マチノヨハク

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不動産総合データベースに期待

大雨のときにチェックしたい

九州北部と中国地方では昨日から続く記録的な大雨により河川の氾濫や低い土地への浸水、土砂災害が発生しています。大雨がこれほどの被害を及ぼすことに驚いています。突然の豪雨のときは最新の情報を仕入れる必要があります。そんなときにチェックしたいのはタイムリーにも気象庁が7月4日からウェブサイトに公開している、「大雨警報(浸水害)の危険度分布」「土砂災害警戒判定メッシュ情報」です。浸水害と洪水害の発生の危険度(リスク)が一目でわかります。

f:id:cbwinwin123:20170706185509p:plain(画像引用元:気象庁|土砂災害警戒判定メッシュ情報

ゲリラ豪雨に耐えられるエリアなのか

例えば河川の近くに住んでいるとすると、こういった大雨のときは心配ですよね。時間雨量が50mm(下水処理能力)を超えるような豪雨が短時間に降る現象であるゲリラ豪雨(2008年頃からよく使われるようになった)のときに浸水害や洪水害を被るエリアなのかどうかは、住宅選びの際に押さえておきたいポイントです。

周辺環境に関するネガティブ情報は不動産ポータルサイトに載っていない

買うでも借りるでも不動産を選ぶ時って住宅の広さや日当たり、価格といった基本スペックは誰でもチェックすると思います。不動産屋もそういった情報はどんどん提供してくれます。不動産ポータルサイトにもじゃんじゃん載っていますよね。しかし、浸水可能性や地盤の強さといった情報は自分で能動的にアクセスしないと入手できなかったりします。例えば…

  1. 国土交通省ハザードマップポータルサイト→浸水想定区域などがマップ上でわかる。自治体ごとのハザードマップ情報も載っている。
  2. 今昔マップ on the web→池や田んぼを埋め立てて造成された場所なのかなど土地の歴史がわかる。過去と現在を見比べられる。
  3. 地震ハザードステーション→これはちょっと使い方がよくわからない(難しい)。

などです。こういった、場合によってはネガティブだけども不動産を買う/借りる上でとても重要な情報をまとめてアクセスできれば便利ですよね。

f:id:cbwinwin123:20170706194431p:plain(画像引用元:今昔マップ on the web

様々なレイヤーの情報を一つにまとめる

現状では不動産に関する情報を多方面に散逸しているわけです。しかし現在、国土交通省では物件情報や周辺地域情報をぎゅっとまとめて情報集約してアウトプットしようと、「不動産総合データベース」というシステムの構築を平成25年度から進めています。不動産コンサルタントの長嶋修さんが詳しく解説されています。横浜市などで試行運用中で早ければ2018年度には全国に展開されていくそうです。

不動産に関わる情報は現在、多方面に散逸しています。都市計画情報は市区町村役場、上下水道などインフラ情報は水道局や下水道局、登記情報は法務局といった具合です。

こうしたものを一元化、さらに物件の過去の取引履歴、成約価格、住宅履歴情報、マンション管理情報、周辺のインフラの整備状況や公共施設の立地状況、周辺不動産取引価格情報など、物件そのものの情報以外に周辺エリア情報、更には災害や浸水可能性などのネガティブ情報や学区情報に至るまでが、このデータベースの中に詰め込まれる予定です。

実はこの新たな不動産総合データベースはすでにプロトタイプが完成しており、横浜市・静岡市・大阪市・福岡市で試行運用中、早ければ2018年度には全国に順次拡大されます。

#05 新たな不動産評価システムが空き家の活路を開く | カリアゲタ - 空き家再生活用マガジン | カリアゲJAPAN 

f:id:cbwinwin123:20170706183115p:plain(画像引用元:建設産業・不動産業:不動産総合データベース試行運用について - 国土交通省

不動産選びはより多角的に

不動産総合データベースを利用できるのは当初は宅建業者のみの予定とのことです。しかし、国土交通省では一般ユーザーによる利用も見据えているそうで、ライフルホームズとかスーモとか民間の不動産ポータルサイトにも情報提供されていく可能性もあるそうとか。まぁこの点はまだまだ不透明です。インターネットは、様々なレイヤーの情報を一つにまとめることで比較がしやすくなったり、より適した情報を選択することが可能になりました。IT化が遅れている不動産業界でも、こうした不動産業界と一般ユーザーとの情報格差を埋めるようなサービスが誕生しそうなので期待をしています。