「東京人2021年3月号」の階段散歩特集を読んで実際に歩いてみたくなったので行ってきました。
屋敷、花街、そして飲食店街に
都営地下鉄曙橋駅と東京メトロ四谷三丁目駅との間にある新宿区荒木町一帯は江戸時代には高須藩藩主・松平義行の屋敷がありました。庭園には滝もある大きな池が設けられており、徳川家康が馬の策(ムチ)を洗ったことから「策の池」と呼ばれています。
明治に入り庭園や池が一般に開放されるようになると、景勝地として賑わい界隈に料理屋ができるようになります。明治後期頃からは風情ある花街としても発展していきます。料亭・待合・芸妓屋の三業組合がその頃結成されました。
関東大震災後の昭和初期には230人近い芸者がいたそう。しかし戦争によって花街の営業が縮小され戦後に復興するも昭和40年代(1966年〜1975年)にかけて衰退し、1983年に三業組合が解散して花街としての歴史は終わりました。現在はそうした面影を残す飲食店街となっています。
荒木町界隈を散歩
江戸時代から現代にかけて様々な変遷を経ているまちであり、歩いていると所々に昔の面影を感じることができます。
ほぼ解体されてしまっていたこちらはどんな建物で、どんな営みが行われていたのでしょうか。
四方向を崖に囲まれた荒木町は「スリバチの聖地」です。
今回、巡礼地として選んだ「荒木町」は、東京スリバチ学会にとっては聖地のような場所。なぜならここが四方向を崖で囲まれた正真正銘のスリバチ地形だからです。谷底には「策の池」と呼ばれる池が残っていますし、石畳の坂道が独特な雰囲気を醸し出しています。
東京の景色が変わる!東京スリバチ学会会長がスリバチの聖地・荒木町をご案内_東京巡礼【連載】 - OZmall
荒木町のお隣の四谷三栄町にある新宿歴史博物館前の坂からは防衛省の通信鉄塔がきれいに見えます。こちらの通信鉄塔は東京スカイツリー、東京タワーに次いで都内で3番目に高い電波塔です(出典:スカイツリー、東京タワーの次は?(写真でみる永田町): 日本経済新聞)。地上220メートル。
2016年に公開された映画「君の名は」のラストシーンなどで使われた須賀神社の階段もせっかくなので行ってきました(こちらは須賀町)。
*参考記事
▼江戸時代から現代までの歴史がまとまっている。
▼昔の写真が豊富でわかりやすい。
▼飲食店街として人気なまちであることが伝わってくる。