DIYで楽しく空き家を再生する
神奈川県逗子市や葉山町でDIYやシェアリング、アップサイクルといった観点から空き家の再生に取り組むコミュニティがあります。その名も「空き家レンジャー」。なんとかレンジャーって昔よくTVで見た戦隊モノのヒーローを連想します。「DIYを楽しみながら自分たちが使いたくなる施設を自分たちの手でつくる。そんな活動に参加してみませんか!」という緩い募集に賛同した人たち、かいつまんで言えばボランティアの人たちが空き家レンジャーとなり、実際に手を動かして空き家の再生に取り組んでいます。空家レンジャーは結成2年足らずで200名を超えているそうです。
(画像引用元:空家レンジャーSite on Strikingly)
築35年の老朽戸建空き家がシェアハウスに
空き家レンジャーの空き家再生第1弾は2016年7月に改修した逗子市にある「海古屋シェアハウス」です。築35年の老朽化した2階建て戸建空き家が空家レンジャーたちによりDIY改装されました。
(画像引用元:空家レンジャーがNHK出演! - YouTube)
改装作業を業者に全て任せるのではなく、できることはDIYで楽しく再生していくということを誘い文句にインターネットで空き家レンジャーを募ったところ、延べ100人が集まりました。100人って相当な数ですね!畳だった床を板張りのフローリングにしたり、漆喰塗りの壁にしたり、廃材で棚を作ったり、様々なアイデアを形にしました。気になる改装費用は業者にお願いした場合と比べて3分の1程度に抑えられたとのこと。全員がDIY改装の素人というわけではなく大工さんを招き、やり方を教わりながらでしたのでプロの力がゼロではないということもポイントです。
(画像引用元:空家レンジャーがNHK出演! - YouTube)
空き家の改装に関わった人がそのままシェアハウスの住人になり、建物の改装と借主の誘致という一挙両得でした。
元社員寮の2階をものづくり工房に
空き家再生第2弾は神奈川県葉山町の元社員寮の2階を、ものづくり工房「葉山ファクトリー」に改装させるというもの。2017年9月にオープンした後も改装作業は続いていたみたいです。ものづくり工房とは何かというと具体的には、2階にある8つの個室のうち7つは様々なものづくりのクリエイターが入居してアトリエとして使える「シェア工房」に、1つは入居スペースではなく、新しいものづくりに挑戦したい人が使うことができる「ものづくりラボ」に生まれ変わりました。
(画像引用元:DIY PROJECT – FACTORY PROJECT)
こちらのものづくり工房は、不要な材料や道具を集めて共有しながら新しい価値を創造していくような「シェアリング×アップサイクル」をコンセプトとしています。多くの人が改装に関わり、廃材などをクリエイティブに活用していきます。
(画像引用元:「すてる」と「つくる」をつなぐ未来のものづくり拠点を!空家レンジャーがつくる!! - CAMPFIRE(キャンプファイヤー))
改装費用はクラウドファンディングを活用して調達されました。
元社員寮の1階をシェアキッチンに
空き家再生第3弾は現在進行形です(2018年5月15日現在)。前述の元社員寮の1階を(2階は葉山ファクトリー)食のチャレンジが集まるシェアキッチン「葉山キッチン」とすべくクラウドファンディングに挑戦中です。元社員寮なので食堂と厨房機器が残っているのです。これは飲食の類のコンテンツとして再生するにはうってつけです。
(画像引用元:だれでも夢の第一歩を!葉山の空き家を「食のチャレンジ」が集まるシェアキッチンに! - CAMPFIRE(キャンプファイヤー))
といってもカフェやレストランをオープンするといっても、初期投資がかかったり、食品衛生に関する規制をクリアしないといけなかったり、さらにはお客さんを集める広報活動、食材調達のルート開拓などなど、いくつものハードルがあるわけです。ですので一人で飲食店をオープンするのではなく、シェアキッチンというスタイルで食のチャレンジをシェアリングしようということです。
(画像引用元:だれでも夢の第一歩を!葉山の空き家を「食のチャレンジ」が集まるシェアキッチンに! - CAMPFIRE(キャンプファイヤー))
空き家活用団体・事例を5W2Hでまとめる
空き家活用団体名:空き家レンジャー
いつ
- 2016年7月に空き家再生第1弾となる神奈川県逗子市の築35年の戸建空き家を「海古屋シェアハウス」にDIY改装
どこで
- 神奈川県逗子市
- 神奈川県葉山町
だれが
- 空き家レンジャーの発案者・リーダー加藤太一氏
- 家づくりをやってみたい人、自分でリノベーションをしたい人、設計関係者など
何を
- 神奈川県逗子市の築35年の戸建空き家を「海古屋シェアハウス」に
- 神奈川県葉山町の老朽化した元社員寮(1階と2階合わせて約240平米)をみんなでシェアできるものづくり工房「葉山ファクトリー」に
- 同元社員寮の1階をシェアキッチン「葉山キッチン」に(現在進行中)
どうやって
- 「つくるいち」という毎月第3日曜日に開催しているものづくりワークショップで参加者を募る(入場無料のオープンイベント)
なぜ
- そもそもは改装に困っていた逗子の古い家との出会いが空き家レンジャーを始めたきっかけ
- 自分たちで改装してシェアハウスを作りたいと思ったが、プロに依頼すると高額になってしまう
- 改修自体をイベント化し、楽しく空き家再生していくことを思いついた
いくら
- DIYに必要な材料や工具の費用をどう集めるかが課題か(そのためにもクラウドファンディングを実施中だと思う)
■空家レンジャーHP:http://www.akiyaranger.com
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