高知市でシェアハウス「とさ古家」が設立
高知市で20代の若者が「空き家活用シェアハウス」の立ち上げを計画していることを以前書きました。あれから空き物件の確保、契約、そして大掃除の実施など着々と前進しています。東京から高知に移住されたプロブロガー・イケダハヤトさんのブログで紹介されています。
先日「空き家活用シェアハウスプロジェクト「高知家(貸)計画」がスタート!」という記事を書きましたが、なんと早速空き家が見つかりシェアハウスにすることが決まったということで、物件の掃除に行ってきました。
高知市内で、イオンモールの近くという好立地。物件は驚異の6DK。家具付き物件で、しかも家賃は激安…。東京では考えられない価格のシェア物件です。
おばあちゃんの家、という感じで心が休まります。築年数は40年ほどと伺いました。
シェアハウスの名前は「とさ古家」。高知市の中心街とも近く、部屋も広く、家賃も激安ということで市内で働く・学んでいる若者とかにはきっとうってつけの物件だと思います。
【とさ=土佐】高知は土佐と呼ばれることもあります。そのうえ、住人三人が元々住んでいた土佐市から取りました。
【古家】この家は築40年。柱や家具のいたるところから歴史を感じます。大広間の存在感もありますし、古家がふさわしいかなと。
シェアハウス「とさ古家」の”みっつのモノ・コト作り”
現在は3名の男性が入居していて今後、面白い人がいたら1〜2名追加することも考えているそう。そして「とさ古家」が取り組む”みっつのモノ・コト作り”の今後の展開が楽しみです。
- 若者たちで畑づくり=40坪の庭を開拓して色々育てます! 柿やレモン、ミカンやビワといった果物もありますよ。県内の方にプレゼントも考えてます。
- 古家・古民家ネットワーク開拓=高知の趣ある古家を訪ねてレポートします。食が豊かな高知ならではの古民家を探していきます。今は、土佐山田の産木堂にとても興味があります。
- 空き家オーナー向けマッチングコンサル=これは妄想段階ですが、空き家の様々な利用方法を調べて、地域の方と顔を突き合わせて紹介できるようになりたいと思っています。
どれも面白そうですが特に「空き家オーナー向けマッチングコンサル」が気になります。空き家が増加している一方で住宅困窮者の存在や空いたスペースを必要としている人がいます。空き家を放置する理由の7割は「なんとなく」という空き家オーナーさんに対してメリットがあって有効な空き家活用方法を提示できれば、空き家を新しいサービスや付加価値を創出する場として活用する余地が生まれます。
<合わせて読んでほしい:空き家の8割は活用可能な状態だけど空き家オーナーの7割は空き家を放置 - 空き家の活用で社会的課題を解決するブログ>
空き家活用の先進事例はたくさんあるので、こういった情報をワンストップで上手く伝えられればいいなと思います。
★空き家をIT企業のサテライトオフィスにリノベーションしている事例
”空き家をサテライトオフィスに”NPO法人グリーンバレーによる「創造的過疎」のまちづくり・徳島県神山町(空き家活用事例紹介) - 空き家の活用で社会的課題を解決するブログ
★空き家を図書室として地域に開放している事例
”空き家を図書館に”コミュニティスペースとしての図書館で生まれるつながり(空き家活用事例紹介) - 空き家の活用で社会的課題を解決するブログ
★空き家を母子家庭専用シェアハウスにしている事例
”空き家を母子家庭専用シェアハウスに”シングルマザー108万人(2010年)の住環境を整える(空き家活用事例紹介) - 空き家の活用で社会的課題を解決するブログ
★空き家をギャラリーにしている事例
”空き家を週末ギャラリーに”出雲大社で参拝した後は近所の「ギャラリー記田屋」で島根の工芸品を眺めながらお茶しよう(空き家活用事例紹介) - 空き家の活用で社会的課題を解決するブログ
高知県への移住者発掘イベント「知事コン」とは?
高知県の知事って面白い方で「知事コン」というユニークなイベントが今年6月に行われました。「高知を元気にする移住者発掘プロジェクト」ということで移住したらこんな取組をします!という提案を知事にプレゼンするというコンペです。そして注目なのが賞品が「知事の隣の席で高知に行ける航空券」と「空き家一軒」という。空き家はNPO法人土佐山アカデミー提供で、改修が必要な状態ですが1年分の家賃は無償ということで、高知で事業立ち上げとか”何かを起こしたい”人にとっての生活や仕事の拠点として活躍することになります。
(画像引用元)6人のプレゼンテーターはデザイナー、国家公務員、ビデオジャーナリスト、サンフランシスコ在住のコンサルタントなど多彩な面々。
無償提供される空き家は要改修ということですが、改修に使える工具などは借りられます。NPO法人土佐山アカデミーがコーディネートしているそうで、空き家仲介NPOの存在の重要性を感じます。
<合わせて読んでほしい:旧東ドイツの都市ライプツィヒの空き家仲介NPO「ハウスハルテン」と空き家再生プロジェクト「日本の家」に学ぶ(空き家活用海外事例紹介)前編 - 空き家の活用で社会的課題を解決するブログ>
(画像引用元)NPO法人土佐山アカデミーが「DIY空き家改修」をサポート。
空き家を格安でレンタル&改修して使うというスタイル
いざ空き家を誰かに貸そうというときに貸主からすると修繕や改修が必要で、費用面がかなりの負担になるというケースは多いと思います。方や借主から見てもかっちり用途や仕様が定まった物件だと自分好みの内装や間取りにカスタマイズすることができなくて不満といった声も聞かれます。
ならば、借主が改修を引き受ければ貸主の改修費用負担はなくなります。その代わり、借主がDIYで改修する分、自分好みにカスタマイズを自由に行うことを貸主に了承してもらえばいいのではないか。
こうした考えで「借主負担DIY型の賃貸借契約」の指針が国土交通省から発表されています。京都市内でアーティストの居住・制作・発表の場として空き家(京町家)を活用している「東山アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)」では当然のごとく”DIY空き家改修”を行っています。
”増加する空き家を格安でレンタル&改修して暮らす”というスタイルは5年後、10年後くらいには今よりももっと定着して当たり前になっているんじゃないですかね。
ただし、地方は「賃貸物件を借りる」という選択肢以外に、「空き家を改修して暮らす」という方法もあるので、家賃に関しては自由度が違いますね。今日出会った方も格安で空き家をレンタル・改修して暮らしていると伺いました。
— イケダハヤト (@IHayato) 2014, 7月 24
高知を空き家活用先進地域へ
空き家活用シェアハウスに取り組む若者、東京から高知に移住して高知の魅力を全国に発信しているイケダハヤトさん、空き家一軒をまるごとプレゼントするという思い切ったことが出来る高知県知事、そして空き家活用の仲介などのサポートを行うNPO法人土佐山アカデミーなど役者は揃っています。今後、高知の空き家活用が盛り上がっていきそうな予感です。
ぼくも引っ越してきて2ヶ月経ってませんが、空き家情報をちらほらいただいています。そろそろ?本格的に空き家探しを始めようと思っています。
「ネット環境が一応あって、畑も付いているそこそこいい状態(修繕すれば住めるレベル)の古民家」とか憧れているので、車を調達したら空き家探しをします。空き家なら家賃をだいぶ抑えられますし、地域にも価値を提供できるでしょうしね。
関連記事はこちら。
イケダハヤトさんが移住した高知で「空き家活用シェアハウスプロジェクト」が始まっている! - 空き家の活用で社会的課題を解決するブログ
その空き家、シェアハウスとして活用してみませんか?(空き家活用事例紹介) - 空き家の活用で社会的課題を解決するブログ
関連するみんなの記事はこちら。