マチノヨハク

空き家を活用して新しい価値をつくる

民泊という黒船が不動産業や住文化にイノベーションを生み出す

民泊新法案は中途半端?

営業日数の上限が180日だったり、自治体の条例やマンションの規約などで制限できたりと、何かと足枷が多い?民泊新法案ですが3月10日に閣議決定、国会に提出され早期成立を目指すようです。地方分権の時代ですので、自治体の裁量が尊重されることは当然ですが、せっかくの民泊新法を骨抜きにするような過度な制限がなされる可能性があります。そうなると何とも中途半端な法律になってしまう。

民泊新法は、昨年9月に国会へ提出される予定であったが、年間営業日数を何日にするか関係者間の調整が難航し、2017年の通常国会への提出をめざす方針へと変更となった。現在も自治体が条例で制限できる点において、「過剰な規制にならないよう歯止めをかけるべき」といった民泊の普及を阻害する可能性を懸念する声もある。

民泊新法案、3月10日に閣議決定へ。 | 日本最大級の民泊情報サイト MINPAKU.Biz | 民泊・Airbnb運用代行比較

民泊プラットフォームAirbnbの歩み寄り

インターネット上で民泊を仲介するサービスであるAirbnbですが、営業日数制限の180日のを超えた物件は非表示にしたり、マンションの管理組合が民泊運営しているマンション情報を確認できる仕組みを作るなど、適法かつ安全に民泊が営まれるようにルールづくりを進めています。イケイケドンドンかと思っていたAirbnbが日本の民泊新法案に合わせてサービスをマイナーアップデートするなんて、とても前向きな動きです。

Airbnb Japan(エアビーアンドビー、以下エアビー‥東京都新宿区)は2月21日、エアビー東京オフィスで記者説明会を行い、今後、エアビーが日本で自治体の政策や管理組合のルールに対しどう取り組んでいくかについて公表した。
ユーザーからの支持を集め、合法的な民泊を広く普及させていきたい思惑がある。
新たな取り組みは主に4つ。

制限日数超えた物件は非表示に :: 全国賃貸住宅新聞

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(画像引用元:現地の人から借りる家、体験&スポット - Airbnb

現状では民泊の実態把握は困難

民泊はある意味、黒船です。住宅を宿泊者に提供するなんてことはあまり一般的ではなかった。タイムリーなところでは厚生労働省が民泊に関する実態調査の結果を公表しています。無許可営業が3割超、では7割は許可を取っているのか?と、そうでもなく、そもそも正確な住所を記載している物件がほとんどないなど、半分以上は所在地を特定できなかったのです。つまり民泊に関する実態把握は現状では困難ということです。

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(画像引用元:厚生労働省の民泊実態調査で50%が所在地特定できず | 民泊専門メディア Airstair

法律でも文化でもなくテクノロジーが社会をより早く前に進める

明治維新のときって黒船が来てアメリカの文化やライフスタイル、憲法や法律など新しいものが次から次へと流れ込んできて、経済成長し、国が豊かになっていったわけですよね。明治維新を主導した人たちには、鎖国して攘夷するよりも開国して国力を付け、改めてアメリカに喧嘩を売るくらいの強かな貪欲さがあったのではないかと思います。ちょっと強引かもしれませんが民泊という黒船を受け入れて、貪欲にメリットを吸収し経済成長はもとより、新しい不動産業のスタイルや住文化の価値観の進化などへつなげていけないだろうかと考えます。法律や文化が根付くのはちょっと遅いけれど、インターネットやスマホに代表されるテクノロジーはあっという間にぼくたちのライフスタイルや行動様式を変えています。

Airbnbなどの民泊仲介サイトに物件を登録し、CtoCで直接、空き部屋を宿泊サービスとして活用できる、これはスマホの普及やインターネットやSNSの発達というテクノロジーの力が大きいです。テクノロジーによって生まれた民泊を受け入れることで、不動産業や住文化の多様化と進化が実現されるはずです。

(参考記事)
法律や文化が社会を作るのではない。「テクノロジー」が社会を規定する。 : まだ東京で消耗してるの?