マチノヨハク

空き家を活用して新しい価値をつくる

三鷹市井の頭一丁目の空き家活用の実践<営業編>

京王井の頭線三鷹台駅前の丸山橋から神田川を望む:2019年4月撮影

京王井の頭線三鷹台駅前の丸山橋から神田川を望む:2019年4月撮影

空き家の所有者を調べる

地域の課題解決や街の新しいコンテンツをつくることを目的とした空き家活用を実践するため、2019年4月から本格的に動き出しました。エリアは自宅最寄駅である京王井の頭線三鷹台駅の周辺です。

まずは、以前から把握していた気になる空き家(正確には外観から空き家と推定した戸建て住宅や共同住宅。以下、空き家と言う。)の所有者が誰なのかを調べることから始めました。登記情報提供サービスを使って空き家の住所を元に、空き家の地番を明らかにします。空き家の住所と地番がわかれば登記・供託オンライン申請システムにそれを入力していき、インターネットバンキングやペイジーで手数料を支払えば、郵送で登記事項証明書が送られてきます。

詳しくはnoteに書きました。

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街の不動産屋さんに聞いてみる

2019年5月、私のブログの読者と一緒に5件の空き家を巡り、活用方法についてあれこれ想像したり話をする中で、「街の(不動産の)ことは不動産屋さんに聞いてみよう」となり、吉祥寺駅、井の頭公園駅、三鷹台駅の不動産屋さんに空き家の状況について伺ってみました。

「既に売却が決まっている」「相続関係で保留中」「持ち家のため管理していない」「管理していないため状況はわからない」など、貴重な情報をいただくことができました。実際に空き家のインターホンを恐る恐る押してみたりもしましたが、反応はなかったです。

空き家所有者に向けた空き家活用の企画提案のお手紙を作って送ろうと、改めて思いました。

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空き家や空き家所有者へお手紙を出す

2019年7月、空き家を活用して地域の課題解決につなげたい、街の魅力向上につなげたい旨を書いたお手紙を、空き家へポスト投函したり、登記事項証明書に記載の所有者へ郵送したりしました。とてもドキドキしながらポスト投函したのを思い出します。

以前お世話になった不動産事業を通してまちづくりに取り組む方によると、「(空き家活用の)初期アプローチで重要なのはあらゆる連絡と偶然」と言っていました。お手紙以外にも地域住民やお店の方、町会や自治会、商店街にも訪ねてみる必要があると考えました。

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全くリアクションなし…

2019年10月、この間お手紙に対するリアクションが全くないため、歩いて空き家を見つける→登記事項証明書を調べる→空き家所有者にお手紙を出す、を繰り返していました。これまでお手紙は封筒に入れていましたが、簡単に読めるようにA4一枚だけにしたり、子どもや子育て世帯など未来の世代のための空き家活用がしたい旨を明確に書くなど、お手紙の内容修正を随時行っていました。

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積極的に活動している町会に聞く

2020年1月、「あらゆる連絡と偶然」を胸に、自分以外の人の力も借りようと考え空き家相談窓口や不動産事業者、コミュニティセンター、市役所の町会担当部署などに問い合わせてみました。この中で、市役所の町会担当部署の方が「2月に町会の活動の発表会があるので、そこに参加されてみてはいかが」と教えてくれました。

積極的に活動をしている町会ならば空き家活用に興味を持ってくれたり、不動産市場に出ていない空き家やその所有者についてよく知っているのではないかと思い、その発表会を見に行ってみることにしました。

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町会長と会い地域の課題について話す

2020年2月、その発表会を聴講してみて、特に印象的だったのが井の頭一丁目町会でした。町会長のお話が面白かったことに加え、地方出身の子育て中の家族もプレゼンしていて風通しの良い雰囲気がしました。後日、その町会長が主催する地域のイベントに参加させてもらえることになりました。そのイベントの場で町会長にお手紙を渡し、空き家活用の目的やビジョンについてお話しし、共感していただくことができました。

最寄りの三鷹台駅前周辺地区のまちづくりや治水、防災にまつわることなど、リアルな地域の課題をお聞きすることができました。この日、色々お話しする中で考えたのが「サードプレイス」の重要性でした。自宅でもない職場でもない学校でもない、その中間の場所が街に点在していることは、その街に暮らす人の満足度を上げてくれると思います。近所の空き家情報も教えていただくなど、多くの収穫を得た日でした。

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空き家所有者に向けた空き家活用提案のお手紙(2020年2月時点)

空き家所有者に向けた空き家活用提案のお手紙(2020年2月時点)

空き家所有者と会い片付けスタート

2020年3月、町会長が動いてくださり、三鷹台駅から徒歩4分の場所にある戸建て住宅の1階にある空きスペースの所有者と会うことができました。この空きスペースは10年以上前まで骨董品屋として活用されていました(元々はガレージ)が、その後は物が大量に残り、ほぼ放置されている状態でした。

所有者は、私がやろうとしている空き家活用の目的やビジョンを町会長から聞いてくださっていました。「まずは残った物の片付けをしてから、その先に正式な賃貸契約を結ぶことを考えてもいいかも」ということで合意し、まずは片付けをしていくことになるのでした。

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大量に残った物を片付けることからスタート:2020年3月撮影

大量に残った物を片付けることからスタート:2020年3月撮影