”実家”という考え方が無い?!
今年1月に放送されたNHKの空き家特集番組に出演していたデーブスペクターさんが「アメリカには”実家”という考え方がない」と言っていました。つまりアメリカでは”家を所有する”という概念が日本よりも薄いのだと思います。
かねてより空き家問題に限らず、問題には物理的側面と感情による、大きく2つがあるよなぁと私は思います。
デーブさんは、
生まれ育った実家だから残しておきたいとか、
先祖からの土地だからとか、
そう感情的に話すゲストに対し、
「そもそもそう感じている実家ってなに?その概念はどこからきているの?」
と、突っ込みを入れたかったのでしょう。
まぁ、ただこれは一概には言えなくて、一般的に年齢が上がれば定住意識が強まったり、ライフスタイルも固定化していくと思います。その点に関して言うと、20代〜40代くらいの世代の場合は就職や進学、転勤、引越しや移住、結婚や離婚、子育てなどライフスタイルの変化と同時に住まいも変化してきやすい。
離婚と引越しの多さ
アメリカでは離婚と引越しの多さから”実家”の概念が薄いようです。SUUMOジャーナルにアメリカで暮らす不動産エージェントへのインタビュー記事が公開されています。
アメリカならではの事情もあるようで、「総じて日本よりも実家の概念が薄い」のではという結論になった。その事情を聞いていこう。
「ひとつはアメリカの離婚率の高さです。日本より離婚率の高いアメリカでは、1000人につき6.8人結婚し、3.6人離婚、つまり結婚した半数は離婚すると言われるほど。また、転居回数も多く、頻繁に引越すんです。ですから、両親が一カ所にずっと住み続けていることは多くありません」
離婚と引越しーー。アメリカの「実家」といっても、やはりその国ならではの、ライフスタイルを反映した事情があるのだな、と実感する。
国土の広さと車移動の多さ
次には国土の広さや車移動の多さも”実家”の概念を薄める理由になっています。
「国土が広くて、車での移動も多いため、たとえ同じ地域の中であっても転職で別のエリアに仕事が見つかると、長距離の運転で通勤するよりも、引越しして近いところに住む考え方をしますね。
中古住宅流通が盛ん
中古住宅流通が盛んであることも大きいです。
新築と既存住宅流通全体に占める既存住宅の割合は、平成20年で13.5%。世界に目を移すと、フランス64%、イギリス85.8%、アメリカはなんと90.3%に達しています。
(画像引用元)
ライフスタイルの変化に合わせて移動する
ライフスタイルの歴史や文化は国によって違いがあるのは当然ですが、変化の激しい時代に、気軽に移動できたり引越しできたりすることはリスクヘッジにもなりますし、新しい可能性を広げることにつながります。
基本的には他国から移住してきたり、土地を開拓して移り住んできた歴史があるため、『先祖代々引き継いだ土地』を大切にする感覚の人は少数派。ライフスタイルの変化に伴って地域間を移動するのが当たり前なんです」