空き家の活用で社会的課題を解決するブログ

空き家を活用することで新しい価値を生み出し、社会的課題解決へつなげる好循環をつくるために書いているブログです。

「住のみ」から「職・住・育+α」へ

用途地域と用途制限

 まちなかは住宅が多いエリア、商業施設が多いエリア、工場が多いエリアと、大きく3つのエリアに分類されます。「用途地域」という都市計画法に基づく制度である建築できる建物の用途等を定めた地域が13種類が定められています。
 用途地域による建築物の用途制限について東京都都市整備局の資料が詳しいです。これを見ると、第一種低層住居専用地域では住宅や寄宿舎などとして以外はほとんど建てられないし活用できないことになっています。事務所にいたっては、第二種中高層住居専用地域からでないと建てられないし活用できないのが現状です。

f:id:cbwinwin123:20200225205119p:plain(出典:用途地域による建築物の用途制限の概要

吉祥寺エリアの用途地域

 これまた東京都都市整備局による都市計画情報インターネット提供サービスを使って、例として吉祥寺エリアの用途地域を見てみます。

f:id:cbwinwin123:20200225210939p:plain(出典:都市計画情報等インターネット提供サービス | トップ

 緑の部分が多いです。吉祥寺駅周辺はピンクです。大半を占める緑は第一種低層住居専用地域です。つまり、基本的には住宅しか用途として認められないエリアが広がっていることがわかります。

f:id:cbwinwin123:20200225211622p:plain(出典:都市計画情報 凡例

住宅団地の再生に向けて

 高度成長期やバブル期は郊外に35年ローンを組んで庭付き一戸建てを買い専業主婦を住まわせ家事や子育てを丸投げし、満員電車で長時間通勤して会社で長時間労働して寝に帰るという典型的な昭和のサラリーマンのワークスタイルには一定の合理性がありました。
 しかし現代は超高齢社会を迎え、人口減少の進行や夫婦共働き世帯の増加、予測を超えた少子化の加速化、終身雇用など日本的雇用システムの崩壊、子育てや介護など生活と仕事との両立、多様で柔軟な働き方の実現、ICTやテクノロジーの発達などを踏まえ、まちなかの用途地域のあり方について現代の状況やニーズに合わせて更新させていく必要があります。
 ちょうどタイムリーな国の動きとして、住宅団地の再生促進を目的とした改正地域再生法の施行があります。高度成長期を中心に大量供給された住宅団地の再生促進に向けて、住居専用地域においても事務所や店舗、福祉施設など住宅以外の用途へ特例許可を可能とすることなどを盛り込んだ「地域住宅団地再生事業」が創設されました。

f:id:cbwinwin123:20200225223923p:plain(出典:地域住宅団地再生事業について(概要版)

第一種低層住居専用地域でも住宅以外の用途活用が可能に?

 現在、内閣府は住宅団地の再生に関して政府による支援を希望する市町村を募集しています(2020年3月13日まで)。新しく創設された「地域住宅団地再生事業」を活かすも殺すも市町村次第ということですので、大きな広がりにつながりづらそうですが、今後の動きが注目されます。
 うまくいけば第一種低層住居専用地域でも「職・住・育+α」な空き家活用が可能になるのかもしれません。

「地域住宅団地再生事業」は、団地内にオフィスやコミュニティーカフェ、福祉施設などを入れることにより、職・住・育が近接し、多世代が安心して暮らせるまちへの転換を目指すもの。市町村が区域を定めて「地域再生計画」を作成し、国の認定を受けて協議会を置くことで、関係者のスピーディーな合意形成、事業実施の届け出や許認可の円滑化を図る。
住宅団地再生へ国が自治体支援、希望する市町村を募集|新・公民連携最前線|PPPまちづくり

f:id:cbwinwin123:20200225225143p:plain(出典:住宅団地の再生 - 地方創生推進事務局