空き家の活用で社会的課題を解決するブログ

空き家を活用することで新しい価値を生み出し、社会的課題解決へつなげる好循環をつくるために書いているブログです。

放置不動産の財産権をどこまで保障するのか問題

財産権は不可侵ではない

 限りなく使われていないような空き家や空き地って誰の物でしょうか。翻って空き家や空き地の所有権は誰なのか、という話ですが、一義的には所有者の物です。つまり個人や法人です。憲法29条1項では「財産権は、これを侵してはならない。」とある通り、私有財産制は制度として保障されています*1
 しかし、原則があれば例外もあるのが法律の妙です。憲法29条2項では「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」とあるように、財産権は不可侵な権利ではなく公共の福祉による制約を受ける性質が含まれています。

駒崎弘樹さんの提言「財産権の概念変更」

 以上を踏まえた上で、認定NPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹さんが改元に伴って非常に面白い未来予測記事を書かれています。平成元年に平成31年のテクノロジーや価値観の変化を想像できなかったように、令和元年である現在から令和が終わる年に起きているあらゆる変化は予測できるわけもないけれど、創り出したい未来の青写真は描くことができます。

f:id:cbwinwin123:20190507195723p:plain(出典:令和は、こんな時代にしたい | 親子の課題を解決する社会起業家│駒崎弘樹公式サイト
 その中で、空き家や空き地に関する言及がありました。

・耕作放棄地や空き家等は、一定年限を過ぎると共同体の元に還されるよう財産権の概念自体が変更される。それによって様々な未利用土地の権利問題がリセットされ、新たな開発が可能となる 
令和は、こんな時代にしたい | 親子の課題を解決する社会起業家│駒崎弘樹公式サイト

 放置された空き家や空き地は一定の条件を満たすと、地域のNPO的な組織に利用権が移り、地域や社会的課題解決のために活用される、または街の魅力向上に資する事業者に貸し出される、地域の人たちにとって便益となる場所へと再生される、場合によっては建物を解体し新築が建てられる、そのようなことを可能とする財産権の概念変更が行われる未来を私も希望します*2

不動産は必然的に公共性を帯びる

 建物も土地もどんなに誰かの所有物だとしても、究極的には公共性を帯びることになります。先祖代々の土地と言っても数百年。もっと長いスパンで考えると、土地を人間社会が所有するという概念が支配的な時代は一定の期間に過ぎないと捉えることもできます。不動産は一義的には個人の物だけれど根本的には次世代に引き継いでいく公共性を帯びるもの、という価値観への転換が今必要です。

私がこの問題を研究していて感じるのは、土地に対する人々の強い所有意識です。(中略)
土地は個人の財産ですが、同じものを生み出すことができないという意味で代替性がありません。だからこそ次世代にきちんと引き継ぐものである、という認識を持つ必要があると思います。
私たちの暮らしの土台であり国土である土地の公共的な側面を考えれば、自分の権利を主張するだけでなく、管理責任を負うことや、売買の手続き上、守るべきことも出てくるはずです。けれども私たちは、土地に個人の財産という側面ばかりを見てしまっている。
土木学会会長対談ー吉原 祥子氏

*1:参照:財産権の保障

*2:駒崎さんの記事はイケダハヤトさんの動画でも紹介されています