マチノヨハク

空き家を活用して新しい価値をつくる

三鷹市井の頭一丁目の空き家活用の実践<改装編>

漆喰塗りワークショップの様子:2021年4月撮影

漆喰塗りワークショップの様子:2021年4月撮影

壁紙貼りと漆喰塗りを体験

2020年7月、三鷹市新川にある築60年の戸建て空き家を活用したシェアハウス「えんがわや家」で開催された「内装ワークショップ」に参加してきました。空間のデザイン会社である株式会社夏水組坂田夏水さんに適宜レクチャーを受けながら、壁紙貼りと漆喰塗りを体験しました。

この時、坂田さんにご相談したのがきっかけで、「旧・アンティーク日本の心」の壁への漆喰塗りワークショップの開催や、給排水設備の設置工事、本棚の設置工事といった改装へとつながっていきます。

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DIY型賃貸借契約を結ぶ

2020年12月、トイレや洗面器の設置に向けて、空きスペース所有者と正式に賃貸借契約を結びます。契約書は、国土交通省のウェブサイトに公開されている「賃貸住宅標準契約書」と、「DIY型賃貸借に関する契約書式例」をアレンジして作成しました。一般的な賃貸借契約と違い、改装可能かつ現状回復不要がポイントとなる「DIY型賃貸借契約」です。借主である私としては、自由な改装が可能となりますし、貸主の空き家所有者としても、現状有姿のまま貸し出すことで出費や手間を減らすことができます。

自由な改装が可能と言っても、事前に貸主との慎重な協議や調整は必須でした。十分な説明を行い、疑問や懸案については誠意を持ってリアクションするように努めました。それと重要なのが、そもそもそういった柔軟な借り方を許容してもらえるような信頼関係があること、が前提となるように思います。

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トイレと洗面器を設置

2021年1月、給排水設備の設置に向けて工事が始まりました。既存の給排水管を活かすことができて良かったです。壁紙や床シート、建具などの装飾に関しては、Decor Interior Tokyoの商品を使いました。

2021年2月、工事が完了しました。トイレの個室内にはイギリスの輸入壁紙を使用したり、ドアノブやコートかけなどはアンティーク調の物をチョイスしました。

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本棚の設置と漆喰塗りワークショップを開催

2021年4月、この頃になると、吉祥寺にあるブックマンションを参考にシェア型本屋兼レンタルスペースを始めることを決め、最終準備をしている段階でした。シェア型本屋とは、「定額制で棚をお貸しして、借りた方が自分の蔵書や好きな本を置いて販売ができる小さな本屋の集合体」です。給排水設備の設置でもお世話になった工務店に、縦横32センチ角×48の本棚の製作を発注しました。

扉もこれまでは格子状の木の枠が付いていたのですが、これを取り払うことで外からの視認性を向上させました。さらに、網戸を付けることで虫の侵入を防ぎます。

10名前後の方に集まっていただき、漆喰塗りワークショップを開催しました。参加者は小学生くらいの子どもが中心で、楽しい雰囲気で壁に漆喰を塗ることができました。

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新しく設置された本棚と漆喰が塗られた壁:2021年4月撮影

新しく設置された本棚と漆喰が塗られた壁:2021年4月撮影

Wi-Fiとエアコンを設置

2021年5月、Wi-Fi環境を整えます。これでパソコンが使えるようになり、より便利になりました。机や椅子、看板、金庫、キャッシュトレイ、除湿機、掃除機などの備品を買い揃え、5月31日にシェア型本屋兼レンタルスペースを正式オープンします。

2021年9月、正式オープンして梅雨の後、段々と暑くなってきました。当初は扉を開放していましたが、蚊などの虫が店内に入ってきたり、店内の声が近所に響くことを考慮し、エアコンを設置しました。冬場は相当な寒さですので、早い段階で設置できて良かったです。エアコンの設置に当たって、空き家所有者が住んでいる2階以上の住居スペースと私が借りている1階の店舗スペースの電気料金を分ける工事も行ったこともあり、意外と時間がかかってしまいました。

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最終的にかかった改装費用

最終的にかかった改装費用は約150万円でした。

トイレ設置工事費用:647,592円
追加工事費用:20,680円
本棚設置工事費用:153,670円
漆喰塗りワークショップ材料費用:28,996円
本棚ナンバープレート費用:90,750円
Wi-Fi設置費用:20,240円
エアコン設置工事(電気工事含む):522,500円
合計:1,484,428円(税込)