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空き家を活用して新しい価値をつくる

空き家活用事業の公開プレゼンを聞いてきた「NPO法人ちば地域再生リサーチ」(千葉市恊働事業提案制度)

恊働事業提案制度とは?

 

千葉市の熊谷市長のツイートで空き家活用の公開プレゼンがあるとのことで行ってきました。千葉市中央コミュニティセンターへ。

 

 

恊働事業提案制度とは要するに”千葉市が設定する社会的課題の解決に向けてNPOや民間企業の事業提案を募集する”というものです。今年度は「地域コミュニティ形成のための空き家有効活用に関する支援」という社会的課題が設定されて、提案を出したNPO法人ちば地域再生リサーチによる公開プレゼンが木曜日に行われました。

千葉市:協働事業提案制度 事業改善型提案及び課題解決型提案を募集中 

 

空き家実態把握と活用検討の支援事業

 

提案の内容としては”海浜ニュータウン(美浜区)を対象地区として、管理組合、町内会と連携し、空き家の「実態把握の支援事業」と「活用検討の支援事業」を行う”というもので、さらに”そこで得られた知見やノウハウを千葉市全体にスケールアウトしていく”ということです。

 

団地の高齢化は全国共通の課題ですから当然、空き室も増加傾向で、単身高齢者の孤立という問題も発生しています。空き室に子育て世帯の入居を促したり、コミュニティスペースをつくったり、クリエイティブな取組の場所として使ったりと空き室の活用のアイデアは膨らみます。

 

公開プレゼンだったのでプレゼン資料を本ブログでご紹介させていただきます。

 

空き家実態調査の支援

 

NPOが前線に出て空き家実態調査をするというよりも、マンション団地の管理組合や自治会といった地域住民が主体となることが想定されています。外観目視で、例えば”電気メーターが動いていない”とか見れば空き室なのかどうかはすぐわかると思います。ただ、一住民がマンション内をウロウロして電気メーター見るっていうのも不審者だと思われるなど、なにかとやりにくいと思うのでNPOや行政と連携することで信頼性を上げるということですね。空き家の所有者を探す場合、役所に整備されてある税務台帳に情報が網羅されているので、空き家所有者の連絡先は行政との連携することでスムーズに手に入ると思います。

 

2番目の不動産価値の把握については建築士や不動産鑑定士といったプロの目が必要になってくると思います。地元の工務店や不動産屋さんとの連携も必要ですね。

 

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空き家活用意向調査の支援

 

空き家の実態把握が済んだら今度は空き家所有者に意向調査です。活用事例をたくさん示して「こんな活用法もあるんだ」と思わせるような感じでやりたいところですね。

 

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空き家活用イメージの共有

 

公開研究会やワークショップの開催ということで空き家所有者・地域住民主体を軸に海浜ニュータウンにとって魅力的な空き家活用の取組を生み出すためのファシリテーターとしてNPOが機能するような感じだと思います。山崎亮さんのコミュニティデザインのやり方のような。

 

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空き家活用情報の発信

 

セミナーの実施や連絡会の設置というと行政っぽくて疾走感が無い感じもしますが、海浜ニュータウンの空き家活用をモデルとして市内全域に情報発信していくことは重要です。インターネットやSNSを活用して取組を可視化していくことが出来ます

 

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空き家仲介NPOの存在意義

 

空き家活用の取組をコーディネートしていく中間組織であるNPOの存在はとても重要です。NPO法人ちば地域再生リサーチはニュータウンの活性化などを目的として2003年8月に千葉大学の教員5名によって設立されたNPOです。やはりこういったNPOが地域や多様な社会的課題にピンポイントで解決に取り組む意義はとても大きいです。行政が直営でやるとどうしても画一的だったり無駄が生じたりするので、事業型NPOがビジネスとして空き家活用に取り組んでいくことが継続性のある質の高い空き家活用に繋がると思います。

 

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公開プレゼンといいつつも聴講者は全然いませんでした。民間団体が催せばもっと華やかなんでしょうが。無機的な感じでしたがまだまだ行政の空き家活用の取組は微妙なので、今回のような恊働事業提案は一歩前進だと思います。

 

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