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空き家を活用して新しい価値をつくる

【メモ】成功事例の”最後の一滴”だけを真似ても意味がない!重要なのは”プロセス”を真似ること

ハフィントンポストに掲載されている猪谷千香さんが書いた記事がとても参考になります。全国の空き家活用事例を日々、情報収集しているわけですが、”成功事例”と呼ばれている取組は、そこに至るまでに膨大な積み重ねがあるわけですね(当たり前ですが)。そうしたプロセスこそ真似るべきだ、という話です。

 


「地方創生、何が本当に必要なのか」 神山プロジェクトやオガールプロジェクトから学ぶべきは、そのプロセス【動画】

 

エリアイノベーションアライランス代表理事の木下斉さんはこうおっしゃいます。

 

事例はあくまでその地域の中で、たとえば神山町や紫波町のように10年、20年かけてやってきて出てくるものであって、結果、最後に出た『一滴』をそのまま他の地域に持っていっても全然意味がない

重要なのはプロセスを真似ることです。その10年20年かけてきた積み上げを自分の地域でもやらなくてはならない。でも、地道にやっていくプロセスって大変なんですよね。プロセスを真似せずに、とりあえず「答え」だけ教えてくれというのは、入試の答えを教えてもらって東大受かりたいっていうのと同じです。そうではなく勉強方法を学ばなくてはならない。例えば神山町に今、視察に行くと、『そうか、光ファイバー引いてサテライトオフィスつくればいいんだ』とか、紫波町にいけば『オガールみたいに図書館に産直つければ良いのか』みたいな全く本質と異なる話になって、それを支援する制度をつくろうとか全くもってナンセンスな話になってしまう。そういう誤った成功事例からの理解が今までの失敗の連続の原因です

「地方創生、何が本当に必要なのか」 神山プロジェクトやオガールプロジェクトから学ぶべきは、そのプロセス【動画】

 

ではそのプロセスとはどういったものなのか?例えば徳島県神山町の場合は国際交流や文化、アートからスタートしてアーティスト移住が始まり、次にワーク・イン・レジデンスにより起業者たちが集まり色々なことを始めます。そうするとITベンチャー企業がサテライトオフィスを構えるようになり・・・と、神山町という固有の土地と文化の歴史があるのがわかります。

参考記事:”空き家をサテライトオフィスに”NPO法人グリーンバレーによる「創造的過疎」のまちづくり・徳島県神山町(空き家活用事例紹介)

 

NPO法人グリーンバレー理事長の大南信也さんはこうおっしゃいます。

 

「神山のスタートは、国際交流、文化、アートでした。そこからスタートして、まずアーティストが移住を始めました。今度は、ワーク・イン・レジデンス。力を持った起業者がそこでいろんなことを始めた。そうすると、ITベンチャー企業まで入ってきてオフィスを建設する。そのかたまりができたことによって今、例えばビストロ、ゲストハウス、ピザ屋さん、オーダーメイドの靴屋さんができるわけですよね。

そして、これからやるのはオーガニックフード。有機野菜をいくらブランド化しても、東京のオーガニックフード屋さんに送れば、雇用も東京に生まれて、田舎に落ちてくるのは野菜のお金だけです。いつまで経っても下請け状態。結局、これから何とかして、地域内部で回していくことだと思います。神山の野菜の食べたいんやったら、すまんけど東京の皆さん神山に来てください。そうすれば、地域にサービス産業が生まれて、地域でぐるぐる回り始めるんじゃないかなと思います。だから、そういう人の流れをつくることによって、結果的に地方創生になるのかなという気がします

「地方創生、何が本当に必要なのか」 神山プロジェクトやオガールプロジェクトから学ぶべきは、そのプロセス【動画】

 

人の流れをつくり、そこから事業を生み出す、 そして投資する資金を集め、自立的に経営して稼ぐ」。そういう流れをつくることが空き家活用事業しかりまちのコンテンツづくりには必要な考え方だと思います。

 

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「地方創生、何が本当に必要なのか」 神山プロジェクトやオガールプロジェクトから学ぶべきは、そのプロセス【動画】