マチノヨハク

空き家を活用して新しい価値をつくる

空き家の定期的な管理が次につながる

「放火」が1位

冬だからかここ数ヶ月、空き家が火事で全焼などというニュースをよく見かけます。放火の疑いがあるケースもあり、木くずや紙くずなど燃えやすいものは放置しないなどの対策が空き家所有者に求めれれるところです。なお、総務省消防庁の調査によると平成28年(1月〜12月)までの全国の総出火件数は36,831件(前年より2,280件減少)、出火原因の第1位は「放火」です。

空き家に対する関心と対策

よほどの悪意がある場合は別としてちょっとした出来心で放火をしてしまう人がいる場合、どのような対策がとれるでしょうか。大事なのは空き家に対する維持管理の意識を持つこと、そして具体的な行動をとることです。将来的に住む、売却、賃貸などにスムーズに移行できるように住宅の価値を下げないようにする必要があります。なお、放火を防ぐ対策についてNPO法人空家・空地管理センターの記事がわかりやすいです。

木の盗伐が横行しているというニュースから考える

NHKのNews Upというウェブ読みものの中で、自分の山の木が知らないうちに切られる盗伐が横行しているという記事がありました。 背景には木材価格の上昇や中国など海外への木材輸出の増加などがあるそうですが、この記事で注目したのがこの盗伐の手口です。盗伐の被害にあった山の持ち主は所有する森林から離れた場所に住んでいたので、日常的に赴いて状態を見て回るっていうことはできなかったわけです。そこを狙ってきたのが盗伐を行った業者です。山の近くに住んでいない人を探すために調べたのが法務局で管理している不動産登記簿です。不動産登記簿は取引の安全と円滑を図るため、法務局で所定の請求書を提出すれば誰でも登記事項証明書の交付を受けることができます。そのため討伐を行った業者は山の所有者の名前や住所が記された登記簿を取得し、山から離れて住む人を探したとのことです。つまり、山の近くに住んでいるわけではないから定期的に維持管理をする負担が大きい。であるならば木を切ってもわからないだろう、という結論でした。

この人物によりますと、山の所有者の名前や住所が記された登記簿をとって、山から離れて住む人を探していたということです。登記簿では、所有者の山の住所が宮崎市内になっていますが、現在の住所は神奈川県内にあることが分かります。この情報をもとに、近くの集落を訪ねて回り、親族が残っていないことまで確認していたということで、「家を訪ねて行っていなかったり、遠くに行って連絡がつかなかったりした時には、木を切っても分からないだろうと盗伐を行っていた」と話しています。

News Up “宝の山”が狙われる | NHKニュース

空き家も同じような被害はありうる

こういった手口は空き家でも起こりうります。室内に侵入され何かが盗まれる、敷地内への不法投棄、放火など、管理が行き届いていない空き家は犯罪の温床となります。また、上記のNHKの記事では土地の境界線が曖昧であることも盗伐の原因になっているとしており、一筆ごとの土地の所有者、地番、地目を調査し境界の位置と面積を測量する調査である地籍調査を進めていくこともとても重要です。しかし全国の地籍調査の進捗率は平成28年度末時点で 52%にとどまっています。まずは定期的に空き家の維持管理を行う習慣をつけることが重要です。全国各地に空き家管理サービスが拡充されていますので、自分で管理するコストが高い場合はアウトソーシングしましょう。

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(画像引用元:田舎の裏道と古い建物|ぱくたそフリー素材