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空き家を活用して新しい価値をつくる

国立市空き家活用フォーラム「空き家でまちをおもしろく!」レポート(前編)

空き家フォーラムに参加

 

申込不要ということで東京都の国立市役所で開かれた空き家フォーラムにふらっと参加してきました。前半は空き家問題の背景や活用するに当たっての課題などについての講演。後半は参加者の方々とのグループセッションです。

 

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画像引用元

 

前半の講演会の講師は浜銀総合研究所研究員の豊田充さんと東京市町村自治調査会研究員の古川拓郎さん。ぼくは後半のグループセッションからの参加だったので前半部分は資料から抜き出してご紹介していきます。

 

空き家問題の発生メカニズム

 

まずは東京市町村自治調査会が発行された「自治体の空き家対策に関する調査研究報告書」の中から空き家の発生状況や空き家がもたらす問題などのお話がありました。そしてわかりやすい図がこちらの「空き家問題の発生メカニズム」です。

 

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自治体の空き家対策に関する調査研究報告書 | 公益財団法人 東京市町村自治調査会p28

 

住宅がどのようなプロセスを経て空き家化し、管理が行われなくなり、不適正管理空き家や老朽危険空き家になっていくかがわかりやすく示されています。つまり、世帯数よりも住宅数がそもそも多いという「住宅の需給バランスの不均衡」と相続が滞るといった「個別住宅の空き家化」、そして様々な要因が絡み合って放置や不適正管理につながるという「不適正管理空き家の老朽化」へと負の連鎖が起こっているというのが空き家問題の発生メカニズムです。

 

「住宅の需給バランスの不均衡」に関しては不必要な新築住宅建設は抑制し、中古住宅の資産価値を上げて流通を促進していく必要があります。

参考記事:必要以上に新築を造りすぎる理由は「日本の新築住宅建設は景気対策の道具だから」(そもそもなぜ空き家が増えるのか?)

 

「個別住宅の空き家化」「不適正空き家の老朽化」に関しては空き家になる前に予防的に所有者さんが主体的に動くことが一番です。子供が相続した住宅をしっかり活用出来るならまだしも、子供は皆都市部に住んでいるということであると、相続しても住宅を使う人を誰にするかが問題になってきます。とりあえず1年間だけは賃貸に出すとか、空き家になる前に市場にどんどん出していくことはメリットが大きいと思います。誰かが住宅を使っていれば建物の劣化のスピードも遅くなりますし、もし入居者が面白いことをやっていたり信頼出来る人であれば契約を更新してもいいわけだし。

 

 

地域で取り組む空き家の活用

 

次に浜銀総合研究所豊田さんの資料からです。なぜ空き家を「地域」で考える必要があるのかという点について。空き家化→老朽化→環境悪化→人口減少という負のスパイラルにはまってしまう前に早期発見・早期対策が重要と説きます。そして、私有財産である空き家に対し行政だけの力では限界があるので「地域」が重要なプレイヤーとして期待されます。そこで重要な着眼点が「エリアマネジメントによる空き家の有効活用」です。

 

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富山県高岡市の空き家活用推進協議会、京都市の地域連携型空き家流通促進事業、東京都世田谷区の空き家等の地域貢献活用モデル事業などが紹介されていました。ここら辺の詳細はまた今度書きたいと思います。

 

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