マチノヨハク

空き家を活用して新しい価値をつくる

都市部は共同住宅の空き家が多く、地方部は戸建ての空き家が多い

前のブログで都市部は賃貸用の空き家が多く、地方部は持ち家の空き家が多いことを書きました。今回も5年に1回行われる総務省「住宅・土地統計調査」から空き家の特徴を見ていきたいと思います。

 

戸建て55%、共同住宅45%

 

最新の住宅・土地統計調査(2013年10月1日時点)によると全国の総住宅数は6,063万戸(空き家含む)で、そのうち居住世帯有の戸建てが2,860万戸(54.9%)、共同住宅は2,209万戸(42.4%)と若干、戸建てのほうが多くなっています。

 

しかし、増加幅が顕著なのは共同住宅です。過去30年間の増加率を見ると戸建ては1.3倍なのに対し共同住宅は2.4倍も増加しています。

 

f:id:cbwinwin123:20140906192043p:plain

画像引用元

 

都市部はそもそも共同住宅が多い

 

東京都の総住宅数は735万戸(空き家含む)で、そのうち居住世帯有の戸建てが179.7万戸(24.4%)、共同住宅は452.6万戸(61.5%)です。同じく都市部の大阪府の総住宅数は388.2万戸(空き家含む)で、そのうち居住世帯有の戸建てが158.1万戸(40.7%)、共同住宅は214.3万戸(55.2%)です。

 

このように総住宅数1位の東京都と2位の大阪府では半数以上が共同住宅です。

 

地方部はそもそも戸建てが多い

 

空き家率トップの山梨県の総住宅数は32.7万戸で、そのうち戸建てが24.3万戸(74.3%)、共同住宅は7.8万戸(23.8%)とかなり戸建てに偏っています。さらにイケダハヤトさんが移住したり20代の地元若者がシェアハウスを立ち上げている空き家率3位の高知県の総住宅数は32.1万戸。そのうち戸建ては22.4万戸(69.7%)、共同住宅は8.8万戸(27.4%)と、こちらも戸建てに傾いていますね。

 

以上、地方部の住宅は6、7割が戸建てです。

 

必然的に都市部は共同住宅、地方部は戸建ての空き家が多い

 

絶対数がそもそも多いので都市部は共同住宅の空き家が、地方部は戸建ての空き家が多いです。現在、最新の住宅・土地統計調査では全国と都道府県の空き家総数は数字が出ていますが、戸建て・共同住宅まで内訳された数字はまだ公表されていません(現在は速報集計結果のみ公表。来年2月頃までに順次公表される予定。)。なので前回調査(2008年)の数字を使って、上記4都府県の戸建て・共同住宅のざっくりとした数字と比率を試算してみます。

 

<2008年10月1日時点の戸建て・共同住宅の空き家数>

 

★全国

空き家総数:756.8万戸

戸建ての空き家数:250.4万戸(木造95%)→33%

共同住宅の空き家数:462.3万戸(非木造78%)→61%

全国的に見ても共同住宅の空き家のほうが多いです。

 

★東京都

空き家総数:75万戸

戸建ての空き家数:10万戸(木造92%)→13%

共同住宅の空き家数:63.3万戸(非木造75%)→84%

東京都では8割の空き家が共同住宅でした。

 

★大阪府

空き家総数:62.5万戸

戸建ての空き家数:11.6万戸(木造92%)→18.5%

共同住宅の空き家数:44万戸(非木造81%)→70%

大阪府でも7割の空き家が共同住宅です。

 

★山梨県

空き家総数:8万戸

戸建ての空き家数:4.2万戸(木造97%)→52.5%

共同住宅の空き家数:3.6万戸(非木造79%)→45%

山梨県ではどちらかというと戸建ての空き家のほうが多いです。

 

★高知県

空き家総数:6.3万戸

戸建ての空き家数:3.4万戸(木造95%)→54%

共同住宅の空き家数:2.5万戸(非木造84%)→40%

高知県もどちらかといえば戸建ての空き家のほうが多いです。

 

最新の調査(2013年10月1日時点)ではこの数字よりも戸建て・共同住宅の空き家ともに数万戸増加している感じです。加えて言うと戸建ては木造が多く、共同住宅は鉄筋コンクリートや鉄骨造などが多いこともわかりました。

 

関連記事はこちら。

都市部は賃貸用の空き家が多く、地方部は持ち家の空き家が多い - 空き家の活用で社会的課題を解決するブログ

「空き家問題」は地方に限らず大都市部も含めた日本全体の社会的課題 - 空き家の活用で社会的課題を解決するブログ

統計局ホームページ/平成25年住宅・土地統計調査調査