空き家を活用して漫画家のデビューを後押し
「トキワ荘」をご存知ですか?手塚治虫を筆頭に後世に名を残す漫画家たちが育っていった場所です。つまり”漫画の聖地”です
「トキワ荘」とは、かつて東京・豊島区に実在した木造アパートの名称で、手塚治虫や藤子不二雄、石森章太郎、赤塚不二夫など、数多くの著名な漫画家を輩出したことで知られる。
【トキワ荘プロジェクト①】空き家をシェアハウスとして活用。漫画家志望の若者を支援する | 住まいの「本当」と「今」を伝える情報サイト【HOME'S PRESS】
この「トキワ荘」を点在する空き家を活用して各地で作ってしまおうという取組をご紹介します。その名も「トキワ荘プロジェクト」!2006年8月からNPO法人NEWVERYが運営しています。
(画像引用元)YouTube動画より。
入居者(漫画家の卵)の家賃負担を減らす
まず漫画出版の90%以上が東京で行われているので、地方在住のプロ漫画家になりたい人は東京に出てこないといけません。しかし東京は家賃が高い。アルバイトをしながら生活費を稼ぎ、残りの時間で漫画を描くわけですが、生活費を稼ぐためにアルバイトに注力せざるを得ないのが実情です。
菊池さん(トキワ荘プロジェクト・ディレクター) まず地方在住のプロ漫画家になりたい人は東京に出てこないといけないですね。漫画出版の90%以上が東京で行われていますので。そこで一番問題になるのは住むところです。具体的に言えば「家賃」です。月々の金額だけでなく、敷金、礼金、不動産屋の手数料などの初期費用がとても掛かります。
そこで本気でプロ漫画家になりたい人のために安価でシェアハウスを提供しているのが「トキワ荘プロジェクト」です。現在、都内近郊と京都に合計25棟の「トキワ荘」が活躍しています。
(画像引用元)水道高熱費やネット接続料金込みで家賃は4万〜5万円。6畳間。キッチンやトイレ、風呂などは共用なので自分で揃える必要はない。シェアハウスならではのメリットですね。
家賃負担を下げればその分、漫画を描く時間を増やすことが出来ることがポイントです。
菊池さん 東京は家賃が高いですから、その負担を減らせば、その分アルバイトをする時間が減って漫画に専念できるわけです。部屋が安いだけで意味があるということですね。
切磋琢磨出来る環境
家賃の安さに加え、同じ志しを持った仲間がいることで相談や情報交換が出来たり、良い刺激を相互に与えて切磋琢磨出来る環境が整っています。
菊池さん 「プロ漫画家になりたい」という同じ志を持っている人が一緒に住んでいることのメリットはとても大きいと思います。情報を共有したり、助け合ったりできます。何よりも、プロを目指している自分が、周囲のデビュー済みの人間と比べ、自分の位置を知り、自分に何が足りないのか気付けることが大きいと思います。
漫画のためのイベントや講座
「MANZEMIプロ講座」ではプロ漫画家を講師に招いて講座を行ったりしています。「数十年、マンガでメシを食っていいくために地力をつける」ことをテーマとした連続講座だそうです。
ほかにも様々なイベントを通してプロ漫画家や編集者との関わりがあるそうです。
トキワ荘プロジェクトとは - トキワ荘プロジェクト - あなたの才能に必要なのは、〆切です。
新たな漫画文化の発信地になりつつある京都にも展開
2013年8月、もともとは西陣織の工場だったという築140年余りの京町家を活用して「京都版トキワ荘事業」がスタートしました。
(画像引用元)京都市では「町家の保全」が重要課題ということもあって「京都版トキワ荘事業」は京都のまちづくりにも貢献しています。
なぜ京都なのか?その理由は、編集者・出版社といった”漫画産業”は東京に集中していますが、大学での”漫画教育”は京都に集中しているということが背景にあります。
現在、京都市内には京都精華大学、京都造形芸術大学、京都嵯峨芸術大学の3校がマンガ学部や学科を設け、院生を含め計1,100人ほどの学生がその教育を受けている。日本はもとより、マンガを学びたいという海外からの留学生も多く世界一のマンガ教育都市として、京都がその地位を確立しているのだ。
【トキワ荘プロジェクト②】京都・町屋の未来と若者の夢を支援する新たな挑戦 | 住まいの「本当」と「今」を伝える情報サイト【HOME'S PRESS】
デビューの定義=「漫画雑誌への掲載・連載」
これまで入居した人数は約340名でデビューした漫画家の人数は41名です。漫画家になるって相当な難関だと思うので、この実績は相当すごいことだと思います。
(画像引用元)
インターネット・SNS時代の漫画産業は今後どうなる?
イケダハヤトさんから「プロブロガー」の肩書きを受け継いだ?らふらくさんのブログでは出版社に依存せざるを得ない現状の仕組みから独立することを、具体的には漫画作品とブログの両面からマネタイズしていくスタイルを提唱されています。
今後、漫画家は出版社から独立して作品を売っていく必要があります。
もう、紙は売れなくなっていきます。
食える漫画家と食えない漫画家の格差はどんどん広がっていきます。
紙の世界で戦っていくのはしんどいです。
そこで、有効なのがまだ先行者も少ないセルフ電子出版なのです。
セルフ電子出版であれば、まだ旨みを得られる余地はあります。
さらに、電子出版のノウハウをブログに希少価値の高い情報として残しておけば、先行者としての認知度を上げらます。
また、そのブログにはニーズがありますので、うまくマネタイズしていけるはず。
これからは別に東京に出てこなくても、そして出版社に頼らなくてもインターネットやSNSを使って自分で作品を仕上げてセルフ電子出版するというスタイルがじわじわと広がって行きそうです。
![マンガで食えない人の壁 マンガで食えない人の壁](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51Rr7ZoJYTL._SL160_.jpg)
- 作者: NPO法人NEWVERY内トキワ荘プロジェクト,園田ゆり
- 出版社/メーカー: NEWVERY
- 発売日: 2012/02/29
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 5回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
![マンガでメシを食っていく!― 漫画家のキャリアプラン マンガでメシを食っていく!― 漫画家のキャリアプラン](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41RpqOSvVIL._SL160_.jpg)
- 作者: NPO法人NEWVERY内トキワ荘プロジェクト,西村ツチカ
- 出版社/メーカー: NEWVERY
- 発売日: 2011/06/04
- メディア: 単行本
- クリック: 16回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
関連記事はこちら。
”空き家をサテライトオフィスに”NPO法人グリーンバレーによる「創造的過疎」のまちづくり・徳島県神山町(空き家活用事例紹介) - 空き家の活用で社会的課題を解決するブログ
”空き家活用で学生や子育て世代に住んでもらう街に”坂の街・横須賀市谷戸地域のまちづくり(空き家活用事例紹介) - 空き家の活用で社会的課題を解決するブログ
トキワ荘プロジェクト - あなたの才能に必要なのは、〆切です。
【トキワ荘プロジェクト①】空き家をシェアハウスとして活用。漫画家志望の若者を支援する | 住まいの「本当」と「今」を伝える情報サイト【HOME'S PRESS】