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空き家を活用して新しい価値をつくる

住宅を所有したい人・74.9%、自宅周辺で空き家を見かける人・半数以上!内閣府住生活に関する世論調査(平成27年10月調査)から見えてくること

住生活に関する世論調査

 

内閣府ではさまざまな世論調査を行っています。「住宅や住環境に関する国民の意識を把握し、今後の施策施策の参考とする」ため今回、住生活に関する世論調査(平成27年10月調査)の結果が発表されました。

 

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(画像引用元:住生活に関する世論調査 1 調査の概要 - 内閣府

 

住宅についての意識、空き家についての意識

 

どんなことが世論調査されたかというと、住宅や空き家についての意識についてです。全国20歳以上の3,000人が調査対象で、有効回収数(率)は1,736人(57.9%)です。(出典:住生活に関する世論調査 -内閣府

 

住宅を所有したい・74.9%、新築一戸建てがよい・63.0%

 

まず住宅についての意識です。人口減少(世帯数の減少)、空き家の増加といった状況の中、住宅を所有したいと回答した人は74.9%。平成16年11月調査のときは79%でしたので、若干減少していますが、なお7割を超えるの人は「住宅を所有したい」と考えています。

 

ではなぜ所有したいか。「同じところに安心して住み続けたいから」が主な理由になっています。

 

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画像引用元

 

ただ、結婚や出産、就職や退職などライフサイクルやライフスタイルに応じて住宅に対するニーズも変わっていくと思います。ぼくとしては、所有するかどうかというより、持ち家でも賃貸でもいいので、住みたい(住み続けたい)まちに気軽に引っ越せるような流動性の高さを確保することが必要だと思います。若いときは駅から離れた場所でもいいけれど、高齢になったら駅前でスーパーや病院などが集積している場所に住み替える、とかそういうことが当たり前になればいいなと。

 

 内閣府は28日、「住生活に関する世論調査」の結果を発表した。それによると、購入したい住宅について「新築の一戸建て住宅」と回答した人が63.0%で、「新築マンション」も10.0%だった。新築志向は7割を超え、中古住宅を購入したいとする人を大きく上回った。

 「中古の一戸建て住宅」を購入したいと答えたのは6.1%、中古マンションは3.8%だった。国土交通省の担当者は、「相変わらず新築志向が非常に強い。中古住宅の流通を活性化するのは相当な施策が必要だ」としている。

jp.wsj.com

 

自宅周辺で空き家を見かける人は半数以上

 

次に空き家についての意識です。「あなたの自宅の周辺には、どのような空き家が多いと思われますか」という直球な質問に対し、「そのまま利用できる空き家が多い ・9%」「簡単なリフォームを行えば利用できる空き家が多い19.3%」「大規模なリフォームをしないと利用できない空き家が多い8.4%」「老朽化・腐朽が進み、これ以上利用できない空き家が多い14.6%」ということで、合計して51.3%の人は少なくとも自宅周辺に空き家を見かける、と回答しています。(「空き家は見かけない」は43.9%)

 

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画像引用元

 

そして、「あなたの自宅の周辺に外部に悪影響を及ぼしている空き家があると仮定した場合、あなたはその空き家の対処としてどのような方法が望ましいと思いますか」という質問に対しては、「地域の価値を損なわないように、持ち主の責任で除却すべきである・51.3%」「地域の価値を損なわないように、行政が関わって除却すべきである・40.3%」です。住宅は私有財産だから行政という公権力がなかなか介入できない類のものですが、行政が関与すべきという回答が4割を占めました。ここらへん、周辺に悪影響を及ぼすまでになった空き家の場合、家主不在などの理由で住民同士で解決できない問題にまで発展してしまっていると行政に解決を求めるしかなくなっているのかなと思います。

 

 空き家は、倒壊の危険があるほか、治安の悪化にもつながりかねず、全国で問題化している。調査では、「そのまま利用できる空き家が多い」は9%にとどまり、リフォームが必要な空き家が多いと回答したのは計27・7%だった。

 空き家への対応については、「そのままにして構わない」はわずか3・9%で、取り壊しを望む回答が大半を占めた。取り壊しを行うのは、「持ち主の責任で」が51・3%、「行政が関わって」が40・3%だった。

www.yomiuri.co.jp

 

今あるストックを面白く使いこなす

 

結論としては「今あるストックを面白く使いこなす」ために、空き家活用や中古住宅流通促進、DIY、リノベーション、といった発想や手法などをもっとメジャーにしていく必要があります。人口減少する時代にはストック中心、人口増する時代はフロー中心、そんな単純な話ではありませんが、少なくとも高度成長やバブル時代のような新築住宅建設毎年100万戸当たり前の状況とは現代は全く違っています。少しずつでも方向転換をし、その方向転換の振り幅を広げていくために、例えば千葉県松戸駅周辺で行われているMAD Cityプロジェクト長野善光寺門前町北九州で行われているリノベーションまちづくりなど、ストックを活かす動きがとても重要です。

 

madcity.jp