空き家の活用で社会的課題を解決するブログ

空き家を活用して社会的課題を解決したり、新しい街のコンテンツに生まれ変わらせる。そんな観点から書いているブログです。

敷地内にある建築物の安全管理の再確認がますます必要な件

  • 管理が行き届いていないブロック塀という凶器
  • 守られていなかった建築基準法
  • 敷地内にある建築物の安全管理の再確認が必要 

管理が行き届いていないブロック塀という凶器

大阪府北部で6月18日に発生した地震(最大震度6弱)により高槻市内の小学校のブロック塀が倒壊し、通学中の女児が死亡しました。また、大阪市内でも街路のブロック塀が崩れ、下敷きになった80歳代の男性が死亡しています。これまであまり大きく注目されてこなかったけれど、よく考えてみてば日常的に通る道路沿いなどでよく見かけるブロック塀は、管理が行き届いていないと歩行者の安全を脅かす凶器となることが改めて明らかになりました。

高槻市災害対策本部によると倒壊したのは、市立寿栄小学校のプールの周囲を囲む高さ3.5メートルの壁のうち、ブロック8段で組まれた上段部分(高さ1.6メートル)。約40メートルに渡って道路側に倒れた。

《大阪地震》ブロック塀が凶器に、事前にできることは? 寿栄小で9歳女児が死亡

Googleストリートビューで見てみると、高さ3.5mのブロック塀にはほのぼのする絵が描いてあることもあってか、建築に関する専門性を持っている人なら別でしょうが一見すると倒壊の危険があると認識するのは難しいです。

守られていなかった建築基準法

建物自体の耐震化の必要性はことさら言われていますが、ブロック塀のような土地に付着している建築物の安全管理についてはなかなか意識しないと行き届かないです。今回の小学校のブロック塀倒の原因は3つあります。

  1. 塀の高さ(建築基準法施行令では2.2m以下と定めているが約3.5mもあった)
  2. 塀を支える「控壁」がなかった(本来は控壁が10ヶ所以上必要だった)
  3. 鉄筋の状態(基礎から塀の上まで1本の鉄筋を通しておく必要がある)

www.nhk.or.jp

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f:id:cbwinwin123:20180621060100p:plain(画像:モーニングCROSS|TOKYO MX

敷地内にある建築物の安全管理の再確認が必要 

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イタリア発祥の「アルベルゴ・ディフーゾ」(分散型ホテル)の魅力

  • 散らばっている空き家を活用し地域一帯をホテルとする
  • 日本にも存在するアルベルゴ・ディフーゾ
  • 街の歴史や文化を体験する

散らばっている空き家を活用し地域一帯をホテルとする

地域に散らばっている空き家を活用し、建物単体ではなく地域一帯をホテルとするイタリア発祥の取組「アルベルゴ・ディフーゾ(Albergo Diffuso)」をご存知でしょうか?アルベルゴ=宿、ディフーゾ=散らばっているという意味で、直訳すると「散在する宿」です。普通、ホテルというとホテルの中にレストランやバーがあって、お土産が売ってたり、いろいろな催しがやってたりしますが「散在する宿」は違います。その名の通り一つのホテルの中でサービスが完結するのではなく、地域のいくつもの場所でおもてなしがあります。

町に1つのレセプション(受付)があり、そこでチェックインして、町の中のどこかのお部屋の鍵を受け取る。まるでその町に住んでいるかのように滞在するスタイルのホテルのことです。朝食&夕食会場もきまった町中のレストランでとる。いわば、垂直に高いホテルではなく、水平に広がるホテル。ネットワーク型ホテルなんて呼ばれているのも聞いたことがあります。

DAY0 イタリアのスローシティ、アルベルゴディフーゾ、アグリツーリズム巡り | coinaca/コイナカ

f:id:cbwinwin123:20180618070032p:plain(出典:http://www.albergodiffuso.com)アルベルゴ・ディフーゾ協会のウェブサイトから。まさに地域に宿が分散しています。

アルベルゴ・ディフーゾは1980年代に考案され、その後イタリア各地に広がっていきました。 

アルベルゴ・ディフーゾ(Albergo diffuso)とは、点在して広がる宿という意味。
1980年代にフリウリ州で考案され、90年代にサルデーニャ島をはじめイタリア各地に広がった、空き家を有効利用した新しいタイプの宿なのです。

トスカーナの素敵なアルベルゴ・ディフーゾの宿 : butakoの2年間の休暇 *イタリア料理と私*

f:id:cbwinwin123:20180618071730p:plain(出典:http://www.alberghidiffusi.it

日本にも存在するアルベルゴ・ディフーゾ

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新築中心の不動産市場は否応無く崩壊する

2018年6月13日、野村総研によりニュースリリースが公表されました。結論から言うと、もはや新築中心の不動産市場は否応無く崩壊し、空き家の増加が都市生活に具体的な悪影響を及ぼし出します。今回のレポートでは大工の人数の予測をしている点が目新しいです。

www.nri.com

  • 2018〜2030年度までの新設住宅着工戸数
  • 2018〜2030年度までのリフォーム市場規模
  • 2018〜2030年度までの空き家数・空き家率
  • 2018〜2030年度までの大工の人数

2018〜2030年度までの新設住宅着工戸数

2018〜2030年度までの新設住宅着工戸数は、2017年度の95万戸から2030年度には60万戸に減少していく見込みです。空き家が820万戸もあるのに95万戸も新築作っている不動産市場、それを許している住宅行政。新築たくさん作っておいて、特定空き家の代執行など空き家対策に公費が投入されるというなんともちぐはぐな状況です。

f:id:cbwinwin123:20180616131506p:plain(出典:2030年度の新設住宅着工戸数は60万戸、大工の人数は21万人に減少 | 野村総合研究所(NRI)

2018〜2030年度までのリフォーム市場規模

ちょっと長いですが、住宅着工統計上「新設住宅」に計上される増築・改築工事および設備等の修繕維持費にエアコンや家具等のリフォームに関連する耐久消費財、インテリア商品等の購入費を含めた金額である広義のリフォーム市場規模は、2030年まで年間6〜7兆円台の横ばいに推移していく予測です。空き家がこれだけ多いわけなのでもっと増えてもいいはずですが…。

f:id:cbwinwin123:20180616154036p:plain(出典:2030年度の新設住宅着工戸数は60万戸、大工の人数は21万人に減少 | 野村総合研究所(NRI)

2018〜2030年度までの空き家数・空き家率

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住宅宿泊事業法(民泊新法)が本日施行!課題も多いけれど民泊ビジネス拡大中

  • 住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行
  • 届け出件数は低調
  • 空き家を民泊施設にリノベーション
  • 民泊ビジネス拡大へ

住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行

2018年6月15日、住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法が施行されます。自治体に届け出れば原則誰でも、住宅や空き部屋などを有料で貸し出す民泊を営業できるようになります。主なルールとしては、年間の宿泊提供日数は180日以内、最低床面積3.3㎡/1人、虚偽の届け出には罰金100万、などがあります。これまで合法的に民泊を営業するには国家戦略特区で営業できる特区民泊か、旅館業法上の簡易宿所の許可を得るのが主な方法でした。現在、民泊には大きく3つの形態があります。

f:id:cbwinwin123:20180615053215p:plain(出典:今だから聞きたい 民泊とは :日本経済新聞

届け出件数は低調

住宅宿泊事業法が立法された背景には、民泊が日本でも急速に普及していることや多様化する宿泊ニーズへの対応、安全や衛生面の確保、騒音などのトラブルへの対応、無許可で旅館業を営む違法民泊への対応、などがあります。というか一番は、2020年に東京オリンピックパラリンピックを控え観光立国を目指している国としては民泊を急増する外国人旅行者の宿泊の受け皿としたい狙いがあります。2018年3月15日から都道府県のほか保健所を設置する政令指定都市や東京23区などの自治体による届出受付がスタートしました。3ヶ月経ってどのくらい届出があったかというと6月8日時点で2707件と、全国にしては低調となっています。というのも新しい法律は出来たけれど、自治体が独自に条例で規制したり、多くのマンションが管理規約で民泊を禁止していることなどが影響していると考えられています。

f:id:cbwinwin123:20180615060402p:plain(出典:自宅が宿泊施設に! 「民泊新法」で何が変わる? - YouTube)例えば東京都新宿区、練馬区、中野区などでは住居専用地域で月曜日正午〜金曜日正午まで平日の民泊を禁止しています

全国の3割以上の自治体が営業できる区域や営業日数を住宅宿泊事業法以上に制限する条例を制定しています。

f:id:cbwinwin123:20180615061206p:plain(出典:今だから聞きたい 民泊とは :日本経済新聞)分譲マンションの大半が民泊を禁止する措置をとっています

騒音などでトラブルが発生するとマンションの価値が下がりかねないという不安を背景に民泊を禁止するマンション管理組合が多いのが現状です。一方で三井住友海上から民泊トラブル専用保険という保険が登場しています。

空き家を民泊施設にリノベーション

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土地の所有者不明化問題の解決に向けた第一歩

  • 所有者不明土地特措法が成立
  • 公共目的な事業が前進しやすくなる
  • 土地の所有者不明化問題対策はまだまだこれから

所有者不明土地特措法が成立

所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法が2018年6月6日に参院本会議で可決成立しました。目立つところで言うと「地域福利増進事業」というのが創設されます。これは都道府県知事の判断で最長10年間の利用権を設定し、公園や直売所などといった公益目的で利用できるようになります。所有者が現れ明け渡しを求めた場合は期間終了後に原状回復しなくてはいけませんが、異議がない場合は延長も可能です。他には、公共事業の際の土地収用の手続きを簡略化する内容も盛り込まれています。

地方からは利用権について「県内では直売所や文化施設などで需要が見込まれ、歓迎している」(長野県建設部)との声が上がっている。収用手続きの簡素化についても「公共工事にかかる時間やコストを減らせる」(同)という。

所有者不明の土地、公園や道路に利用 特措法成立 :日本経済新聞

f:id:cbwinwin123:20180613202059p:plain(出典:所有者わからない土地、民間で活用へ 特別措置法が成立:朝日新聞デジタル

公共目的な事業が前進しやすくなる

デッドスペースとなっている土地や建物って機会損失を生んでいるし、管理の状況によっては防犯や衛生、景観などの側面から地域に悪影響を及ぼしています。今回の特措法によって所有者不明土地が地域にとってプラスとなるコンテンツや空間となる道筋を開いたことは意義深いです。さらに、地権者の数が膨大で一つ一つ同意を取り付けるのが難しく工事が完了していない堤防のかさ上げといった公共事業が今回の特措法により一気に前進するかもしれません。

佐賀市を流れる早津江川沿いの堤防をかさ上げする工事が、川べりの土地の地権者を特定できずに暗礁に乗り上げている。該当の土地の登記は100年前の大正時代のまま。現行制度では全ての地権者の同意が必要だが、公共目的のために「利用権」を設ける特別措置法が成立し、事態が一気に動く可能性も出てきた。

堤防かさ上げ難航、地権者特定できず 佐賀市の早津江川 登記100年前の大正時代のまま|行政・社会|佐賀新聞ニュース|佐賀新聞LiVE

f:id:cbwinwin123:20180613205003p:plain(出典:堤防かさ上げ難航、地権者特定できず 佐賀市の早津江川 登記100年前の大正時代のまま|行政・社会|佐賀新聞ニュース|佐賀新聞LiVE) 

土地の所有者不明化問題対策はまだまだこれから

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