アエラを初めて買いました。なぜなら「空き家リノベーション特集」が掲載されているからです。 ページ数にするとたった4ページなんですが、築80年の戸建てや長屋、築40年の倉庫などを古さを残しつつ、その価値を再発信するためにリノベーションしている4つの事例が紹介されています。
Gallery&Book cafe松庵文庫(元は音楽家の夫婦の家)
築80年の一軒家をリノベーションして1階をカフェとギャラリー&ショップに、2階をシェアスペースにした「Gallery&Book cafe松庵文庫」(東京都杉並区)です。JR西荻窪駅から徒歩約7分の閑静な住宅街にあります。
松庵文庫は元々、子供のいない音楽家夫婦が住んでいて、夫が亡くなったときに夫人が、一人暮らしには広すぎると家を手放すことを決心されたそう。そこで売りに出されたわけですが、そのタイミングで松庵文庫の裏に家族4人で住んでいる岡崎友美さんが思い切って内見してみたそうです(音楽家夫婦との面識は無かった!)。
もともとこの家には音楽家のご夫妻がお住まいでした。ご主人を亡くされたのが2年前。家を手放すことを決められた奥さまに招かれて、はじめて玄関に入った日のことが忘れられません。そこには重厚な時間がありました。柱や梁が、壁が、窓がその豊かな時間をゆっくりと呼吸しているのを感じました。「この家は残さないと!」と思いました。その時「もったいない!」と思う気持ちのその先に「いま」の姿を見ていたのかもしれません。
HOME'Sの記事でも紹介されていました。「もったいない!」という初期衝動に加え、”コーヒーを飲みながら本を読むのに最適な空間”という具体的なアイデアが浮かんだそうです。
岡崎さんを突き動かしたその思いとは、どんなものだったのでしょうか。
「今の時代、こんなに時間を積み重ねたものが残っているのはとても贅沢なこと。この空間と時間を共有できる人たちと、この場所を守っていきたいと思ったんです。“コーヒーを飲みながら本を読むのに最適な空間”というのが第一印象だったので、現在はブックカフェの看板を掲げていますが、そのくくりにとらわれない、色んなものをシェアできるスペースにしたいなと」
約5ヶ月かけて改装したそうです。 「この家がどのように使われてきたのか、というストーリーを残し、地域の人たちとシェアできる空間をつくることを念頭に置いた」とのこと。(「AERA」2015年2/9号P33)
(画像引用元)
大規模な改装をしたのはカフェスペースだそうで、音楽室だった部屋の壁を取り外し、防音用の二重サッシを木造家屋に合うように木枠の窓に取り替えたり。インテリアや家具などは岡崎さんの祖母が使用していたものを使ったり、まさに「古さ」を生かしたリノベーションにより、新しい価値として「再発信」しています。
(こちらも参考になる記事です→地域に根ざすギャラリー&ブックカフェ『松庵文庫』 | 荻窪/西荻窪情報オギジン)
食べログでも3.5以上!西荻窪にお越しの際はランチ/お茶しに行きましょう♪
ほかの空き家活用事例はまた次回書きます!