東日本大震災で12万戸の住宅が全壊した
特に被害の大きかった宮城、岩手、福島の三県で合計12万戸を超える住宅が津波により甚大な被害を被りました。
特に岩手県・宮城県・福島県の沿岸部では、津波によって多くの住宅が流され、全壊戸数は宮城県で8万2,914戸、岩手県で1万9,107戸、福島県で2万1,247戸(いずれも4月10日現在)にのぼった。
避難者は40万人以上。現在も26万人が避難生活を続けています。
震災発生直後のピーク時においては避難者は40万人以上、〜中略〜復興庁によると、2014年3月13日時点の避難者等の数は26万3,958人となっており[11]、避難が長期化していることが特徴的である。
40万人の避難者ですから圧倒的に住宅の供給量が不足しました。
「応急仮設住宅」の建設はなかなか進まなかった
「3・11後の建築と社会デザイン」三浦展、藤村龍至編著によると、
当初7万戸の応急仮設住宅をつくる計画でしたが、津波によって土地インフラごと流されてしまいそもそも住宅を建てることのできる土地がないなど、震災後2ヶ月後の5月末の時点で2万5千〜2万6千戸に留まりました。
民間賃貸住宅を借り上げて仮設住宅として扱う制度も、最初の声かけは早かったが、国と県との調整に時間がかかり、まともに稼働しはじめのは6月中旬以降からだったそうです。
つまり、家を失った人は、震災後2、3ヶ月は避難所で生活するしかないという状況だったのです。
これは「応急仮設住宅」の問題点がまさに露呈したと言えます。第一の問題は仮設住宅の建設場所や間取りが被災者のニーズとはほぼ無関係に決まることです。
好立地におけるプレハブ建設用地の確保は権利関係の複雑さや時間的な制約などのため困難であることが多く、あまり便利ではない市街地外の場所に建設されることも多い。そのため、誰も入居を希望しない仮設住宅がしばしば発生する。また、多大なコストをかけて建設するのに、原則2年で取り壊すことになるのも非効率だ。
第二の問題は、過大な建設コストです。
阪神淡路大震災の際には、一戸当たり約350万円の財政負担があり、全体として1689億円もの支出があった。その後の恒久的な公営住宅の建設や民間住宅の補修支援など、住宅再建支援全体に支出された金額が8011億円であることと比較しても、プレハブ建設のコストは過大であると考えられる。
つまり応急仮設住宅は
- 建設に時間がかかる
- 利便性に欠ける
- 建設費用が過大
そもそも日本全体で700万、賃貸住宅だけで400万戸の空き家があるのに新築をどんどん建てるのはおかしいのです。
空き家を活用し「仮住まい」を提供するマッチングプラットフォーム『仮住まいの輪』が誕生!
震災後すぐに、かねてより「リノベーション住宅推進協議会」などで活動していた元リクルート住宅総研の島原万丈さんが中心となり、全国の空き家や空き部屋を被災者のために提供する情報マッチング・サイト「仮住まいの輪」が立ち上がりました。
東日本大震災復興支援を目的として不動産・建築業界関係者有志が立ち上げた、業界横断型ボランティアプロジェクト「仮り住まいの輪」。日本全国の既存住宅ストック、また空き床を活用し、家賃や入居費がかからない「仮住まい」を提供したい個人と、避難所を出て生活再建を目指したい被災者を結びつけるプラットフォームである。
業界横断型ボランティアプロジェクト【仮り住まいの輪】に新機能 | スーモジャーナル - 住まい・暮らしのニュース・コラムサイト
「仮住まいの輪」の特徴は、
- 物件はすべてオーナーの善意によって無料で提供される
- 賃貸住宅の空き室まるごとではなく、一部屋単位でオーナーに登録していただく
- 敷金・礼金・管理費無し
- 使用賃借という契約形態(個人的な信用をもとに結ぶ契約)
- 被災者の方たちは登録物件から希望に合ったものを検索することが可能
Amazon.co.jp: 3・11後の建築と社会デザイン (平凡社新書): 三浦展, 藤村龍至: 本
多くのマスメディアの紹介とツイッターなどのソーシャルメディアを使って迅速に機動的に立ち上がり、100組近くの入居が決まったそうです。
いつ起こるとも分からない巨大地震。空き家を「仮設住宅」として登録していただければ多くの被災者が助かることになります。
東京に【首都直下型地震】が来た時の恐怖のシナリオ - NAVER まとめ
空き家オーナーの皆さん、その空き家・空き室・空き部屋を”被災者のための”「仮設住宅」にしてみませんか?
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