- まちづクリエイティブの事務所兼ギャラリーは元服屋の空き家
- 「何が価値を決定するのか、について何を知っているのか」展示
- 150着の古着をまちの人たちで仕分け
- 古着に価値を持たせるまちの人/アーティストの力
- 古着のアップサイクルのプロセスは空き家のリノベーションに通じる
まちづクリエイティブの事務所兼ギャラリーは元服屋の空き家
2015年6月から縁有って関わらせてもらっているMAD Cityプロジェクトですが、その母体であるまちづくり企業、株式会社まちづクリエイティブの事務所兼ギャラリーは、元服屋で空き家だったんです。テナント看板に書かれた「メンズ・ファッションハウス”マキノ”」にその痕跡と建物の歴史を感じます。
最近リニューアルしたMAD City Gallery。以前よりもギャラリー感が出ています。
「何が価値を決定するのか、について何を知っているのか」展示
この日、MAD City Galleryでは「何が価値を決定するのか、について何を知っているのか」という展示が行われていました(詳細はこちら)。なんでも、
不用品となった洋服を、まちの人の各々の価値観で仕分けをし、まち在住のアーティストがそれらにインスピレーションを得て服を制作。アパレル店跡を改装したギャラリーにてそれらを展示/販売し、閉店した服屋が現代に蘇るという一連のアップサイクル活動のプロジェクト「TUMUGI 紡ぎ」を開始します。
2月13日(月)~『何が価値を決定するのか、について何を知っているのか』 | MAD City:松戸よりDIYと暮らし、物件情報を発信
だそうで、古着をまちの人たち仕分けして、それを元にMAD City在住在勤のアーティストが服を創り、もともと服屋だった空き家で展示&販売するという、アップサイクルかつリノベーションな取り組みです。
「アップサイクル」とは、サスティナブル(持続可能)なものづくりの新たな方法論のひとつである。従来から行なわれてきたリサイクル(再循環)とは異なり、単なる素材の原料化、その再利用ではなく、元の製品よりも次元・価値の高いモノを生み出すことを、最終的な目的とする。換言すると、リサイクルによる製品のアップグレード、としてよいだろう。
こちらの服たちは全部古着をリメイクして創られました。値段は1,000円〜50,000円まで様々。価値がなくなった古着を組み合わせて新しい価値を生み出す、リサイクルのその先であるアップサイクルな場面を垣間見ました。
古着を組み合わせて新しい服にリメイク。そのアップサイクルなプロセスは空き家のリノベーションに通ずる。元服屋の空き家であるMAD Cityの事務所兼ギャラリーで展示/販売。https://t.co/942tbFqcig pic.twitter.com/H6v9QKjfIA
— 空き家ブロガー (@cbwinwin) 2017年2月26日
150着の古着をまちの人たちで仕分け
このアップサイクルアートプロジェクトは、エコ回収を行っているエコランドの協力で、リサイクル寸前の洋服を大量に引き取り、まちの住人や会社員など約30名で仕分けする作業からスタートしました。仕分けと一言でいっても、自分で着たい/着たくないやグッとくる/こない、何か思いつく/思いつかない、などなど人それぞれ仕分けする観点は異なるのが面白いです。
ロックな服/じゃない服、ってなんだろうか。
古着に価値を持たせるまちの人/アーティストの力
そうして仕分けられた古着に命を吹き込むのがアーティストの西岳拡貴さんです。消費の価値観がモノからコトへ変化している現代において、ストーリーやコンテクストといった意味をもたせることがこれからますます価値を生むようになるなるならば、松戸の人たちによる仕分けとアーティストである西岳さんの制作が組み合わさることで唯一無二の作品/商品になるのだと思います。
完成した服にはアップサイクルアートプロジェクト「TUMUGI 紡」のロゴマークが入っています。
古着のアップサイクルのプロセスは空き家のリノベーションに通じる
今回この展示を見て思ったのは、古着のアップサイクルにいたるプロセスや発想は空き家が新しいお店やオフィス、保育園、住宅など様々に生まれ変わるリノベーションに共通している部分がたくさんある、ということでした。今ある古着/空き家に対して様々な人の価値観やアートの手法、まちの歴史や文化、地域の課題解決といった側面からアプローチすることで、新しい価値を生み出すわけです。
価値は変遷していくもの。価値を決定するプロセスについて何を自分は知っているのか、考えるきっかけになりました。