- 所有者不明土地特措法が成立
- 公共目的な事業が前進しやすくなる
- 土地の所有者不明化問題対策はまだまだこれから
所有者不明土地特措法が成立
所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法が2018年6月6日に参院本会議で可決成立しました。目立つところで言うと「地域福利増進事業」というのが創設されます。これは都道府県知事の判断で最長10年間の利用権を設定し、公園や直売所などといった公益目的で利用できるようになります。所有者が現れ明け渡しを求めた場合は期間終了後に原状回復しなくてはいけませんが、異議がない場合は延長も可能です。他には、公共事業の際の土地収用の手続きを簡略化する内容も盛り込まれています。
地方からは利用権について「県内では直売所や文化施設などで需要が見込まれ、歓迎している」(長野県建設部)との声が上がっている。収用手続きの簡素化についても「公共工事にかかる時間やコストを減らせる」(同)という。
(出典:所有者わからない土地、民間で活用へ 特別措置法が成立:朝日新聞デジタル)
公共目的な事業が前進しやすくなる
デッドスペースとなっている土地や建物って機会損失を生んでいるし、管理の状況によっては防犯や衛生、景観などの側面から地域に悪影響を及ぼしています。今回の特措法によって所有者不明土地が地域にとってプラスとなるコンテンツや空間となる道筋を開いたことは意義深いです。さらに、地権者の数が膨大で一つ一つ同意を取り付けるのが難しく工事が完了していない堤防のかさ上げといった公共事業が今回の特措法により一気に前進するかもしれません。
佐賀市を流れる早津江川沿いの堤防をかさ上げする工事が、川べりの土地の地権者を特定できずに暗礁に乗り上げている。該当の土地の登記は100年前の大正時代のまま。現行制度では全ての地権者の同意が必要だが、公共目的のために「利用権」を設ける特別措置法が成立し、事態が一気に動く可能性も出てきた。
堤防かさ上げ難航、地権者特定できず 佐賀市の早津江川 登記100年前の大正時代のまま|行政・社会|佐賀新聞ニュース|佐賀新聞LiVE
(出典:堤防かさ上げ難航、地権者特定できず 佐賀市の早津江川 登記100年前の大正時代のまま|行政・社会|佐賀新聞ニュース|佐賀新聞LiVE)