空き家の活用で社会的課題を解決するブログ

空き家を活用して社会的課題を解決したり、新しい街のコンテンツに生まれ変わらせる。そんな観点から書いているブログです。

【随時更新】空き家対策関連の施策まとめ

2018年がスタートしました。今年もよろしくお願いいたします。新年一発目の記事は空き家対策関連の施策まとめ、です。昨年は「土地の所有者不明化」だったり「都市のスポンジ化」、「新しい住宅セーフティネット制度」などなど、空き家対策絡みで大きな動きがたくさんありました。そこらへん、逐一動向をチェックできるようにこちらの記事にまとめておきたいと思います。

空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報

まずは2015年5月に完全施行された空き家対策特別措置法まわりのページからです。空き家法の基本方針やガイドライン政令、省令、告示などがあり、動きがあるページとして空き家対策の推進に関する特別措置法の施行状況等について、というのがあります。現在(2018.1.2)最新は平成29年10月1日時点とのことで、空き家対策計画の策定状況、特定空き家等に対する措置の実績、法定協議会の設置状況などが記載されています。最近の報道発表では全市区町村の約3割で、空き家対策計画を策定とあります。空き家法施行から2年半で447団体が策定(1739中)とのことで、正直まだまだ空き家対策に対する各自治体の意識、優先順位は低いの実情です。

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(画像引用元:空家等対策の推進に関する特別措置法の施行状況等について(H29.10.1時点)

あと、空き家対策の推進のための新規制度等に係る説明会についてというページがあり、今後ますます具体的に運用されていくであろう施策や事業が盛りだくさんです。

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(画像引用元:住宅:空き家対策の推進のための新規制度等に係る説明会について - 国土交通省

空き家・空き地等の流通の活性化の推進

空き家対策と並んで空き地対策にも力を入れています。同じ不動産なので当然といえば当然ですが。空き家・空き地等の流通の活性化に向けた取組として平成29年度は「全国版空き家・空き地バンクの構築」と「地域の空き家等の流通モデルの構築」を行なっています。全国版空き家・空き地バンクについては全国各地の自治体が単独で運営している空き家・空き地バンクを民間の不動産ポータルサイトに一元化して検索しやすくしようというもので株式会社LIFULLアットホーム株式会社の2社が実施事業者となっています。2017年9月末にLIFULL HOME'S空き家バンクがリリースされた時はまだまだ登録自治体数は少なかったですが、着々と物件数を増やしています。 

しかし、よくよく考えると全国版の空き家バンクといえば、一般社団法人移住・交流推進機構が公開している「ニッポン移住・交流ナビ」があるんですが、どういった点が違うのでしょうか。まさか空き家バンクにまで行政の縦割り構造、官僚制の弊害があるのか?

「LIFULL HOME'S空き家バンク」がリリース!その狙いとは? - 空き家グッド 

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(画像引用元:全国版空き家・空き地バンクとは - 全国版空き家・空き地バンク

国土審議会土地政策分科会特別部会

東京財団・研究員の吉原祥子さんのこちらの記事によると、 土地にまつわる3つの放置、すなわち権利の放置(相続未登記)、管理の放置(空き家、耕作放棄地)、情報の放置(固定資産税の課税台帳が更新されず)により資産価値の低い土地が所有者不明化する問題の現状と背景がまとめられています。増田寛也総務相ら民間有識者で作る所有者不明土地問題研究会によると、所有者の分からない土地が2040年に全国で約720万ヘクタール(北海道の面積が約780万ヘクタール)に達し、こうした所有者不明土地が原因で生じる経済損失額は2040年までに6兆円規模に上ると試算されています。そして吉原祥子さんや増田寛也さんが委員を務める国土審議会土地政策分科会特別部会の議論の動きは継続的にチェックしたいです。

空き家問題-土地の「所有者不明化」 カテゴリーの記事一覧 - 空き家グッド

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(画像引用元:国土審議会土地政策分科会特別部会中間とりまとめ>中間とりまとめ概要PDF

社会資本整備審議会都市計画・歴史風土分科会都市計画部会都市計画基本問題小委員会

本当長い委員会名ですね。「都市をたたむ」の饗庭伸さんや「老いる家  崩れる街 住宅過剰社会の末路」の野澤千絵さんらが委員と務めていらっしゃる社会資本整備審議会都市計画・歴史風土分科会都市計画部会都市計画基本問題小委員会の議論は重要です。高度成長期に郊外へ郊外へと住宅が建設されて膨張していった都市ですが、人口減少などを背景に空き家や空き地がランダムに発生することで、都市がスポンジのようにスカスカになってしまうという現象に対し、スポンジ化の予防策やスポンジ化した後の活用策などの政策を検討中です。住宅や商業・福祉施設などを集約してコンパクトな街を目指すコンパクトシティ立地適正化計画の議論も含めてチェックしておきたいです。

都市のスポンジ化 カテゴリーの記事一覧 - 空き家グッド

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(画像引用元:都市計画基本問題小委員会 中間とりまとめ>「都市のスポンジ化」への対応【概要】

社会資本整備審議会産業分科会不動産部会

次も社会資本整備審議会の中からです。社会資本整備審議会産業分科会不動産部会では2017年6月29日に空き家対策等に係る中間とりまとめ(提言)を公開し、空き家問題解消に向けた主な取組として9つにまとめてきました。

  1. 空き家対策推進のための基礎整備
  2. 空き家の発生予防
  3. 空き家の適正な管理
  4. マッチング・媒介機能の強化
  5. 空き家の再生・リノベーション
  6. 地域における空き家の活用
  7. 除却
  8. 空き地の活用
  9. 空き家に係る調査・分析や政策研究

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(画像引用元:空き家対策等に係る中間とりまとめ(提言)(2017年6月29日)>概要

住宅セーフティネット制度について

公営住宅が最後の住宅セーフティネットになるべきところ、公営住宅の倍率はとても高く(東京で平均30倍、大阪で平均20倍)、実際のところ誰でも入居できるわけではありません。そこで既存住宅、つまり空き家を活用して単身高齢者や生活保護受給者、シングルマザーなど、大家さんの入居拒否感が高く簡単に賃貸住宅に入居できない方々を対象に住宅セーフティネットを確保しようという制度です。 

2017年10月25日に空き家を活用した新たな住宅セーフティネット制度がスタートしました。具体的には、住宅確保要配慮者(高齢者、子育て世帯、低額所得者、障害者、被災者など住宅の確保に特に配慮を要する方)の入居を拒まない賃貸住宅として空き家を登録してもらう制度の創設と住宅確保要配慮者の入居円滑化に関する措置の実施です。

空き家を活用して住宅確保要配慮者の住まいを確保する!改正住宅セーフティネット法が施行 - 空き家グッド

住宅セーフティネット制度についてのページでは制度の内容はもとより、大家さん向け住宅確保配慮者受け入れハンドブックも公開されています。

既存住宅・リフォーム市場の活性化に向けた取組み

これから本格化する人口減少社会にマッチした住宅・不動産市場を築くために新築中心から既存・中古住宅、リノベーション・リフォーム中心へとシフトチェンジしていく必要があります。 既存住宅・リフォーム市場の活性化に向けた取組みは今後ますます議論を盛り上げていくことが重要です。

全国空き家対策推進協議会

自治体や関係団体が情報共有や対応策を検討する全国空き家対策推進協議会が2017年8月に設立されました。今後の動きに注目です。

「安心R住宅」制度(特定既存住宅情報提供事業者団体登録制度)

宅建法が改正され今年4月から宅建業業者に、不動産売買の際におけるホームインスペクション(住宅診断)の告知義務が課されます。というのも空き家が増えているのに日本に中古住宅市場が根付かないのは「①耐震性や雨漏り、設備の老朽化が不安」、「②内外装が汚い、設備が古い」、「③選ぶための情報が少なく、判断できない」といった理由があるからです。国土交通省の平成28年度住宅市場動向調査によると、マイホーム取得にあたり中古住宅を選ばなかった理由として「新築の方が気持ち良いから」、リフォーム費用などで割高になる」に次いで「隠れた不具合が心配だった」、そして「耐震性や耐熱性など品質が低そう」という回答がありました。これは裏を返せば耐震性や設備の品質が確保されるなど中古住宅を適正に評価できる情報が集まれば、中古住宅市場が盛り上がる可能性があるということです。そこで創設されたのが「安心R住宅」制度(特定既存住宅情報提供事業者団体登録制度)です。今後、登録事業者がどれだけ増えていくか見ていきたいです。

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(画像引用元:「安心R住宅」制度(特定既存住宅情報提供事業者団体登録制度)>まんがでわかる!安心R住宅(PDFファイル)

社会資本整備審議会建築分科会

日経アーキテクチャこちらの記事で、国交省住宅局長の方が色々と空き家問題の解決に向けた法整備について語っています。その中で空き家を住宅以外の用途で活用するための建築規制の見直しの必要性についてふれられていて、社会資本整備審議会建築分科会で用途変更で問題になる防火関連を中心とする議論をスタートさせているとのことです。次期通常国会建築基準法の改正案を提出したいとも語っていて、こちらも注視していきたい動きです。

住宅宿泊事業法

賛否両論がなかなかはっきりしている民泊(住宅宿泊事業)ですが2017年12月、今年6月の住宅宿泊事業法施行の適正な運営を図るため、住宅宿泊事業法施行要領(ガイドライン)が策定されました国土交通省の外局である観光庁のウェブサイトに住宅宿泊事業法についてまとまっています。

登記制度・土地所有権の在り方等に関する研究会

土地の所有者不明化に関しては、民法不動産登記法といった法律が時代錯誤になっている感が否めません。そこで2017年10月に法務省に発足した登記制度・土地所有権の在り方等に関する研究会では、土地の売買による所有権の移転に登記を不可欠とするか否か、相続登記の義務化、登記手続きの簡略化、所有権の放棄の可否などをテーマに議論がなされます

所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議

内閣官房が担当する「所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議」国土交通省法務省農林水産省など、所有者不明土地問題について関係する省庁が合同で問題解決にあたるための会議体です。所有者不明土地を公共事業などに利用できるようにする法案を通常国会に提出する方針とのことで今後の展開が注目されます。

  

<参考記事>
空き家対策はどうなっている?主な動きをまとめてみた - All About NEWS
空き家対策は「個」から「連携」へ。全国版空き家バンクなど注目される動きをみる
空き家問題を重視し法整備を推進、伊藤明子・国交省住宅局長|日経アーキテクチュア