空き家グッド

空き家、空き室、空きビル、空き店舗、空き倉庫は問題ではなく可能性!空き家を活用して社会的課題を解決し、新しい街のコンテンツに生まれ変わらせる。そんな観点から書いているブログです。

空き家を活用した「分散型サ高住」の可能性

分散型サ高住って?

桜美林ガーデンヒルズに見学に行って以来、サービス付き高齢者向け住宅、略してサ高住について地味に勉強中です。よくよく調べると桜美林ガーデンヒルズの事業主体である株式会社コミュニティネット(以下、コミュニティネット)では、団地の空き室を活用した「分散型サ高住」なるものに取り組んでいるみたいです。そして国でも、分散型サ高住の整備促進を進めています(参考)。分散型サ高住とは何かと言う前に、サ高住の特徴として「安否確認」と「生活相談」が必須サービスであるということがあるわけですが、以前まではサ高住の敷地または敷地に隣接する土地にスタッフが常駐していないといけなかった。しかし規制緩和され、スタッフの常駐場所がサ高住の建物から500m以内にある別の建物でも良いということになり、空き家や空き室の活用が志向されたというわけです。これが分散型サ高住です。

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(画像引用元:都会からの移住者にも好評「サ高住」のいま | 医療・介護 大転換 | ダイヤモンド・オンライン)分散型サ高住のイメージ。500m以内の場所にスタッフが常駐。安否確認や生活相談といったサービスに迅速に対応。

高島平団地の空き室30室を全面改修して分散型サ高住に

実例としては、高島平団地の11階建ての棟に点在する空き室30室を全面改修して誕生した分散型サ高住「ゆいま〜る高島平」があります。安否確認と相談業務にあたるスフッタは、この棟と向かい合わせに建つ別棟の1階の一室にいらっしゃいます(参照記事)。事業者であるコミュニティネットの事務所も兼ねているそう。

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(画像引用元:ゆいま~る高島平|株式会社コミュニティネット)サ高住の入居者から見ると必然的に多世代が住むコミュニティの中で暮らせるというメリット。団地オーナーとしては空き室活用(安定した家賃収入など)というメリット。

国土交通省でも分散型サ高住を整備促進

国土交通省平成28年5月24日に公表した「サービス付き高齢者向け住宅の整備等のあり方に関する検討会 とりまとめ」によると、分散型サ高住の整備促進に関する記述が多く見られます。

分散型サ高住の整備はまだまだこれからという記述。

既存ストックを活用して供給されたサ高住は、全体の約5%にとどまっており、小学校等の廃校や戸建ての空き家の活用は少ない状況にある。また、先般、サ高住の常駐場所に係る規制が緩和されたところであるが、既存の住戸等を活用し、住戸ごとに分散して登録するサ高住である「分散型サ高住」の整備はまだ緒についたばかりで周知や理解が進んでいない。

「サービス付き高齢者向け住宅の整備等のあり方に関する検討会 とりまとめ」P.5

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(画像引用元:「サービス付き高齢者向け住宅の整備等のあり方に関する検討会 とりまとめ(参考資料)P.17)

サ高住整備促進に向けた柔軟な対応を検討すべきという記述(これは前述のとおりもう達成済です)。

既存ストックの有効活用や低廉な住宅の供給、地域の活性化等につなげるため、民間の住宅団地・戸建ての空き家等を活用したサ高住の整備に対する支援を拡充するとともに、既存の住戸等を活用し、住戸毎に分散して登録するサ高住(「分散型サ高住」)の整備促進に向けた柔軟な対応(サービス提供者の常駐場所の緩和等) を検討すべきである。

「サービス付き高齢者向け住宅の整備等のあり方に関する検討会 とりまとめ」P.13

分散型サ高住の整備促進に向けた規制緩和、済の記述。

・既存の住戸等を活用し、住戸毎に分散して登録するサ高住(「分散型サ高住」)の整備促進に向けた規制緩和【実施済】

「サービス付き高齢者向け住宅の整備等のあり方に関する検討会 とりまとめ」P.14

団地のみならず、戸建て空き家を分散型サ高住として活用しようという、まちづくり的な記述。

また、人口減少及びサービスの空洞化が懸念される郊外住宅地等においては、 地域のサービス拠点の整備を推進することにより、地域全体でサービスが受けられる環境を整えていくことが必要である。 このため、高齢化の進む戸建て住宅団地において、戸建て空き家を分散型サ高住等として活用し、地域を再生する取組みを推進すべきである。

「サービス付き高齢者向け住宅の整備等のあり方に関する検討会 とりまとめ」P.16

家賃が比較的低廉、利便性の高いエリア、そして空き家の活用 

分散型サ高住のメリットは大きく3つあるかなと考えます。まずは既存ストックである空き家を活用するということで、改修費用など比較的低廉な家賃であること、次に場所によっては利便性の高いエリアのサ高住に入居できること、そして今まで使われなかった空き家の活用や団地再生が進むことそのものです。

(参考記事)
東京新聞:<空き家を生かす!!>団地利用の分散型サ高住(上) 幅広い世代との交流魅力:暮らし(TOKYO Web)
東京新聞:<空き家を生かす!!>団地利用の分散型サ高住(下) 地域の拠点施設も整備:暮らし(TOKYO Web)