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空き家を活用して新しい価値をつくる

全国初の大学連携型サ高住が町田小山ヶ丘にオープン!桜美林ガーデンヒルズのランチ付見学会に行ってきた【前編】

今回は空き家っていうわけではありません。兼ねてから動いている首都大学東京・福祉コミュニティ研究会の活動の一環で、町田市小山ヶ丘にこのたびオープンした全国初の大学連携型サービス付高齢者向け住宅「桜美林ガーデンヒルズ」のランチ付見学会に参加してきましたので、その模様をお伝えします。

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右側は一般客も利用可なレストラン「サクラれすとらん」。左側は学生向け住宅(B棟)が32室。

東京都のサービス付き高齢者向け住宅の供給促進施策が大きなきっかけに

ランチ付見学会のこの日はあいにくの雨。JR横浜線・淵野辺駅に集合し、バスで約12分揺られ「見晴らしの丘」バス停まで。バス停でスタッフさんが待っていてくださり、桜美林ガーデンヒルズの敷地内へご案内していただきました。最初は交流棟(E棟)にてオリエンテーション。雨のためなのか、見学者はぼくと同行者含めて4名でした。一般社団法人コミュニティネットワーク協会の相談員の方から概要説明からスタート。どうやら桜美林ガーデンヒルズの立ち上げには、東京都におけるサービス付き高齢者向け住宅の供給促進施策の一環である「一般住宅を併設したサービス付き高齢者向け住宅整備事業」がきっかけとなっているとのことでした。募集要項(PDF)に記載されている事業のコンセプトを見ると、

○高齢者が、身体状況や生活形態に応じ、自立し安心して暮らすことができる住宅
○高齢者が、様々な居住者や地域住民と交流することによって生き生きと暮らし、災害時にも安心して助け合うことができる住宅

とあり、こうしたコンセプトを満たすサービス付き高齢者住宅(以下、サ高住)として東京都がその設計費及び整備費を補助して整備されたのが桜美林ガーデンヒルズです。「一般住宅を併設した〜」というのがポイントで、高齢者だけのコミュニティに閉じないということが最初から志向されていたということです。桜美林ガーデンヒルズの場合は、さらに一歩進んで学生も一緒に住まう、という”ごちゃ混ぜ”の発想を実現しています。

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当日の資料。

事業主体は2社

同じ敷地内に「高齢者+学生+ファミリー」の多世代が暮らす桜美林ガーデンヒルズは、株式会社ナルド株式会社コミュニティネットの2社が事業主体となって運営されています。株式会社ナルドは桜美林大学が100%出資する関連会社(学生食堂やスクールバス運行、インフォメーションセンター、学生寮の運営業務、学生向けの住まいの紹介などを行っている)、株式会社コミュニティネットは高齢者向け住宅の「ゆいま〜るシリーズ」を全国展開しています。両者の役割分担としてはナルドが不動産賃貸業、コミュニティネットがPRやサ高住の実際の運営といった感じのようです。

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(画像引用元:桜美林ガーデンヒルズの詳細情報|LIFULL介護)桜美林ガーデンヒルズの全景。

既に10戸が入居済

桜美林ガーデンヒルズはサ高住が60戸、学生向け賃貸が32戸、子育て世帯などの一般向け賃貸が8戸です。中でもサ高住は4月下旬にオープンしたばかりですが、予約が21戸、申込が5戸、契約が10戸とのことでした(2017年5月13日見学会当日時点)。代表的な間取りは2通りあります。約50㎡の2LDKタイプと約30㎡の1Kタイプです。気になる家賃はこちらでご確認ください。

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C棟(50㎡)の外観。

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手前がD棟(30㎡)、奥がB棟(学生棟)。

レストランは一般客も利用可能

概要説明の後はレストランに移動してお昼ごはんです。この日のメニューはごはん、豚肉のしゃぶしゃぶ風、ふろふき大根 肉みそかけ、アスパラの和え物、豆腐となすのみそ汁でした。和食好きのぼくとしてはとても美味しくいただきました。

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栄養バランスのとれたお食事。

また、こちらのレストランは一般客も利用可能だそうで、ランチやお茶、夜ご飯と地域の人たちにとっても重宝されること請け合いです。

サクラれすとらん
【営業時間】
朝食 7:30〜9:00
喫茶・軽食 9:00〜
お食事 11:30〜19:30(ラストオーダー19:00)

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おしゃれな店内。

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豊富なメニュー。

安否確認サービスと生活相談サービスの2つが付いているのがサ高住の特徴

コミュニティネットワーク協会の方からの概要説明でお話があったのですが、サ高住の特徴として大きく2つのサービスが付いているということなのです。すなわち安否確認と生活相談です。安否確認は一階のエントランスに安否確認ボードがあって、入居者が自分で毎朝9時までにマグネットで印を付けて自身の健康状態をスタッフに知らせるわけです。ここにマグネットが付いていないと直接ご自宅へ連絡してくれるということだと思います。自分でエントランスに行って印をつけることで生活のリズムが生まれ、入居者同士が言葉を交わすきっかけにもなるという意図があるそうです。自分でできることは自分で、それが基本ということです。

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1階エントランスには安否確認ボードが。

生活相談については1人入居で46,280円、2人入居で74,570円が月々かかります(生活支援サポート費)。これもサ高住ならではと言えると思いますが、生活支援サポートにかかる人件費、運営費、事務費、管理費などにあてるため必要な費用になるそうです。この費用について高いとみるか賛否がわかれそうですが(当日の見学者の方はこの費用について気にされていました)、家賃プラスαで安心して生活できるための費用を払っているということなのでしょう。

高齢者が充実した生活を送れるために、バリアフリーの棟内に、日中は365日看護師が常駐し、夜間はオンコール体制で入居者の異変に気を配る。室内には転倒やベッドからの転落などを感知する見守りセンサーを標準装備。

『桜美林ガーデンヒルズ』オープン | 町田 | タウンニュース

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(画像引用元:サービス付き高齢者向け住宅等の供給 | 東京都都市整備局>「サービス付き高齢者向け住宅の供給促進」パンフレット(前編)より)

思いのほか長くなってしまいそうなので、実際に内覧した様子などは後編に書きます。

(参考記事)
【見学記】若者と高齢者がともに学び触れあう住まい|老人ホーム・介護施設探しならシニアホームなび