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”街が栄えている”とは「土地と文化が生き残る状態」part1

未来授業〜明日の日本人たちへ〜

 

専門は”AKBと仮面ライダー”と自ら語る、サブカルチャーから政治・社会問題まで論じる評論家・宇野常寛さんが講師として地方創成について地方の大学生と討論する動画を見つけました。テーマは「地方創生の時代へ〜イノベーションは”どこ”に起きるのか〜2020年へのブループリント」。

 

 【未来授業】 宇野常寛 明日の日本人たちへ~VOL1 - YouTube

 

戦後中流文化の崩壊

 

宇野常寛さんは大学を出て何年か東京で働いて考えているうちに「意外と東京は辛くなってきている」「思ったほど東京は大したこと無いのでは」と思ってきたタイプだそう。

 

確かに特に80、90年代のカルチャーは東京は凄かった。ポップカルチャーの量も質も爆発的だったしマスメディアも出版産業も盛んだった。21世紀になってきた頃から落ち目になってきていて、雑誌も元気ないしないしコンテンツも大したこと無いし東京の業界が衰退していくのを体感していた。

 

そして東京は思った以上に「ハリボテ」だと宇野さんは続けます。

 

戦後の中流文化が大きく衰退しようとしている。東京は西へ西へと延びてきた。浅草・葛飾から近代化の中で銀座に中心が移り、戦後になると山手線の西側の渋谷や新宿がターミナル駅として小田急や東急といった私鉄が西側延びてベッドタウンを形成していった。これは戦後の中流文化の発展と重なる。

 

人口減少、都心回帰、共働き世帯の主流化など戦後中流文化はもはや過去のものとなっています。

 

長時間の通勤で都心に通うことが出来たのは専業主婦が家を守っていたから。でも今は共働きが主流。職住近接になっていく。70年間積み上げてきたものが時代の節目でスカスカになってきている。

 

静かなる革命へのブループリント

 

宇野さんが編集長を務めるカルチャー誌「PLANETS」では2020年のオリンピックの代替プランを打ち出そうとしています。

 

2020年のオリンピックは特に団塊の世代やそれ以上の世代から「1964年のオリンピックよもう一度」「日本人よ自信を取り戻せ」という気分や精神性で期待されている。しかし戦後は既に終わっていてゼロから仕組みを作らないといけない。放っておくとリバイバル1964年になってしまうから若手世代の考えるもう一つのオリンピックプランを出すこと、開会式、競技中継、都市開発、文化プログラムの案を出すことで「取り戻す」ではなく「作り直す」というビジョンを掲げて製作している。

 

危機意識の高い学生たち

 

割と手が届く6年後、2020年にどう働くか。事前アンケートに学生が応えていました。「グローバル企業や外資系企業で国内外色々な所で働きたい」「組織に頼らない働き方をしたい」「どこでも働けるようになりたい」といった危機意識の高い回答が多かったようです。

 

今の世の中が壊れかけている。だから食いっ逸れないようにどこにいっても働けるようになりたい。 という危機意識が高い。このまま日本の企業で働いていたら英語も喋れないし国際感覚も身に付かないしちょっとダメなんじゃないか。一回外に出るできなんじゃないか。自分や地域社会、世の中、自分の足場を守るために働きたいという人が多い。

 

まとめ

 

今回のポイントは戦後70年間の間に築き上げられてきた「戦後中流文化」が徐々に衰退しているということです。そもそも団塊の世代あたりが先導して作ってきた仕組みなのかなと思います。働き方や家族、住宅、教育など。これらの戦後中流文化をアップデートしていくこと。それには余白のある地方のほうが有利なのではという宇野さんからの指摘だと思います。

 

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画像はYouTube動画から。宇野常寛さんと大学生たちが討論しています。 

 

次回は街の発展とはどういうことなのか、という問題提起から始まります。街が栄えていることの定義を変える必要性を訴えます。part2に続きます。

 

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