空き家グッド

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住生活基本計画に「空き家」に関する目標が初めて設定されている件

ちょっと古いけど

住生活基本計画ってご存知でしょうか。2016年度〜2025年度までの10年間における国の住宅政策の指針となるもので、今年3月に閣議決定されました。もう3月の出来事なので古いですが、空き家に関する目標が初めて設定されているので取り上げます。

2016年度から2025年度までの10年間における住宅政策の指針となる「住生活基本計画(全国計画)」が3月18日に閣議決定された。これは「住生活基本法」に基づいて策定されるものであり、前回の計画(2011年3月15日閣議決定)から5年ぶりに見直されたものだ。新しい「住生活基本計画(全国計画)」では、次の8つの目標が掲げられた。

これから10年間の住宅政策の指針、「住生活基本計画(全国計画)」のポイント | 住まいの「本当」と「今」を伝える情報サイト【HOME'S PRES S】 

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画像引用元(PDF))『「その他空き家」数を400万戸程度の抑制』と明記されました。

急増している「その他空き家」の増加を抑える

空き家は種類別に見てみると、「賃貸用又は売却用の住宅」が約55%、個人住宅などの「その他の住宅」が約40%を占めます。そしてこの「その他の住宅」、つまりその他空き家はこの10年で1.5倍(212万戸→318万戸)、20年で2.1倍(149万戸→318万戸)と急増しています。賃貸用又は売却用の空き家は不動産市場に出ているのですぐに人が住める状態であることが予想されますので、管理の状態は良いはずです。しかし、その他空き家は個人住宅であるため、放置され老朽化し、近隣に悪影響を及ぼすような状態にまで劣化している場合もあったり、まだそんな状態ではなくても、このまま放置すればいずれそうなるという危険性が高いのです。

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画像引用元(PDF))空き家の活用・除却、両面からのアプローチの重要性が盛り込まれています。

大胆な目標を設定

この住生活基本計画が作られた国土交通省社会資本整備審議会住宅宅地分科会の会長である浅見泰司教授も、一番大胆な成果指標に「空き家」を挙げています。数年前のことを思えば空き家に対する問題意識は着実に高まってきています。

私が一番大胆な成果指標だと思っているのは「空き家」ですね。「住宅ストックからの視点」の中で「賃貸・売却用等以外の『その他空き家』数を400万戸程度におさえる(平成37年度)」としています。平成25年度に318万戸なので、趨勢では500万戸を優に超える数字になると思うのですが、それを抑制するとしています。実現可能性という点では少し難しいかもしれませんが、世の中が注目する数字だと思います。

季報「住宅金融」2016年度夏号:住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)>新しい住生活基本計画と住宅金融支援機構P.7

住宅セーフティネット、空き家の活用と除却、既存住宅流通促進

低額所得者、高齢者、障害者、ひとり親・多子世帯等の子育て世帯、生活保護受給者、外国人、ホームレスなどの住宅確保要配慮者に対する住宅セーフティネットを実現するツールとして空き家の活用促進が記載されています。また、空き家の活用・除却の推進については、一つのカテゴリーが設けられ、空き家の利活用に関する相談体制や、空き家の所有者の情報の収集・開示方法の充実など、基本的な施策が盛り込まれました。さらに、既存住宅流通の市場規模を平成25年の4兆円から平成37年には倍の8兆円に拡大する成果指標を設定するなどとしています。

住宅:住生活基本計画(全国計画) - 国土交通省

新築志向から既存ストック志向への転換はまだまだこれから

ですが正直、その他空き家の増加を抑制するくらいではまだまだ根本的な解決にはなりません。使える空き家を活用し、そうではない空き家は除却し土地活用する、そういった取り組みを全国各地でスピード感をもってやっていく必要があります。そのためには法律や制度、サービスが充実し、既存ストックを適切にメンテナンスして長く使う、ライフステージに応じて住み替えがスムーズにいくように、既存ストックの資産価値が適正に評価される仕組みが一般化し浸透する。そうした流れの中で新築志向という意識がだんだん薄らいでいくのかなと思います。

賃貸用または売却用以外の「その他の空き家」の増加を抑制することだけでは根本的な解決に結びつかない。5年後に行われる予定の「住生活基本計画」見直しでは、さらなる議論も期待したいものである。

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