マチノヨハク

空き家を活用して新しい価値をつくる

横須賀市谷戸地区の空き家活用のメリットは「自然に囲まれた環境」「駅から近く」「家賃も安い」

海が見える眺望、自然環境豊かな谷戸地区

 

今、佐々木俊尚さんの「キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)」を読んでいます。そんな佐々木俊尚さんが(おそらく東洋経済オンラインの空き家問題の記事を見て)興味深いを投稿をされています。 

 

 

横須賀市の谷戸地区は明治初期に軍港関係者が入居する際に開発された軍港の街として栄えてきました。長い階段や細い路地が入り組んでいて、約半分の建物は車が横付けできない(谷戸地域内の建物の45.7%は車の横付け不可)ため歩きで登り降りしないといけません。言わずもがな空き家が増加中です。

 

f:id:cbwinwin123:20140822163745p:plain画像引用元)横須賀港を見下ろすいい眺めが楽しめます。

 

しかし佐々木俊尚さんもおっしゃるように見方を変えれば、素晴らしい眺望と緑に囲まれた環境はなかなか得難いと思います。

 

 谷戸地区は若者やITベンチャー企業にとっては魅力!

 

横須賀市では子育て世代や大学生など若い世代の居住促進に取り組んでいます

 

市はさまざまな対策を打ってきた。空き家解体費用の一部助成のほか、県立保険福祉大学の学生が空き家に入居する際に家賃を補助する事業など。そして今春から始めたのが空き家バンクだ。稲荷谷戸にある空き家の情報を市のホームページに掲載して、売り手(借り手)と買い手(貸手)をマッチングする。谷戸地区は自然に恵まれ、眼下に海が広がるなど眺望もいい。そうした点をアピールして若い世代を呼び込もうという狙いだ。

横須賀市で限界集落が生まれた理由 | トレンド | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

 

東洋経済オンラインの記事では谷戸地区に入居してきた若者2人が紹介されています。作業療法士の31歳の男性は高齢者を含めたコミュニティ作りに関心があるということで、今年7月から約10畳の1Kの空き家に月3.9万円で住み始めました。

 

「谷戸は静かで涼しく、作業に集中できる。周りの方々も受け入れてくれた」(森島さん)。先日は近隣の住民と焼き肉パーティも行った。

横須賀市で限界集落が生まれた理由 | トレンド | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

 

スマホ向けアプリなどを手がけるITベンチャーの経営者の38歳の男性は今年8月から谷戸地区の空き家を開発拠点として利用し始めました。空き家は延べ床面積約110平方メートル、月6.9万円です。

 

相澤さんは横須賀市の出身。「アプリ開発は場所をいとわない。横須賀が衰退していると聞いて、少しでも地元に貢献できればと思った。ベンチャーが空き家を利用すれば、産業振興にもつながる」(相澤さん)。

横須賀市で限界集落が生まれた理由 | トレンド | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

 

「ヨコスカバレー構想」空き家にベンチャー企業を呼び込む

 

横須賀市では情報通信関連産業の振興を図る「ヨコスカバレー構想」を立ち上げました

■ヨコスカバレー構想キックオフセミナーを開催しました!■ | 吉田雄人 公式サイト

 

岐阜県に本社があるタイムカプセル株式会社が谷戸地区の空き家を開発拠点として事業所兼住居として活用しています。

 

「坂や階段はあるが、駅から近く家賃も安い。初期投資も少なくて済む。若いクリエーターにとって、自然に囲まれた環境はいい刺激になる」。相澤さんは「谷戸は新しいビジネスが生まれる場所になりうる。逆転の発想で、新しい働き方の提案ができれば」と話す。今後は、市内でアプリ開発の講座なども行っていく予定だ。

バレー構想で市内初進出 | 横須賀 | タウンニュース

 

谷戸地区は長崎や尾道など日本全国各地にあります。今後、谷戸地区の空き家活用のロールモデルになっていくと思います。

 

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