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リノベーションまちづくり塾@豊島区第1回レポートpart6

田中衡機ビル

 

「リノベーションまちづくり塾@豊島区」第1回のレポートpart6です。ラストです。今回は水道橋にあるバブル期に建てられたオフィスビルをリノベーションした事例の紹介記事です。

 

東京都千代田区、神田三崎町にある築26年(1987年築)の鉄骨鉄筋コンクリート造7階建て賃貸オフィスビル「田中衡機ビル」のリノベーションを行ったブルースタジオ。”専用部に当てるコストを共用部に集中させたバリューアップ”がポイントのようです。本来テナント仕様だった1階を賃料の取れないエントランスラウンジにあえて刷新。これがすごい人目を引きます。その結果、建物全体の価値を引き上げました。

 

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東京・水道橋の中規模オフィスビルをリノベーション/ブルースタジオ|R.E.port [不動産流通研究所]

 

周囲に老朽化したテナントビルが建ち並ぶなかにあって、ガラス張りが際立つエントランスラウンジは街に落ち着いた雰囲気をもたらすギャラリー仕様とし、近隣住民が訪れやすい憩いの空間設計に。1・4・6・7階は長期空室が続いていたが、竣工前に全室の申し込みを受けた。

東京・水道橋の中規模オフィスビルをリノベーション/ブルースタジオ|R.E.port [不動産流通研究所]

 

雑然とした中小ビルが並ぶエリアだからこそ1階の誰もが通りすがりに見えるフロアを、ガラス張りの明るいエントランスホールにすることで景観が良くなります。

 

ビルを所有する株式会社田中衡機工業所は1903年(明治36年)に金物の産地として有名な新潟県三条市を拠点に創業した老舗の秤制作会社です。幅広い分野で使われる機械式秤を現役で製造する数少ないメーカーだそうです。リノベーションのコンセプトには”モノづくりの魂を次世代へ引き継ぐ”という思いが込められています。

 

今回のリノベーションは、神田三崎町というモノづくりの街が、「コトづくりの街」へと変貌を遂げつつある中で、メーカーとして過去の蓄積を価値あるものとして次世代へ引き継ぎたいとの思いが込められているという。

ニュース|ブルースタジオ

 

2013年12月11日にはオープニングレセプションが開かれました。伝統と格式をまとうオフィスに生まれ変わった1階の共用部を使って、秤に関する特別展示を行ったり、

 

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オフィステナントビル【田中衡機ビル】

 

神田生まれの小倉充子氏が主催する型染工房・小倉染色図案工房のデザイン手ぬぐい展が開催されました。

 

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キモノは別腹 田中衡機工業所のビルオープニングレセプション1

 

素敵なエントランスです。

 

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オフィステナントビル【田中衡機ビル】

 

3年くらい空き室でしたが1階の共用部をリノベーションしたことで上の階の価値が上がるという好循環につながりました。満室だそうです。そしてそれを見た周辺の人たちも同じようにリノベーションして、エリア全体の価値が高めるという流れも起きているようです。

 

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