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”空き家を子育て世帯の住宅に”子育て世帯への家賃補助で郊外の団地を再生【大分県大分市】(空き家活用事例紹介)

「家賃補助」で子育て世帯を呼び込む

 

昭和30~40年代の高度経済成長期、急増する宅地需要に応えるため郊外に大規模な住宅団地が開発されていきました。しかし現在は建物の老朽化や住民の高齢化が進み、空き家・空き室の増加に頭を悩ます団地が多いです。そんな団地の再生に向けた取組が大分県大分市で始まっています。(元ネタは富士通総研・上席主任研究員の米山秀隆さんの研究レポートからです)

 

住民の高齢化、建物の老朽化、そして空き家の増加といった課題が山積している数多くの団地の中のひとつである大分県大分市の「富士見が丘団地」。ここでは移住してくる「子育て世帯」向けに「家賃補助」をすることで団地の再生に取り組んでいます。

 

大分市では、高度成長期に造成された郊外の一戸建ての団地(富士見が丘団地)が高齢化して、空き家が増えていることに対応するため、同団地に子育て世帯(18歳未満の構成員がいる世帯)が住む場合、家賃の3分の2(上限4万円)を補助する仕組みを2011年度に設けた。

空き家対策の最新事例と残された課題 : 富士通総研

 

”家賃補助最大4万円”は大きいですね。実際に7世帯が入居して、子どもも生まれたそうです。

 

「固定資産税免除」でさらに子育て世帯を呼び込む

 

さらに、大分市のウェブサイトで紹介する「住み替え情報バンク」で空き家や空き地を購入した子育て世帯には固定資産税を3年間肩代わりする事業も始まりました。

 

また、大分市では、これに続く施策として2013年度に、同市の空き家バンクである「住み替え情報バンク」で中古住宅や空き地を購入した子育て世帯について、固定資産税相当額(土地分)を3年間補助する仕組みを設けた。

空き家対策の最新事例と残された課題 : 富士通総研

 

ちょっと素っ気ないウェブサイトですが「富士見が丘団地」の不動産情報を発信しています。でも2010年末には40戸あった空き家が2013年末には12戸にまで減ったそうで「家賃補助」や「固定資産税免除」、「住み替えバンク」の効果が出ています。

 

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画像引用元) 

 

モデル団地で「ふるさと団地の元気創造推進事業」

 

これらの取組は「ふるさと団地の元気創造プロジェクト」という”郊外型住宅団地”の再生に向けたプロジェクトの一環です。大分市では「富士見が丘団地」をモデル団地として「住み替え支援対策」以外にもさまざまな取組を始めています。どれも行政直営でやるよりNPOの領域な気がしますが。

 

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 (画像引用元

 

子育て世帯にとって団地に住むメリットとは?

 

子育て世帯にとって団地に住むメリットは何でしょう。家賃補助や固定資産税免除というのは非常に大きいのでそれ以外で。学校や病院やスーパーなどが近くにあったり、自然豊かで閑静な住環境、中心街への移動も車さえあればさして不便ではないといったところでしょうか。住宅自体のリノベーション(改修)も必要かもしれません。若い子育て世帯にとって間取りや設備をカスタマイズ出来たりすると人気が高まると思います。そしてとかく閉鎖的・排他的なイメージのつきまとう”団地コミュニティ”ですが、新しく移住してくる子育て世帯を歓迎している場合は居心地が良くなりそうです。

 

関連ウェブサイトはこちら。

[大分市]モデル事業 富士見が丘団地の空き家・空き地情報をお知らせします

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