大森ロッヂ
先日参加した「リノベーションまちづくり塾@豊島区」第1回レポートのpart4を書きます。
part1:リノベーションまちづくりって何?
part2:リノベーションとは老朽家屋の原因療法だ
part3:物件のコンテクストを編集する
まずは東京都大田区の下町風情を残す大森町にある、約300坪の敷地に建つ築40年の8棟の木造住宅群をリノベーションした「大森ロッヂ」です。全8棟のうち、6棟が長屋タイプの賃貸住宅(全12戸)で、残る2棟には大家さんの親族が居住されているとのこと。
木造リノベ街角プロジェクト「大森ロッヂ 残暑祭り2014」で流しそうめんしてきた | ねんざブログ
そもそも大森町周辺は昭和30年代から40年代にかけて高度経済成長する中、蒲田の町工場で働く人たちや大森海岸で取れた海苔の食品加工に携わる人たちなどの受皿として多くのアパートが建てられたそうです。
昭和の木造アパートをリノベしたら(1) - Peachy - ライブドアニュース
リノベーションする前は風呂無しだそうで、現代の人にとっては住みづらい。ならば建て替えようとなりがちですが、大家の矢野さんは「古い建物を他の賃貸とは違う価値観で再生していこう」と考えたそうです。
矢野さん 老朽化した時に、通常一番安易な方法は、建替えてしまうことだと思うが、私自身が自分の気持ちや感性に正直に暮らしてみたいと思っており、ハード面は風や緑や土などの環境が好きであるということ、それとそこに育まれていく人の触れ合いがないといけない、その2つの観点から残していきたいと思った。あと、やはり街並みがどこに行っても同じものになってしまうことに非常に疑問に思っているので、そういった観点からリノベーションでやってみようということにした。
そしてブルースタジオの天野さん設計による木造賃貸再生アパート「大森ロッヂ」として生まれ変わります。天野さんはその後独立し、住人となり管理人も兼任されるという。
天野さん 建物自体に何か価値があるというものではなく、この場に流れている歴史的な背景や空気感や距離感というものが大森ロッヂの心地よさである。
ドア、すりガラス、丸太のはりなど古いものを「チャームポイント」として活かしながら、耐震補強の工事も施し、安全性や衛生面の問題もクリアしていったそう。
昭和の木造アパートをリノベしたら(1) - Peachy - ライブドアニュース
再生のコンセプトは、vernacular ( 土着的な )と handmade。無理に新しいデザインを足すのではなく、既存の建具、金物など、利用できるものは極力活かし、なるべく手を加えない。梁はあえて見せ天井を高くして、居室空間の最大化を図る。また設備面では新築の木造と同じ耐震性になるように、しっかりと耐震補強工事を行う。外観は古いままだが当たり前の耐震性と快適性は求めていく。
地主大家の新潮流。木造アパート再生プロジェクト:大森ロッヂ。 大家列伝 大森ロッヂさんの不動産投資コラム11話【健美家】
夏祭りの動画を見つけました。楽しそうな雰囲気が伝わってきます。
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