空き家の活用で社会的課題を解決するブログ

空き家を活用することで新しい価値を生み出し、社会的課題解決へつなげる好循環をつくるために書いているブログです。

本屋の役割をアップデートしている本屋

変わる本屋の役割

 スマホの普及、Amazonなどネット通販サイトの台頭、電子書籍の広がり、人口減少…などを背景に本屋に求められる役割が変化しています。現に本屋の店舗数は2006年が14555だったのに対し2018年は9692と減少傾向が継続中です。
 モノからコトへという消費スタイルの変化をダイレクトに受けているともいえる本屋ですが、昨年からよく聴いているラジオ番組「アフター6ジャンクション」において先日、本屋特集が放送されていました

f:id:cbwinwin123:20200308073138p:plain(出典:今どきの本屋さんに聞く、書店のリアル【アトロク・本屋EXPO開催】

無人古本屋「BOOK ROAD」

 5名のイケてる本屋さんたちが出演していました。中でも野菜の無人販売所のような無人古本屋「BOOK ROAD」と、レンタルボックス型本屋「ブックマンション」を経営されている中西功さんの取組に注目しました。両方とも近所の三鷹、吉祥寺エリアで変わった本屋をやられているというコトで実際に行ってきました。
 まずは「BOOK ROAD」から。三鷹駅北口から徒歩13分、三谷通り商店街にある24時間営業の無人古本屋で、2坪という非常にコンパクトな空間に本とちょっと座ったりできる木箱、支払い用のガチャガチャマシーンが配置されています。

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実験的で遊び心あふれる

 カルチャーや政治、経済、ビジネス、アート、写真集など様々な本が陳列されていました。ガチャガチャにお金を入れることで購入できます。2坪という狭さ、無人、ガチャガチャによる決済など、実験的で遊び心あふれる感じが面白いです。

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 本好きである店主の中西功さんは蔵書が大量になってきたことや企業に勤めながら本屋をせ立させる方法を考えた結果、野菜の無人販売所をヒントに無人の古本屋というスタイルを導きました。無人ということで商品である本を盗まれるリスクが高いと思いきや、人目がある立地や店内に影の出ない作り、ガラス扉にした、など工夫しています。

newswitch.jp

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ブックマンション

 吉祥寺駅徒歩5分のバツヨンビル地下1階にある「ブックマンション」も、中西さんがクラウドファンディングを活用するなどして2019年7月にオープンしました。吉祥寺駅近の商業施設や飲食店が立ち並ぶ一帯という立地にあります。

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 個人が月額3,850円の使用料を払って棚を借り、自分の好きな本や売りたい本を販売しています。この棚一つ一つが小さな本屋といえるわけで、様々な趣向や切り口の棚があり、眺めているだけでもなかなか飽きません。

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水のように融通無碍に

 こちらの取材記事でブックマンション誕生に至った中西さんの発想が紹介されています。不動産や空間が先にあり、そこに合うコンテンツを入れ状況や環境に応じて変化させていく、という考え方は空き家活用する上でも参考になります。

これまで実店舗を展開する際にはやるべき事業が先にあり、それに合わせて店舗を探すというやり方でしたが、これからは面白い箱を見つけたからと、そこに水のように融通無碍なモノを入れ、状況に合わせて中身を変えていくというようなやり方があっても良いと思います
吉祥寺・ブックマンションが作る本のある空間、新しい不動産の使い方とは? | 住まいの「本当」と「今」を伝える情報サイト【LIFULL HOME'S PRESS】

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 現に、1回は月替りでカフェが入り、2階、3回はレンタルスペースにしていて、今後はどうなるかわからないそう。最初から使い方を決めておくのではなく、とりあえず走り出してからたくさんの人とアイデア出しをしながら可能性を広げていくことができます。

あらかじめ使い方を決めてしまうと、それ以上には使ってもらえないと中西氏。一般に不動産はオーナーがこういう業種に使って欲しい、これはダメなどと使い方を規定するものだが、そのやり方では可能性をシャットダウンするとも。「人ひとりが知っていることは限定的。その狭い世界で判断していては可能性を潰してしまうかもしれません
吉祥寺・ブックマンションが作る本のある空間、新しい不動産の使い方とは? | 住まいの「本当」と「今」を伝える情報サイト【LIFULL HOME'S PRESS】

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 500円以上買うと綿菓子がもらえます。なぜ綿菓子?!という感じですが、こういう一見無駄だと思われることがコミュニケーションのきっかけになったりします。

まとめ

 紙の本も買いますが基本的にはKindleにダウンロードすることが多いです。好きな著者だったり、興味のある分野だったり、ネットやラジオで紹介されていたり、面白い本の探し方は色々あります。わざわざ本屋まで足を運んで探す必要が薄れているからこそ本屋の役割のアップデートは必須です。
 著者などをゲストに呼んだイベントの定期開催やテーマごとにキュレーションされた棚づくり、カフェ空間の併設などまだまだ本屋の可能性は無限大です。ネットが発達するからこそ、そこでしか味わえない体験の価値が際立ちます。そういった本屋づくりの実験的実践は空き家活用やまちに開かれた場所づくりに応用できると思います。