壁、自治体の壁、物件の壁)のうち「物件の壁」 の構造的な要因や、固定資産税全額免除の効果について書かれています。

保育園に貸すにはハードルが高い

なぜ都市部で保育所用地や保育園に貸し出す物件が少ないのはなぜかというと、用地を持っているオーナーが保育園に土地や物件を貸し出すにはハードルが高かった、という実情があるわけです。近隣住民の反対運動が発生するかもしれないし、改修工事だって必要になってくるなど、乗り越えるべきハードルは結構あります。

ここには、構造的な要因があります。用地を持っている物件オーナー(大家さん)としては、保育園に土地や物件を貸しても全然メリットがなかったんです。
特にすごく高い地価を払ってもらえるわけでもない。うっかり住民の反対運動に火がついたら、面倒臭いことになる。既存物件を貸す場合、保育園の規制を満たすために、改修工事をしなくてはいけない等など。

東京の大家さん、保育園に物件貸したら固定資産税ゼロですってよ! | 駒崎弘樹公式サイト:病児・障害児・小規模保育のNPOフローレンス代表

空き家を保育園に

相続税対策や節税対策で賃貸アパート建てるよりも、保育園に貸すほうがメリットがあります。固定資産税の優遇だけで言えば(賃貸アパートは固定資産税が6分の1に、保育園は固定資産税ゼロに)。空き家を、まちの保育園みたいな地域に溶け込んだおしゃれで魅力的な保育園に生まれ変わらせたら素敵です。そんな素敵な保育園が出来れば子育て世帯が喜びます。若い世代や子供たちが集まってくれば、街の活性化にもつながります。こんな好循環につながればいいなと思います。

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(画像引用元:まちの本とサンドイッチからのお知らせ | まちの保育園